球形全方向
移動ロボット

従来用いられてきた自動車のような車輪で移動する機構は路面の起伏や状態に強く影響されるため、移動可能な地形が限られています.

また、現在主流であるロボット自体の向きを変えずに全方向に移動する全方向移動ロボットはタイヤの回転方向とは違う向きに回転する小型ローラを取り付けたオムニホイールやメカナムホイールを用いたものです.

これらは、一般的な車輪を用いた移動機構よりも強く路面の影響を受けます.

こういった軟弱地盤に対応できる全包囲移動機構としては


  • 半球型車輪の使用

  • 重心移動

  • 形状記憶合金の糸を用いた変形可能なボールの使用

  • 伸縮可能な脚部の装備

  • ジャイロスコープを用いた安定化

  • 球体内部に車輪移動ロボットの搭載

などが存在しますが、機構自体の概念実証段階であるものがほとんどです.

また、このような新たな機構を使用するためには制御システムやどのようなルートで移動するかを決定する経路計画も従来のものとは全く異なるため、これらについても検討を行う必要があります.

この中で、重心移動と外殻から出ている脚の長さを変えることで転がりを実現する、パラレルリンク機構を用いた全方向移動ロボットは未だ実現されていません.

そのため、我々は球に対し放射状に多数の脚を伸ばした球形ロボットをワイヤ駆動形パラレルリンクを用いて,重心移動と脚の出入により全方向移動を実現することを目標として研究を行っています.

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