科学史・科学哲学・科学社会学など、科学という現象や営みを研究の対象とする学問を総称して「メタサイエンス(メタ科学)」と呼ぶことができます。これらの分野は独自の専門性の体系を構築している一方で、「科学政策」や「研究公正」など、科学の営みに介入し、よりよい状態を目指す実践・分野との連携は十分にみられるとは言えない状況があります。そうしたなか、2010年代末頃より、再現性の危機を中心とする科学の機能不全への問題意識から、米国・欧州を中心に「メタサイエンス運動」が盛り上がりつつあります。ここでの「メタサイエンス」は、科学の記述にとどまらず、研究者資金配分のあり方、学術情報の流通、評価の方法、研究者の多様性、研究カルチャーなどの各面での「社会的営みとしての科学」の改善を主眼におくものです※。この文脈での「メタサイエンス」を活用し、専門分化した研究者・実務者がゆるく集まり、その視点を交換する場として、2024年8月に「メタサイエンス勉強会」を行いました(オンライン)。今後、「メタサイエンス研究会」として、仲間を増やしながら、少しずつ活動していきたいと思います。
※JST-CRDS「メタサイエンスとは何か ~「営みとしての科学」を理解し、よりよく変えていく研究・実践の胎動~」https://www.jst.go.jp/crds/column/kaisetsu/column75.html
2025年度第1回勉強会、Metascience conferenceの報告会等を準備中…
メタサイエンス研究会ワークショップ(2025年3月1日)
第5回メタサイエンス勉強会(2025年2月19日)「科学史から見たメタサイエンス 」
第4回メタサイエンス勉強会(2025年1月23日)「生成AIと研究のこれから」
第3回メタサイエンス勉強会(2024年12月11日)「科学政策と科学史・科学哲学」
第2回メタサイエンス勉強会(2024年11月19日)「「再現性」とその先を考える」
第1回メタサイエンス勉強会(2024年8月29日)「科学哲学から科学政策・研究公正を考える」
発起人
野内玲 広島大学 高等教育研究開発センター(RIHE) 准教授 researchmap
清水右郷 宮崎大学 医学部 社会医学講座 研究の倫理と政策学分野 講師 researchmap
運営スタッフ
(2025年4月〜)久保田唯史 京都大学iPS細胞研究所 特定研究員 researchmap
運営補助
(2025年3月まで)丸山隆一 編集者 https://lit.link/ryuichimaruyama