No.916・917・918遺跡

「多摩NT No.916遺跡 古墳時代、関東最大級の集落」 東京新聞 平成3(1991)年11月29日付

所在地: 町田市小山ヶ丘二・三丁目

調査期間:
No.916遺跡 平成3年4月1日~平成4年3月31日
No.917遺跡 平成4年11月18日~平成4年3月31日
No.918遺跡 平成3年7月13日~平成4年3月31日/平成4年4月4日~平成4年8月7日

時代: 旧石器時代、縄文時代、古墳時代、奈良時代、平安時代、中世、近世

発掘調査報告書:
東京都埋蔵文化財センター 1995 『多摩ニュータウン遺跡 平成4年度』 東京都埋蔵文化財センター調査報告 第19集(第2分冊)

古墳時代の住居の祭祀

相模野台地を見渡す丘陵の西端で発見された大規模な集落遺跡。

竪穴住居跡60軒超に加え方形周溝墓2基も検出された。


弥生時代末、それまで何もなかった場所に集落が突如現れ、古墳時代のはじめにはまた忽然と姿を消した、その理由については未だに解明されていない。

遺跡は下の地図に示した通り、広い範囲に広がっていたが、その後の大規模な造成によって、当時の様子を想像することは難しい。

遺跡の場所

Google Earthより(一部改変)

遺跡の現況

現在、遺跡周辺には大型施設・店舗が立ち並ぶ。

尾根緑道に沿って残っている丘陵地形は、本来は遺跡範囲まで広がっていたが、開発工事によって削られてしまっている。

土器集中出土 住居廃絶祭祀か

ここに掲載したのは遺跡南側で見つかった13号竪穴住居の写真。

北壁付近で土器が集中して出土した様子が写されている。

土器の一部を意図的に打ち欠き、またそれを組み合わせて置いた様子などから、日常使用していたものがその位置に残っていたわけではなく、住居を捨て去る際の祭祀に使われたものと考えられる。

13号竪穴住居北壁付近の土器出土状況

出土状況から推定される元の並べ方

13号住居跡の平面図

住居跡群の空撮写真(手前が北)