無線従事者の資格は電波法例によって定められており、無線局の設備の操作内容に応じた資格が必要です。資格取得に必要とされる知識の重要性は平常時の運用では忘れられがちです。しかし災害時など様々なトラブルに見舞われた際には、その知識はきっと役に立つことでしょう。
アマチュア無線技士資格はその名称に「アマチュア」とついているために「簡単に取得できる簡易なもの」と考えられがちです。しかし第一級アマチュア無線技士の操作範囲は、アマチュア無線従事者資格以外では第一・第二級総合無線通信士、第二級アマチュア無線技士の操作範囲には第三級総合無線通信士以上の資格が必要です。陸上特殊無線技士では全くアマチュア無線技士の操作はできず、第二級陸上無線技術士や航空無線通信士では第四級アマチュア無線技士の捜査範囲に限られます。
つまり、やや入門的な三級・四級アマチュア無線技士はともかく、本格的にアマチュア無線の操作を行おうとすると、かなり難関の国家試験に合格する必要があるという事です。
公益財団法人 日本無線協会の実施するCBT
各地域のテストセンターに行き、画面に表示される問題を読み回答を選択(マウスでクリック)していく方式。以下の資格試験が実施されています。
■第二級海上特殊無線技士 ■第三級海上特殊無線技士 ■第二級陸上特殊無線技士 ■第三級陸上特殊無線技士
■第三級アマチュア無線技士 ■第四級アマチュア無線技士
なお、三重県では 四日市市、津市、伊勢市にテストセンターがあるため、以前のように名古屋まで受験に行かなくてもよくなりました。
おすすめは 第二級陸上特殊無線技士と第三級アマチュア無線技士 の二つ。災害時に必要な無線機(移動、携帯、小型)の多くを操作できます。
独学で受験するのは不安がある方には、講習会の受講がおすすめです。ここではQCQ Plannningと日本アマチュア無線振興協会(JARD)の講習会を紹介します。上記CBTと同じ資格を取得できます。講義の後に引き続き修了試験を受けて合格するか、e-learningを受講してテストセンターで受験するかのどちらかを選べます。(いずれも講義には受講料金がかかります)第二級アマチュア無線技士もe-learning受講ができますが、第三級アマチュア無線技士資格の既得者に限ります。また修了試験はCBTテストセンターで受けます。
自動車運転免許と同じで、運転免許センターで直接受験(筆記と実技)するか、自動車学校を卒業して実技免除で筆記試験のみとするかの違いです。なお、アマチュア無線技士の実技試験(モールス信号の送受試験)は現在廃止されています。
公益財団法人 日本無線協会の行う国家試験
昔ながらの国家試験です。第一級アマチュア無線技士試験はここで受験します。開催回数は年三回、開催地は中部地方では名古屋市のみです。試験勉強、受験申込、受験当日までを綿密に計画して受験する必要があります。もちろん、他の無線従事者資格試験も開催されています。