博士論文「現代国際法における戦争賠償の原則——その形成・実現・限界をめぐって——」を同志社大学大学院法学研究科に提出しました。
本論文では,戦争賠償を規律する国際法の原則を,「形成」「実現」「限界」の三つの観点から検討しました。まず,戦後処理の歴史的変遷をたどり,戦時の国際法違反による損害にも完全賠償原則が適用されるに至った過程を明らかにしました。次に,平和条約,国際裁判,個人による請求,国際社会による履行確保など,賠償を実現するための手段とその課題を分析しました。さらに,証拠の不足や強制された合意によって賠償が過少となる問題と,加害国の支払能力を超える「破壊的金銭賠償」の問題を取り上げ,それぞれに対処する法的な方途を考察しました。
本研究は,賠償義務の存在を確認するところから,それをどのように実現し,被害の回復につなげるかまでを一体的に捉えるものです。被害者の救済と持続的な和平の双方を視野に入れ,現代国際法が戦後処理に果たしうる役割と,その課題を明らかにすることを目指しています。
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書誌情報:
佐々木絃「現代国際法における戦争賠償の原則——その形成・実現・限界をめぐって——」同志社大学博士学位論文(2026年)。