アマチュア無線家の方であれば、「トランシーバー」という言葉の意味する事は理解されているでしょう。
しかし、業務無線を利用している人であっても、多くの人は「トランシーバー」の意味を正しく理解していないようです。これはコミュニケーション上の大きな障壁になります。
「トランシーバー」=手で持つ、自由に使用できる無線機(免許証や交信上の制約が無い)、数十m程度の距離しか交信できない、と理解されている人が普通です。
おそらく「玩具トランシーバー:(微弱電波)」や、特定小電力無線機の存在がその間違った観念を形成しているのでしょう。これは相当強固な観念であり、正しい概念を伝える事は困難となっています。さらに、技適(技術基準適合証明 )の無い輸入無線機は、使用すれば電波法違反になるという別の問題を起こしています。違法な無線機でも通販サイトで購入できてしまうことに問題の一端があります。
災害マニュアル等に記載する場合には「トランシーバー」という記載は止めて、「特定小電力無線機」など具体的な規格を含んだ名称を記載すれば、間違いでうっかり違法行為をしてしまうリスクも減らせます。それによって少しずつでも意識が変わることを期待します。
大型バス、普通乗用車、原動機付き自転車、自転車(足こぎ)、電動キックボード、三輪車、船(手漕ぎ)、エンジン付きボート、漁船、大型船舶、航空機(旅客機)、ヘリコプターなど、すべての「のりもの」には運転(操縦)免許その他の資格が必要なものと、不要なものとがあります。営業運航のためには2種免許が存在します。
無線従事者免許も上記運転免許制度とよく似ています。これを例えにして正しい概念を伝えてはどうでしょうか。