学会の情報保障に関わる方針について

日本文化人類学会 第30期会長 真島一郎

第30期男女共同参画・ダイバーシティ推進委員会

 日本文化人類学会は、さまざまな障がいをもつ人びとの尊厳と権利を尊重する立場から、一学術団体として、情報保障の取り組みを積極的に推進し、必要かつ合理的な配慮の提供に最大限努めて参ります。

 その社会的背景として、国連の「障害者の権利に関する条約」(略称:障害者権利条約、2006年採択)や、日本の「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(略称:障害者差別解消法、2016年施行)が挙げられます。そこに謳われている、障がい者の尊厳と権利の尊重は、同化や抑圧を伴う植民地主義を批判・反省し、この世界の隅々でさまざまな社会的弱者や少数者と共に生き理解しようと努めてきた文化人類学という学問的態度に重なる重要な課題です。

 上記の障害者差別解消法は、障がい者の要請に基づき合理的な配慮を行うことを事業体に求めているものですが、2021年の改正により2024年からはそれが義務化されることになりました。私たちもまた、障がい当事者でもある会員の要望を受けとめる形でこの重要課題を認識し、取り組みを始めています。しかし、十分な情報保障の実現には、知識と経験の不足、人的資源と財源の不足など多くの課題が山積しており、その解決には、すべての学会員一人一人の十全な理解と協力、そして継続的な改善努力が不可欠です。

 つきましては学会員のみなさまに対し、まずは学会事業の大きな柱の一つである研究大会において、発表資料の事前共有、座長や司会の進行における配慮といった、さまざまなご協力を切にお願いする次第です。

 このような一人一人の協力と、学会全体としての取り組みが両輪となって実を結び、本学会がさらに多様な人に開かれた豊かな学問的議論の場となることを期待します。

 

(本方針は、2023218日開催の2022年度日本文化人類学会第5回理事会において承認されました。)

研究発表に関するアクセシビリティ・ガイドライン

より質の高い情報保障を実現するため、注意していただきたい点がまとめられています。

発表者・座長等の方は、事前に必ずご確認ください