大阪教育大学教育イノベーションデザインセンター

科学×教育デザイン部門(旧科学教育センター)


水酸化ナトリウム水溶液を調製する

小学校理科で「うすい水酸化ナトリウム」として使用される、約4%水酸化ナトリウム水溶液(正確には3.8%)を 100 mL 調製する方法です。

準備物

*水酸化ナトリウム水溶液は目に入ると失明の恐れがあります。必ず、保護メガネを着用してください。手に付着しないよう、ゴム手袋などを着用してください。(ビニール手袋は滑りやすくかさばるので、できればゴム手袋、ニトリル手袋など。)

電子天秤で水酸化ナトリウムを測り取ります。この時、薬包紙は使用しません(注1)。ビーカーに測り取ってください。

① 100 mL のビーカー(注2)を電子天秤にのせて、ゼロ合わせをします。

② 薬さじを使用して、水酸化ナトリウムを 4 g 図り取ります。(ひと粒は約0.1g。3.6 ~ 4.4 g の範囲でOKです。)

(注1):水酸化ナトリウムは湿気を取り込んで溶けてしまうため、薬包紙にはり付いてしまいます。なので、ビーカーに直接測り取ります。

(注2):大きなビーカーを使用しないのは、電子天秤には、のせることができる重さの限界があるからです。

水酸化ナトリウムを水に溶かしていきます。

①水酸化ナトリウムを溶かすための水を、メスシリンダーで 100 mL 測り取ります。

② 100 mL ビーカーに測り取った水酸化ナトリウムを、300 mL ビーカーにうつせるだけうつします。(吸湿してビーカーにはり付きますが、無理にすべてをうつす必要はありません。)

100 mL ビーカーに残った水酸化ナトリウムから溶かしていきます。

① 100 mL ビーカーに、メスシリンダーに測り取った水の一部(20 ~ 30 mL 程度)を入れます。(熱くなるので気を付けましょう。)

②ガラス棒でかき混ぜて(注1)、ある程度水酸化ナトリウムを溶かします。完全に溶けなくても構いません。できれば、はり付いている水酸化ナトリウムがガラスからはずれるようにしておきましょう。 (水溶液がはねないように気を付けましょう。保護メガネの着用を忘れないようにしてください。)

(注1):薬品を溶かすためなので、ゴム管の付いた方ではなく、付いていない先端でかき混ぜます。

300 mL ビーカーに水溶液をうつしていきます。

水酸化ナトリウムをうつしておいた 300 mL ビーカーに、先ほど水で溶かした水酸化ナトリウム水溶液をうつします。この時、溶け残った固体も入れてしまって構いません。(水溶液がはねないように気を付けましょう。保護メガネの着用を忘れないようにしてください。)

100 mL ビーカーに水酸化ナトリウムが残っていれば、溶かします。

①先ほど水溶液をうつした 100 mL ビーカーに、メスシリンダーから水を20 ~ 30 mL 程度加えます。

②完全に水酸化ナトリウムが溶けたはずです。その水溶液を、300 mL のビーカーに加えます。

もしも、まだ水酸化ナトリウムが 100 mL ビーカーに残っているようでしたら、メスシリンダーに残っている水を浸かって溶かして、300 mL ビーカーに加えます。

メスシリンダーの水をすべて使って水酸化ナトリウムを溶かしたら出来上がりです。

①メスシリンダーに残っている水をすべて 300 mL ビーカーに加えて、ガラス棒でかき混ぜて、水酸化ナトリウムをすべて溶かします。(溶けないときは、そのまま1日ほど放っておけば、溶けてしまいます。)

②保存するときは、空き瓶にうつしましょう。ポリ容器でも構いませんが、PET ボトルは使用できませ

湿気を吸収した水酸化ナトリウムの様子

水酸化ナトリウムは湿気を取り込んで溶ける性質があります。空気中においておくとこの写真のように表面が濡れはじめ、薬包紙にはり付いてしまいます。ビーカーに直接測り取って水に溶かしましょう