カーリングロボット
システム
研究目的・目標
河村研究室では「人間と対戦することができるカーリングロボットシステムを開発し,また,カーリングに関連する物理現象を解明する」ことを大目標として,研究を行っています.
カーリングは冬季五輪での日本代表の活躍により国内でも注目度が高まっており,その高い戦略性から”氷上のチェス”と呼ばれることもあります.
カーリングの戦術研究は未だ発展途上であり,またカーリングストーンの物理現象は未解明で仮説しか存在しない状態であるため,カーリングロボットシステムを開発し,物理現象全体を解明することで競技に貢献できると考えています.
ロボットシステムの基盤としてROS2として使用しています.
投球(デリバリー)ロボット
我々は、過去に3台の持ち運び可能なデリバリーロボットを開発しており,さらなる性能向上を目指して研究を行っています.
デリバリーロボットは、バッティングセンターのピッチングマシンのように人間の練習相手としての機能と、人間には不可能である同じ投球を繰り返し行うことで物理現象の解明に必要なデータを収集する機能を併せ持つことを目標としています.
現在開発中の新型デリバリーロボットは、どのカーリング場であっても使用可能な可搬性と、人間と同等の投球能力と繰り返し投球能力、人間と交互に投球を行うための自律移動を行う移動能力に主眼が置かれています.
![](https://www.google.com/images/icons/product/drive-32.png)
![](https://www.google.com/images/icons/product/drive-32.png)
![](https://www.google.com/images/icons/product/drive-32.png)
戦術AI
電気通信大学の伊藤研究室が開発されているデジタルカーリングを使用して,カーリングの戦術について機械学習の分野から研究を行っています.
観測(スキップ)ロボット
実際のカーリング競技でのスキップと異なり,我々のロボットシステムではカーリングストーンの観測を行うロボットをスキップロボットと呼称しています.
前述の戦略AIの思考には,カーリングストーンの正確な位置情報が必要であり,一部のカーリング上ではカーリングシート上部にカメラが設置されておりその情報から位置を計測することが可能ですが,すべてのカーリング場にそういったシステムを備えることは困難です.
このため,ストーンの周りを移動しながら位置を観測し,戦術AIに情報を送信するスキップロボットを開発しています.
スイープロボット
カーリング競技では,ストーンを投球した後に,ストーンの前側をブラシで擦るスイープが行われます.
スイープはストーンの軌道に影響を与えることが知られていますが,その効果について定量的な解明は十分に行われていない状態です.
このため,人間に変わってスイープを行うロボットの開発を行っています.