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原発事故時の防護措置は、PAZ(予防的防護措置準備区域:概ね5km圏内)とUPZ(緊急時防護措置準備区域:概ね30km圏内)に分けて段階的に定められています。しかし現実には、放射性物質の放出量、気象条件、初期被ばくの特性によって、計画どおりには進まないことが明らかになっています。
そもそも放射性物質の拡散は同心円状に広がりません。風向や地形の影響を強く受け、局所的に高線量域が生じることは、福島事故が証明しました。
伊達市では実際に年間20mSvを超える地域が発生。OIL1・OIL2の基準を見ても、判断が一歩遅れれば避難タイミングは致命的にずれます。
さらに柏崎刈羽原発や東通原発の不祥事を見ると、事業者が「想定どおりの事故情報」を適切・正確に提供できるのか、その前提自体が揺らいでいます。
仁志田前市長は2012年11月の国際ワークショップで、「伊達市は原発から約60km離れていたが、事故後には60μSv/hを超える地点が生じ、市役所でも30μSv/hに達した。しかし何も対応できず、それが住民の不信につながった」と述べています。
つまり本市ではOIL2に近い線量域が"現実に"発生し、当時は適切な判断も情報提供もできなかった。この経験こそが、「計画が前提どおりに機能する」という思い込みを改める必要性を示しています。
原子力防災計画は、机上のシナリオではなく、実際に起こりうる事態に耐えうる実効性のあるものでなければなりません。
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原発から56キロ離れているUPZ圏外の丹波篠山市での取り組みを要チェック! 原子力災害対策ハンドブックが完成しました。/丹波篠山市
丹波篠山市の原子力災害の備え・教育を一部紹介
福島県が2011年3月、原発事故直後に実施したダストサンプリング調査で、屋内の放射性ヨウ素131濃度が屋外とほぼ同レベルだったことが確認されています。
このデータが示唆するのは、木造住宅など一般的な住居では、屋内退避しても当初想定されたほどの防護効果が得られない可能性があるということです。
放射性ヨウ素は気体や微粒子(エアロゾル)として大気中に放出されるため、建物の気密性が十分でない場合、屋内にも容易に侵入します。つまり「屋内退避すれば安全」という前提が、必ずしも成立しない状況が存在することを、このデータは物語っています。
初期被ばく抑制の観点から、より実効性のある防護対策の検討が必要であることを、この未公開データは示していると言えます。
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