15:00~15:15 [講演08]

日本生態学会東北地区会一般講演

「多地点多種の環境DNA情報を利用した河川魚類の分布推定モデル」

遠藤智也(東北大院・生命)・香川裕之・成田勝(東北緑化環境保全)・長田穣(水産機構・水資研)・近藤倫生(東北大院・生命)


水中の環境DNAを利用した生物分布調査では、簡便なサンプリング調査で多種の広域的な分布情報を得ることができる。しかし、河川中の生物分布を環境DNAデータから推定するためには、DNAの移流や分解などを考慮した解析が必要である。そこで我々は、DNAの流下・減衰を組み込んだ階層ベイズモデルを設計し、東北地方の3河川(吉田川、北上川、阿武隈川)でサンプリングされた環境DNAのメタバーコーディングデータに適用して、魚類分布と環境DNAの流下距離を推定した。この研究は、測定の難しい環境データを使わず、多地点多種の環境DNA情報のみから河川の魚類分布を推定する方法を提示するものである。