大阪教育大学教育イノベーションデザインセンター

科学×教育デザイン部門(旧科学教育センター)


水を熱したとき(冷やしたとき)の変化

 

Q.水面の印付けに、ビニールテープではなく油性マーカを使っては駄目ですか?  

A.油性マーカ、または細いマスキングテープをおすすめします。 (クリックで詳細表示)

1.油性マーカーは簡単に印をつけられます。ただし、マーカーインクが乾く前に、手で触ると剥がれます。また、ガラス表面が濡れていると書けませんので注意しましょう。

2.ガラス容器等に油性マーカーでつけた印は、クレンザーを付けたブラシで軽くこすると簡単に落ちます

3.ビニールテープは、細く平行に切るのが難しいです。テープを使うなら、クラフト用の細いマスキングテープが便利でおすすめですよ

Q.水が100℃で沸騰しません。何が原因ですか?(その1) 

A1.温度計自体に原因が(故障ではありません)。  (クリックで詳細表示)

1.一般的な棒温度計は「全浸没温度計」というもので、液体が登ったところまでを測りたいものに浸けておかないと、正確な温度が測れません(図を参照)。 

2.全浸没温度計は、気温を測るのには適しているのですが、液温を測定するのは困難です。

3.液体の温度を測るのには、全浸没タイプの温度計ではないデジタル温度計をお勧めします。お値段は1本600円くらいから。

棒温度計

デジタル温計

Q.水が100℃で沸騰しません。何が原因ですか?(その2

A2.そもそも観察のポイントはそこじゃなくて・・・。   (クリックで詳細表示)

1.水を加熱して沸騰する実験で一番重要な観察のポイントは、水が100℃で沸騰することではなく、沸騰が始まるとそれ以上水温が上昇しなくなることです。

2.その理由の説明は難しいですが、水を含め、液体の重要な性質です。

3.山の上など、気圧の低いところでなければ、水はほぼ100℃で沸騰します。100℃を示さないのは温度計が主な原因であることを、教師と子どもが理解していればそれでいいと思います。 

Q.水の沸点の測定に、丸底フラスコを使うのはなぜですか?ビーカーではダメですか? 

A.  デジタル温度計を使えばビーカーもOKです。  (クリックで詳細表示)

1.丸底フラスコの口は細いです。その細い口を昇る水蒸気で全浸温度計を温めて、なるべく正確に温度を測るという目的から、丸底フラスコが使用されています。ただし、水蒸気は水と違って100℃以上に温度がいくらでも上がります。そのため、しばしば温度計の表示が100℃を越えてしまうことがあります。

2.ビーカーは口が広いので、水蒸気は分散して全浸没温度計を温めることは困難です。デジタル式温度計は、先端を浸けるだけで温度を測ることができるので、ビーカーで実験できます。(ビーカーは口が広く、お湯がはねやすいので気を付けてくださいね。) 

Q.水が0℃で凍りません。何が原因ですか? 

A1.これは温度計の原因だけではありません  (クリックで詳細表示)

1.寒剤(砕いた氷と食塩を約1:1で混ぜたもの等)の中で試験管の水を静かに冷やしていくと、0℃以下でも凍らないことがあります。これは過冷却という現象によるもので、温度計による誤差とは別の要因です。水が液体から氷に変化するとき、少し時間を要している状態と理解してください。温度計を振るなどして刺激を与えてやると、一気に試験管が凍りつく現象が観察できます。

2.誤解している人が多いですが、氷の温度は0℃と決まっているわけではなく、それ以下に冷やすことができます。

Q.水を沸騰させ、生じた泡をポリ袋に集める実験。何度やってもうまくいかないです(その1)。 

A1.  うまくいく方法をご紹介します   (クリックで詳細表示)

1.ポリ袋が大きすぎたり柔らかすぎると、折れ曲がって火に近づいてしまうので、危険です。直径6センチ程度のロートなら、規格6号のポリエチレン袋(210mm×100mm、厚さ0.03mmまたは0.05mm ホームセンターなどで売っています)が適しています。袋が大きくないので、ロートの上に自立します。

2.袋は、輪ゴムでしっかり止めましょう。輪ゴムで止めるのが難しければラッピングに使うカラータイで止める方法もあります。  

3.可能なら、こんな装置を組んでみてください。 

器具: スタンド カセットコンロ ポリ袋(規格袋6号(210mm×100mm、厚さ0.03mmか0.05mm)) 輪ゴム  ビーカー(300 mL) ロート(直径6センチ) 沸とう石

ロートは、ビーカーの口径よりあまり小さくないものを。小さすぎると、ロートとビーカーの間から沸騰水蒸気の泡が逃げます。

.ロートは少しだけ水面より沈めます5 mm程度)。青矢印が水面、赤矢印がロートのふちです。(沸とう石の入れ忘れに注意!)

ポリ袋は、カットリングの中に立てると安全です。 

しっかりとポリ袋をつぶしあとは加熱開始です。 


Q.水を沸騰させ、生じた泡をポリ袋に集める実験。何度やってもうまくいかないです(その2)。 

A.  教科書通りの方法の注意点はこちら  (クリックで詳細表示)

1.水面とロートの足が近すぎるため、水蒸気ではなく水が昇ってしまいやすいです。 

2.沸とうがはじまると、勢いでロートが浮き沈みして、ビーカーとぶつかり、割れ危険性があります。