日本古代史
藤本ゼミでは、研究報告とディスカッションを中心とするゼミ活動を通じて、卒業論文の完成を目指すとともに、現代に類似しているようにみえる部分もありながら、異文化・異世界である古代の魅力や、古代史を研究することの意義を学んでもらいたいと考えています。
卒業論文は、古代史に関わるものであれば、自分の研究したいテーマを自由に選ぶことができます。3年生は、論文執筆の基礎として、春学期に史料・参考文献の探し方や史料の扱い方を学び、秋学期には卒業論文構想を報告します。また4年生の研究報告とディスカッションを通じて、研究で必要な多角的な視点を磨いていきます。4年生は、年2~3回の卒業論文中間報告を行い、卒業論文の完成に向けて取り組みます。
夏期休暇中のゼミ合宿では、史跡・寺院・神社・博物館の巡見を行う予定です。また年に数回、史跡見学のフィールドワークや博物館見学会も実施します。これらの機会を活用して、ゼミ生には、歴史を考えるうえでの幅広い視野を養ってもらいたいと思っています。古代史に関心がある学生、またこれから古代史を学んでみたいという学生も歓迎します。
ゼミ合宿(群馬県)
(2022年度)
天龍寺(京都)の巡見風景
(2023年度)
大倉集古館見学
(2022年度)
ゼミ合宿(京都・六波羅蜜寺)
(2024年度)
3・4年生の研究報告を中心に、基礎的なことについての講義も随時行います。
合宿地は、古代史に関わる場所を、ゼミで話し合って決めます。巡見が中心です。ゼミ合宿のための資料作成もします。
古代史に関連する博物館・資料館の企画展の開催時に随時実施します(春学期・秋学期に、各1回程度)。
大学周辺や古代史跡のフィールドワークを随時実施します。
網野善彦他編『日本の歴史』00~08、講談社、2000~2001年
大津透他編『岩波講座日本歴史』第1~5巻、原始・古代1~古代5、岩波書店、2014~2015年
佐藤信編『古代史講義-邪馬台国から平安時代まで―』ちくま新書、2018年
その他に、『シリーズ日本古代史①~⑥』(岩波新書)もあります。古代史関係の概説書は多数ありますので、授業内で随時ご紹介します。
岡田精司『神社の古代史』ちくま学芸文庫、2019年
菊地大樹『日本人と山の宗教』講談社現代新書、2020年
関和彦『古代農民忍羽を訪ねて』中公新書、1998年
奈良文化財研究所編『奈良の寺―世界遺産を歩く―』岩波新書、2003年
三宅和朗『時間の古代史』吉川弘文館、2010年
森本公誠『東大寺のなりたち』岩波新書、2018年
師茂樹『最澄と徳一』岩波新書、2021年
三宅和朗『古代の人・ひと・ヒト』吉川弘文館、2022年
吉田一彦・勝浦令子・西口順子『日本史の中の女性と仏教』法蔵館、1999年
国家的祈雨祭祀の構造と位置付け
平安中期の貴族社会における穢規定とその実態
東西市の機能と都市のなかでの存在意義
平安時代における宴会の様相と文化的意義
平安時代における氷の価値についての検討
平安時代の女官の地位とその意義
相撲節の変遷と意義について
古代日本における貨幣の発行とその目的
古代仏教説話集からみた「鬼」の特質
『二十六箇条起請』の制定背景と良源の意図
古代日本における采女の特質 ー中国の「采女」との比較を通じてー
斎王と斎宮が果たした役割
国家秩序維持に関わる大祓の変遷について ー私的な祓との比較を通してー
国譲り神話から見る記紀神話伝承の成立段階
平安時代における櫃の用途
八・九世紀の日本における医療水準 ー民衆・貴族層の両側面からー
奈良時代から平安時代における装束と身分制度の変遷
都城寺院の役割と都市民衆との関わり
古代都城・都市における商人の活動と変遷
古代東アジアにおける夢を介した神と王の関係性 —日中朝を比較して—
古代在地社会の「聖」の心性史的研究
律令制成立以前の地方支配者と倭王権の関係 ~屯倉を中心に~
八・九世紀の日本における孝観念の導入と受容
平安時代陰陽道に対する人々の認識
日本古代の「鬼」の在り方
古代の貧困について ―出生と貧困の条件―
古代日本における男女それぞれのジェンダー観
日本古代における歌垣と人妻の性関係
律令成立期以降における医師についての検討
古代日本における水害対策の変遷 ―山川藪沢や国司・郡司との関係性を中心に―
『日本霊異記』の編纂と中国仏典説話の関係
古代日本における馬・牛の表象