日本近現代史
幕末・維新期から近代にかけて、地域社会がどのように変化したのか、あるいはそれ以前の社会と連続した要素は何かを研究対象としています。そのため、自治体史の調査などを行うとともに、博物館や文書館などへ積極的に調査に行き、対象地域のフィールドワークなどを行ってもらいます。文字資料や数量的データなどの分析と合わせて、現地調査で得た知見を加味して分析する能力を涵養することで、調査能力、分析能力、論理的な文章作成能力を高めることを目標としています。
2025年度夏合宿(福島・会津若松城)
2023年度は新潟、2024年度は富山・金沢。北前船の就航地を訪れ、近世以来の流通と、そこで成長を遂げた豪商の家や、彼らの資本によって明治時代に創立された地元の金融機関の建物などを見学しました。 2025年度は会津若松。戊辰戦争の激戦地であり、近代医学で活躍した野口英世ゆかりの地を見学しました。
先行研究の調査、関連史料の調査を踏まえて、自分なりに歴史を再構成することに取り組んでもらいます。ゼミでは、発表に基づき以下の点を踏まえて議論してもらいます。
先行研究と各自の研究の位置関係を明確にすること。
調査した史料について史料批判を行ない、その史料をどのように位置づけるのかを明確にすること。
史料の文意を正しく把握しているのか、解釈は妥当かを確認すること。
学術用語に対する理解は妥当かを確かめこと。
そもそも論理的に妥当な論旨でまとめられているのかを確認すること。
『社会経済史学』、『史学雑誌』、『地方史研究』、『歴史学研究』、『日本史研究』、『史学』などに、この1年以内に掲載された論文を輪読。また、夏休みには各自の興味関心に関連する学術書1冊と、ゼミで指定した上記の学術書を読み、そのレビューを発表してもらう。
戦時中の報道統制とマスメディアのあり方
財閥解体の競争構造への影響 ー日本製鉄を事例にー
川越藩における幕末維新期の教育変革
庶民金融の明治維新以降の動向について―鎌倉英勝寺の金融活動を例に―
大正末期〜昭和戦前期の衆議院における議会制度改革 ―議会先例を視野に入れて―