作品目録

作品名

「冷露無聲湿桂花」

理工学部 物質生命理工学科 3学年 野村茉由


【書体】

楷書・顔真卿


【意味】

冷露聲無く、桂花を湿おす。

冷ややかな露が音もなく結んで、金木犀の花を潤している。(十五夜望月のより)


【所感】

1,2年生の時は普通の楷書の作品を書いていましたが、今回は楷書の中の顔真卿で書いてみました。顔真卿特有の筆の動かし方で文字を書くのが難しかったです。


【作品を選んだ理由】

秋らしい作品を書きたいなと思い、秋の漢詩を調べていたところこの十五夜望月の漢詩を見つけ、漢詩の情景も綺麗でいいなと思って選びました。


【自己紹介】

こんにちは、野村茉由です。私は小中高での書道の経験がほとんどない状態でこの部に入りました。でもこの部活は初心者も多く、部員の皆も暖かく、今まで取り組んだことのないkとに取り組むことができ、3年間楽しく活動することができたので入ってよかったなと思いました。ありがとうございました。


「閑雲野鶴心同静 瓶水爐香意自如」

文学部 現代社会学科 3年 明石百音

【書体】

隷書

【意味】

静かな雲、野に棲む鶴、我が心は同じく静かで、花瓶の水や爐の香り、心ものびのびする。


【所感】

詩文のゆったりしずかな世界観を表せるよう、たっぷりの墨で豊かに書き、スッキリまとめるよう心掛けました。字数が少ない分、一文字一文字にフォーカスし過ぎてしまい、常に全体感を意識して書き上げることに苦労しました。


【作品を選んだ理由】

字面の良さと、穏やかで落ち着いた詩文の意味に惹かれたから。(出典:張廷琢)


【自己紹介】

最近、イヌとネコ両方と暮らしている方のYoutubeを見ていて、自分はイヌ派だと気づきました、明石です。現在3年生で、就職活動のためにしばしばエントリーシートを記入するのですが、特技の欄で「書道」が大活躍しています。これがなかったら「確実に3分以内に寝れる」くらいしか書けませんでした。


作品名

「竹風鳴葉月明前」

文学部 日本文学科 3年 谷絵梨佳

【書体】

楷書

【意味】

(第一に秋の感傷に心を揺り動かされるのは、どんな場所が最高であるかというと)竹が風にそよいで葉を鳴らし、月光がその辺り一帯を明るく照らしている、そのような光景の下である。


【所感】

「鳴」だけが大きくなってしまったり、下三文字がつまってしまったりと、バランスを取ることが難しかったです。また、字に丸みを持たせるよう意識しました。


【作品を選んだ理由】

今年も漢詩を書こうと和漢朗詠集を見ていたら一目惚れしました。字から詠われている光景が鮮明に浮かびます。


【自己紹介】

今年で引退かと思うと月日が経つのはあっという間ですね。「和歌や漢詩を書いてみたい!」という勢いのままに知識・経験0で入部した1年生のころが懐かしいです。それまで右手で字を書いたことはなかったので、最初のころは手が震えながら書いていた気がします(今ではずいぶんと慣れました)。「和歌や漢詩が好き」というだけで新しい世界に飛び込んでいけるのですから、趣味の力って偉大だなと思います。これからもどんどん新しい世界に挑戦していきたいですね。いままでありがとうございました。

作品名

臨「九成宮醴泉銘」

文学部英語英米文学科 2年 一瀬晴加

【書体】

楷書

【原典】

国,唐の欧陽詢の正書の碑銘。貞観6 (632) 年に唐の太宗が,隋の仁寿宮を修理,造営した九成宮へ避暑に行ったとき,宮殿の一隅に醴泉 (味のよい泉) が湧出したのを記念し,魏徴に命じて撰文し,欧陽詢に書かせて立碑した。全 24行,各行 50字,陽刻の篆額がある。欧陽詢の書の代表作で唐の楷書の模範とされている。現在,陝西省麟遊県にその碑跡がある。(ブリタニカ国際大百科事典より)


【書き下し分】

機を握り矩を蹈み、乃ち聖乃ち神、武は禍乱に克ち、文は遠人を懐く。 


【意味】

好機をつかんで、人の道を守られたことは、これこそ聖でありそれこそ神である。 武力によって天下の禍いを治め、文徳によって遠国の人々とも慣れ親しんだ。

【作品を選んだ理由】

作品選びをしたのが半年ほど前になるので、正直なところ選んだ理由を忘れてしまったのですが、九成宮醴泉銘の内容に感銘を受けたというのは1つあります。


【自己紹介】

皆さんこんにちは、2年の晴加です。今年は欅祭で皆さんとお会いすることが出来ず非常に残念ですが、オンラインという形で展示会を開くことができ大変嬉しく思います。堅苦しい挨拶はこの辺で終わりにして、少し近況報告でもしようかなと思います。ここ最近はステイホームということで、YouTubeを永遠に見ています。いろんな動画を見ていてタイ友達(タイが好きな友達)に教えてもらった“Richy Rich”というドラマなどが好きなのですが、特に好きなのが「実家の壁に住む専門のそばかすの少女」です。詳しいことは何も聞かずにとにかく見てほしいです。みなさん、作品を見たらYouTubeに行きましょう。


臨 「無使名過実」

経済学部 経済経営学科 2年 直紀

【書体】

草書・空海

【原典】

平安時代の僧、空海が崔子玉の「座右銘」を書いたもの。現在はその断片しか残っていないため崔子玉座右銘断簡」と呼ばれる。ちなみに「伝弘法大師筆」なので、本当に空海の書であるかどうかは厳密にいえば不明である。しかしとにかく美しい字である。(Weblio辞書を参考)

【意味】

記号内容が指示対象よりも過大に評価されないという意味。

(単語の詳細はソシュールの一般言語学講義より)

【所感】

私自身はまだ書道は初心者なので、ここまで崩した字を書くのは初めてで、かなり苦労しました。そもそもなぜ「無」の字がこんなよくわからない形になるのか、葛藤のある半年でした。次第にこの作品の中で文字が読めるようになってくると、この書自体の意味がわかりました。それぞれの字はお互いに「違い」さえあればいいのです。その境界がわからなくなってしまう様な字になってしまえば、それは明らかに「無使名過実」ではありません。漢語林を見れば、この五文字のほかにこのように崩せる字がなかったのです。(何を言っているんだ私は)

【作品を選んだ理由】

初心者だったので、とりあえず三筆で名高い空海様の作品を書かせていただきました。その中でもこの句だった理由は、残っている箇所が多かったためです。空海の書というものは古今東西人気が非常に高く、歴史上のさまざまな人物が切り取って家宝にしていました。そのため、句としてしっかり残っている箇所を探すのに苦労しました。

【自己紹介】

一年ぶりです。直紀です。去年は仏教用語「真如」を書かせていただきました。今回は初めての臨書でかなり緊張しました。去年は書道を始めて最初の作品にもかかわらず好評をいただきまして、大変に驚きました。私は読字障害を持っていて字を読むことに大変に苦労します。そのため、リハビリなどができないかと模索する中で辿り着いたのが書道でした。今年はパンデミックもあり、大変な中で、部員さんたちのモチベーションが下がってしまう危険がありましたので、オンライン展示を提案させていただきました。来年こそ感染症が収束し、みなさんが教室で本物の作品をみられるように願っております。

P.S. 最近は「未来少年コナン」を狂ったようにみてます。

臨「孔子廟堂碑」

文学部国際文化学科 2年 陽菜


【書体】

楷書

【原典】

臨 虞世南 孔子廟堂碑


【書き下し分】

玄珪乗石の尊、朱戸渠門の錫をもって、礼は往代に優り、事は恒典を踰ゆ。是に於いて在三に睠命し、吹万は帰仁す。


【意味】

視膳の礼は尽きることなく、問安の誠は篤く、孝をもって行う治政は偉大なものとなった。これにより天地は安泰し、風俗は淳厚となり、月日の照らすところはみな帰服した。


【作品を選んだ理由】

昨年は仮名の作品を書いていて、今年も書こうかなと思っていたのですが、活動開始が遅れたり、添削がオンラインになったりとイレギュラーが続いたので、慣れない仮名ではなく、高校三年間書いていて慣れている孔子廟にしました。どの部分を書こうかなと本をパラパラ見ていた時に、「尊」と「事」という字が目に入り、この文字をどうしても書きたいと思いこの部分を選びました。


【自己紹介】

こんにちは。昨年見てくださった方はおわかりだと思いますが、名探偵コナンが好きな石井陽菜です。今年は、特典確保のため前売り券販売初日に劇場に駆け込むも販売延期→公開未定→公開来年まで持ちこし、ということで大分がっかりしていました。ですが、空前の鬼滅ブームで、下手に延期して公開時期がかぶっていたらコナンの存在が薄れかねなかったので、結果オーライかなと思っています。今年は貯金して、来年は思いっきり散財します(多分)。(ちなみに鬼滅は全く見ていません。なんか、見たら流行に負けた気がするという謎のプライドが働いています。)


臨「集字聖教序」

法学部 法律学科 3年 裕大


【書体】

行書

【原典】

王羲之 集字聖教序

 玄奘の仏典漢訳をたたえた,唐の太宗の序文と高宗の記を王羲之の行書から集字して石刻したもの。(スーパー大辞林より抜粋)


【書き下し分】

 西土に基づく。漢庭に騰て夢を皎からしめ、東域を照らして慈みを流す。


【意味】

 西方の地から始まった教えが中国にまで到達し、夢を白く光り輝かせ、東方の地を照らして慈悲の大河が流れ出した。

(自分で訳したので合ってるかわからないです。誤りがあればご指摘ください。)


【作品を選んだ理由】

 昨年、風信帖を臨書したので、さらに時代を遡り、空海も学んだであろう王羲之の書を臨書することにしました。


【自己紹介】

 まず初めに、指導していただいた先生、並びに書道部の活動をサポートしていただいた方々にこの場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。


 さて今年の活動は,皆さんのご想像通り、初めての経験ばかりで大変だったのですが、何とか完成そして公開をすることができて安堵しています。肩の荷が下りました。

 いま皆様がご覧になっているオンライン展示も初めての試みです。ご意見・ご感想がありましたら、書道部の Twitter (@seikei_shodo) の DM または seikeiunivshodo@gmail.com までどしどしお寄せくださいませ。ご覧になってる皆様からの反応がありますと、私共とっても喜びます。


 ところで、皆さんはステイホーム期間中に新しく始めたことはありますか? 私は去年買ったオーディオセットをついに設置し、レコードで音楽を聴き始めました。音が滲んで広がっていってとても良いです。暖かい感じがします。サブスクと違って所有欲を満たせます。でも手入れが面倒です。デジタル音源最盛期の近年、レコード・ブームが再燃している理由を体感できました。

 書道も、レコードと同じように、アナログな産物です。筆を日常生活で使うことはほとんどありません。そんな中、大学で書道を3年間続けてきた理由はなんなのか改めて考えると、やはり書道のアナログな魅力に惹かれたのだと思います。作品を視覚で楽しむのはもちろんのこと、紙の手触りや墨の匂いで楽しむことができるのが面白いです。

 本展示はアナログな書道作品をデジタルに展示しているわけで、結局アナログの魅力は失せてしまっていますが、今回は視覚だけで楽しんでいただいて、興味を持った方は来年おそらく対面で催されるであろう欅祭にぜひお越しください。お待ちしております!


臨「真草千字文」

経済学部 経済経営学科 3年 田原梨帆


【書体】

草書

【原典】

智永 真草千字文

真草千字文は王義之七代目の孫・智永が千字文を楷書と草書で並列に書いたもの


【書き下し分】

顛沛にも虧かず。性静かなれば情逸し、心動けば神疲る。真を守れば志満ち、物を逐えば意移る。


【意味】

節操や道義、清廉さや謙虚さは片時も失ってはいけない。本性が静かだと安らぐが、揺すると疲れる。自然の道を守れば平静でおられるが、欲に動かされると落ち着かない。


【作品を選んだ理由】

草書に挑戦してみたくこの作品を選びました。文字数が多かったため少し苦戦しました。字の大きさやバランスを考えながら書くことを意識しました。


【自己紹介】

今年はコロナウイルスの影響でオンライン上での展示となり寂しい気持ちがありますが、最後展示発表を行える機会を設けてくれて感謝です!3年間書道部を続けてこれて本当に良かったなと感じます。コロナウイルスが収まって早くみんなに会いたいな^^


臨「九成宮醴泉銘」

文学部 現代社会学科 1年 松長実咲

【書体】

楷書

【原典】

臨 欧陽詢 九成宮醴泉銘


【書き下し分】

仰ぎて壮麗なるを観れば、鑒を既往に作す可く、附して卑倹なるを察れば、…(一部省略)


【意味】

見上げてその華麗さを眺めると、隋氏の滅んだ過去を鑑とすることができ、俯いて倹素な修理の様子を見ると、…(一部省略)


【作品を選んだ理由】

九成宮醴泉銘の鋭く落ち着いた線と優美な情景描写が好きだから。

また、高校時代に最も多く臨書した古典であったため。


【自己紹介】

はじめまして。本年度から書道部に入部しました松長です。

九成宮醴泉銘は基本的な字形である分ごまかしがきかず、何度も心が折れそうになりました。最終的に納得のいかない出来となってしまったことが悔しいです。しかし、高校時代に何度も半紙で行った九成宮醴泉銘の臨書を半切で行えたこと、そしてそれを披露する機会をいただけたことは非常に感慨深く、また良い経験になりました。今後とも精進致します。

この作品の制作に当たりご指導・ご支援いただきましたすべての方に感謝申し上げます。ありがとうございました。

最後になりましたが、今のところ書道部の1年生は私だけなので、もしこの展示で部に少しでも興味を持ってくれた1年生がいたら嬉しいです。入ってくれたら飛び上がって喜びます。心細いです。待ってます。よろしくお願いします。

「秋淨長湖碧玉流」

法学部 法律学科 2学年 名前 陽南

【書体】

行書

【意味】

秋は広い湖を清めて碧玉のように流れる。


【所感】

墨の量に気をつけました。長のバランスをとることがかなり難しかったです。


【作品を選んだ理由】

季節にあっていたことときれいな詩だと思ったからです。


【自己紹介】

こんにちは。2年の安田陽南です。コロナの影響で今年はほぼ自宅での活動となってしまい、みんなに会えないのが寂しいです。私は実家から通っているのでリモートの授業が楽に感じますが、ハプニングもたくさんありました。リモートの授業に入れないとか途中で落ちちゃうとかいつのまにか1人でいる気になって変顔をしてしまうとか。今年も色々なことがありましたが、私は去年と変わらずサザエさんと相棒が好きです。