本ページでは岡部ゼミの演習募集について説明します。埼玉大学では,2025年度募集(2024年度1年生)より演習(岡部)を受け入れています。
本ゼミでは学生の関心は自由を尊重します。めやすとして,以下のいずれか1つ以上に該当する学生に来てほしい・向いていると思います。
開発経済学:アジア・アフリカ・中南米を中心とした開発途上国・貧困国の特定の開発課題に関する経済分析を用いた卒業論文に取り組みたいという関心がある。
国際開発論/国際協力論:開発援助政策や国際開発政策,国際協力に関する卒業論文に取り組みたいという関心がある。
教育経済学:海外か日本国内のいずれでもよいので,教育の経済学に関する卒業論文に取り組みたいという関心がある。例えば教育投資,教育格差,教育の収益分析,教育政策の経済学的評価など。
行動経済学:海外か日本国内のいずれでもよいので,行動経済学に関する卒業論文に取り組みたいという関心がある。例えば家計の経済行動の認知バイアス,差別・偏見の経済アウトカムへの影響,行動実験の実施など。
東南アジア研究を中心とする開発途上国の地域研究:アジアやアフリカ,中南米などの開発途上諸国に関する特定国の地域研究に関する卒業論文に取り組みたいという関心がある。この場合は開発や貧困などでなくても,広く社会・経済に関する地域研究を歓迎する。
また興味関心とは別に次の2点を重視します。
提出課題の期限を遵守し,欠席や遅刻,自身が抱えている問題について迅速に「報・連・相」(報告,連絡,相談)を自ら主体的にできること。
岡部ゼミに入りたいという志望の気持ちが高いこと。
【注意】教員の授業担当メジャーは経済分析と国際発展ですが,学生の所属メジャーは問いません。経済分析と国際発展はもちろん,経営イノベーション,法と公共政策の学生も広く歓迎します。
「自由」:学生の興味関心は自由です。教員は学生の関心テーマに対して口を出すことはまずありません。ただし,どのようなテーマであっても良いので何らかの形で経済学の切り口で研究するのだという方針だけはゼミ全体の共通事項とします。
過去に学生の研究テーマに口を出したことはありませんが,学生の関心を伸ばすかたちで助言や提案をするかたちで指導をしてきました。「口を出さない先生」という評判でしたが,そのことが結果的に,共立女子大学時代は,着任した年のゼミ生から共立女子大学勤務時代は途切れることなく毎年,岡部ゼミから「学部優秀論文賞」受賞学生を出しました。このような指導方針が実を結んだと確信していますので,埼玉大学でも同様の指導方針を続けるつもりです。
「自主」:岡部ゼミの特徴は,毎回のゼミの進行や質疑も学生主体で進めてもらうことです。発表者だけでなく,毎回の司会や書記も学生から選出します。教員は黒子に徹し,ゼミ生の自主を涵養します。
自由と自主を尊重しますが,無断欠席や提出物の遅れ等の期限遵守だけは厳しくみます。これは,こうしたことが他のゼミ生の「自由」をさまたげることになるし,社会人として巣立っていったあと,どんなに学力良好で人物良好であったとしても,期限を守らない・無断でブッチするといった行動ひとつで全ての信用・信頼を一瞬で失うことになるからです。(わたし自身の反省も込めてます)
「段階的な計画」:演習の最終目標は「4年次に優れた卒業論文を執筆すること」の一点に尽きます。ここから逆算して,2年次・3年次・4年次と段階を追って計画的に学修を進めます。
2年次: ミクロ経済学や統計などの基礎的な知識・教養の獲得重視
3年次: 夏には卒論テーマをきめる/年度末にはプレ卒論を書く
4年次: 夏にはニア卒論を書く/冬に完成版を仕上げる
「交流」:ゼミ内の学生交流はもちろん,他学年のゼミ生同士の交流も重視します。また他大学とのインカレゼミなどの校外交流も重視します。
過去の実績:2020年度から共立女子大学時代は,東洋大学・専修大学・拓殖大学との合同ゼミを毎回実施してきました。今後は学習院大学も加わる5大学合同ゼミを計画しています。過去の活動について詳しくは,下記の「共立女子大学時代の教育活動(共立女子大学HPリンク)」を参照してください。
大衆化しつつあるウガンダの基礎教育の現状と課題―UWEZO世帯調査データ分析から展望する四半世紀― (2021年度 共立女子大学国際学部優秀論文賞受賞) [リンク]
開発途上国における貧困削減と企業進出・経済成⻑:日系企業のフィリピン進出は貧困削減に寄与するか (2022年度 共立女子大学国際学部優秀論文賞受賞) [リンク]
インドにおける月経問題―現状分析と解決に向けた取り組み― (2023年度 共立女子大学国際学部優秀論文賞受賞) [リンク]
デジタル金融包摂がインドにもたらす変化-PMJDYによる経済成長と格差是正の可能性-(2024年度 共立女子大学国際学部優秀論文賞受賞)
インドにおける障害者教育―NGOによる無認可学校の役割―
水不足による衛生問題の持続的な改善に向けた支援方法―サブサハラ・アフリカ地域に焦点を当てて―
フィリピンにおける幼稚園教育義務化と初等教育需要の変化―PSAデータによる相関分析を用いて―
カンボジア農村部における初等教育中退問題とその背景
子どもの権利が守られているか-フィリピンオロンガポ市を事例に-
東南アジアにおける開発政策として工業化政策は有効か:シンガポールの開発政策を例に
日本における洋上風力発電の課題と可能性
“フィリピン家族渡し船プログラム”の実態分析と改善提言
ベトナムの「新」農村社会―ルイス転換点を中心として―
ラオスにおける小児医療への国⺠の認識と改善について
インドネシアにおける森林破壊と保全:地域住⺠参加による森林保全活動の可能性
子ども兵士の貧困・武装解除・社会復帰ー南スーダンを例にー
バングラデシュにおける児童婚の根絶に向けて― 女性の社会的自立の観点から―
ベトナムの教育格差
バングラデシュのファスト・ファッション
中国の一人っ子政策とその影響
イスラームとハラール食品
アフリカのマイクロファイナンス
アフリカのジェンダー
企業のグローバル進出と国際経済
環境保護政策の経済効果分析 などなど
ゲストスピーカーを招聘した講演会とその関連テーマの各大学ゼミ生のグループ調べ学習発表の2パート構成で開催してきました。
2020年度:「国際的に活躍する人材像」小林健一氏(元・味の素ナイジェリア現地法人取締役)/「貿易と開発・発展からSDGsとの関係について」(学生グループ発表)
2021年度:「日本・バングラデシュ国交50周年」(Ariful HAQUE(アリフール・ハク)氏・バングラデシュ大使館商業参事官,安藤裕二氏・独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO/ジェトロ)在バングラデシュ・ダッカ事務所長(当時),村上心氏・独立行政法人国際協力機構(JICA)バングラデシュ事務所(当時))/「バングラデシュの社会経済開発」(学生グループ発表)
2022年度:「中国のECビジネス」(木戸康行氏:カタリストベンチャーズ 代表取締役 (元日商岩井))/「ECビジネスの可能性」(学生グループ発表)
2023年度:「アフリカの太陽光発言と日・アフリカパートナーシップ」(Aïssatou MBOUP GAYE (アイサトゥ・ンブップ・ガイ)氏・Hinomi221社長(CEO)・Aisha Consulting副社長(COO))/「アフリカの社会経済開発」(学生グループ発表)
過去の活動成果の一部は下記の各大学リンクからご覧ください。
専修大学理事長室広報課HPプレスリリース「専修大学×東洋大学×共立女子大学 合同インターゼミナールを初開催~国際的に活躍する人材像をテーマに各大学が発表~」(2020年12月11日)
東洋大学国際学部『特色ある授業』「ハイブリッドでの3大学合同ゼミを開催」https://www.toyo.ac.jp/academics/faculty/grs/rdsc/feature/Zemi_Tsubota/ (2020年12月19日)
専修大学『専修ニュース』2021年2月号(601号)「2大学合同ゼミ 国際経済の見識深める」(2021年2月15日)
東洋大学国際学部『特色ある授業』「ハイブリッドでの4大学合同ゼミ」https://www.toyo.ac.jp/academics/faculty/grs/rdsc/feature/20220126/ (2021年12月11日
「国際専門演習」インカレゼミ活動紹介:共立女子大学国際学部HP「【国際学部】リレーエッセイ2022(8)岡部正義「東洋大学×専修大学×拓殖大学×共立女子大学 合同ゼミ(インカレゼミ)の試み ―2022年『日本・バングラデシュ国交50周年』を見通す共同学習―」(2022年9月20日)
「国際専門演習」インカレゼミ活動紹介:共立女子大学国際学部HP「専修大学×東洋大学×拓殖大学×共立女子大学2023年度合同ゼミ(インカレゼミ)に参加しました ―アフリカの開発・国際協力の新時代を見通す共同学習―」(2024年2月2日)
教員のプロフィールです。(2023年度版のため最新ではありません)
前任校の所属ゼミ学生たちによるゼミ紹介資料です。