【注意】本ページの内容は趣味視点での解説です。
【よく見かけるタイプ①】
WTB(Wheel Tension Balancer)などとも呼ばれる。
滑車を介して「重錘(おもり)」で架線を引張る方式で、古くから用いられている。
一基で800mほどの長さを調整可能(両端に付ければ1600m)と、性能は申し分ないが、一方で可動部のメンテナンス(油差し等)に手間がかかる事が難点とされている。
架線は強風に吹かれると結構揺れてしまう。動画で撮れそうな所があったので撮ってみたが、重錘も結構ブラブラと揺れてしまうのが分かる。
京急線のもの(京急逗子線 神武寺駅)
最近でも新品が設置される事があるようだ(JR富士駅構内)
設置場所によってはかなり近くで見れることもある。重錘の形状にも様々なものがある(京王線 下高井戸付近)
同じ柱に違う種類のものが付いている(JR線 大宮付近)
滑車のサイズにも種類がある(東急)
左右で違うテンションバランサが付いてることもある(京成西船付近)
大きい滑車から重錘へロープが伸びる
【よく見かけるタイプ②】
STB(Spring TensionBalancer)などとも呼ばれる。
筒の内部に仕込まれた「ばね」の弾性力で架線を引張る方式で、戦後に登場した。滑車式に比べてメンテナンスフリーであるが、一基で300mほどの長さしか調整できなかったため、駅構内など限られた場所にしか使えなかった。
上記の弱点を克服すべく、平成に入り、ばねの細径・多段化を行った改良型「新型ばね式テンションバランサ」が登場した(NSTB:New Spring TensionBalancer)。滑車式とほぼ同等の性能(一基で800mほどの長さを調整可能)を有し、本線上でも滑車式からの更新で使用が増えている。
本線上に使われる新型ばね式、NSなどと表記がある
(京急本線 杉田~京急富岡)
まだ架線が付いていない(東武 春日部駅構内)
本線上に使われる新型ばね式(JR高崎線)
駅構内や車庫で使われるばね式、LSなどと表記がある(京急)
下部分に目盛があり、伸縮状況がわかる(JR宇都宮線)
テンションバランサが使われる時、支えるために「支線」等が設置される(JR仙石線/多賀城付近)
チェン式テンションバランサ
滑車式とほぼ同じだが、ワイヤーロープでなくチェーンを用いているもの。昭和末期に開発され、関西方面で採用例がある。
レバー式テンションバランサ
重錘を用いるのは滑車式と同じだが、滑車でなくレバー(てこ)を用いたもの。滑車式に比べて構造が簡単なものの調整距離に難があり、現在では見かけない。
油圧式テンションバランサ
昭和30年頃に開発された方式で、開業時の東海道新幹線でも採用されたが、経年で油漏れが発生するなど不具合があり、順次撤去されたという。現在では見かけない。
手動張力調整装置
「ターンバックル」は外見から見ると黒い細筒状のもので、回転させることで伸縮、終端部の近くによく付いている。ほかに「調整用ストラップ」がある。
【主な参考文献】RRR : railway research review 76 (2)「鉄道技術 来し方行く方~第81回 電車線の自動張力調整装置 」 2019.2