2026年2月28日,京都大学の国際法研究会において,「Romero and Rodríguez対エクアドル事件(2025年12月3日)の検討:権利濫用の法理を用いた濫訴抑制の手がかりとして」と題する報告を行いました。
本報告では,二重国籍者による投資仲裁の利用をめぐる管轄権の問題と,権利濫用の法理を用いた判断の妥当性を検討しました。とりわけ,投資家の従前の行動と仲裁申立てとの不一致を,どのような条件の下で権利濫用と評価できるのかに着目し,その判断基準と立証のあり方を考察しました。
この検討を通じて,正当な権利救済の機会を確保しながら,濫用的な提訴を抑制する法理の可能性と限界を明らかにすることを目指しています。投資仲裁で蓄積された議論が,国際司法裁判所を含む国際裁判にもたらす示唆を探る研究の一環です。