f.動詞
1.動詞概要
柳霞において動詞をラテン文字転写すると「mî-xe(食べる)」の様に、「語幹-接尾辞」のような表記をします。
動詞はこの形で辞書に掲載されています。ラテン文字転写した動詞の語幹の最後の1文字は常に「長母音(â, î, û, ê, ô)」となっています。
動詞語幹に様々な接尾辞を付けることにより、意味を拡張させていくことができます。
例)日本語の場合:食べ-る・tabe-ru →食べ-ろ・tabe-ro
柳霞の場合 :食べ-る・mî-xe →食べ-ろ・mî-na
接尾辞の一覧についてはこちら(制作中)を参照して下さい。
2.動詞基本三形
動詞の基本的な形は「終止形」「連体形」「接続(連用)形」の3つです。
終止形は文を言い切る形です。連体形は名詞を修飾する形です。接続形は複合動詞を作ったり、文を繋げる際の形です。
これら3つの形は、語幹に付いている最後の接尾辞によって見分けることができます。以下の表を参照して下さい。
それぞれの形の詳しい作り方や、用法の例については、後ろの項目で説明します。
3.接尾辞の配列順
上の項目で動詞の基本三形について述べましたが、形態の上では終止形を基本にして考えるので、終止形を例に説明します。
動詞語幹には以下の様な順番で接尾辞が付いていきます。
「動詞語幹(-否定接辞)-態接辞-相接辞-時制接辞-法接辞」
動詞概要の項目で例に挙げた「mî-xe(食べる)」という動詞ですが、単に「食べる」ことを表す場合、正式には以下のような形になります。
例)mî-re-te-e-xe (ミーレテエシェ)「動詞語幹-能動態-一般相-現在時制-直接法」
しかし、単に食べることを述べるだけで一々「ミーレテエシェ」などと言うのは長くてくどい感じが否めません。
そこで、「態接辞・相接辞・時制接辞」はそれぞれ「能動態・一般相・現在時制」の場合に限り省略することができます。
これが例えば「受動態・一般相・現在時制」である場合、能動態ではないため態接辞を省略することはできませんが、相接辞と時制接辞は省略することができます。
ただし、法接辞については直接法であっても省略することができません、
動詞の最後に法接辞が付いていることが、その動詞が終止形であることの標識になっているためです。
4.連体形の作り方
連体形は名詞を修飾する形です。基本的な作り方は「接尾辞の配列順」で説明した方法で必要な接尾辞を付け、その後ろに促音記号を付けます。ただし、法接辞を付ける必要はありません。
促音記号の転写方法については「ラテン文字表記方法」を参照して下さい。
例)tâ-re-xe-t ze (ターレシェッ ゼ)「見られる男」
5.接続形の作り方
接続(連用)形は複合動詞を作ったり、文を繋げる際の形です。
基本的な作り方は「接尾辞の配列順」で説明した方法で必要な接尾辞を付け、その後ろに長音記号を付けます。
複合動詞を作る場合や補助動詞に続く場合では、基本的に接尾辞が付加されることはなく、動詞語幹単体で接続形となります。
文の連結をする場合では、最後の接尾辞、つまり法接辞の母音が長母音化することで接続形となります。
例)gyâpyê-xe (ギャーピェーシェ)「憎み拒む≒絶交する」