16:00~16:15 [講演12]

日本生態学会東北地区会一般講演

「環境変動に対する個体群駆動ルールの反応性:長期魚類群集観測データの非線形時系列解析」

大友優里*(東北大・生命)・益田玲爾(京都大)・長田穣(水産機構・水資研)、川津一隆・近藤倫生(東北大・生命)


環境変動が生物量に与える影響を調べる試みは盛んに行われているが,動態を駆動する‘ルール’が撹乱にどう応答するかを調べた研究は少ない.本研究では,人為撹乱の影響下にある魚類群集の観測時系列に非線形時系列解析を適用することで、個体群動態のアトラクタを再構成し,その時間変化を調べることでこの問いに取り組んだ.その結果,対象32魚種のアトラクタが示す変動パターンは生態的特徴と対応のあるいくつかのクラスタに分類された.この結果は,生物動態の駆動ルールが環境変化に応じて確かに変化していることを示唆している。