第4回研究会

日時

2017 年11 月 13日(月),14日(火)

会場

金沢大学宝町キャンパス医学記念館(金沢市宝町13-1)

世話人

堀家慎一(金沢大学),沖昌也(福井大学),甲斐田大輔(富山大学)

プログラム

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総括

北陸地区国立大学学術研究連携の一環として,平成29年11月13日(月)〜14日(火)に,金沢大学宝町キャンパス医学記念館において,第4回北陸エピジェネティクス研究会を開催いたしました。本年で,4回目の開催となった北陸エピジェネティクス研究会では,年に1回,北陸3県のみならず近隣の県より参加者を集い,転写制御やノンコーディングRNAといった分野も含めた広義な意味でのエピジェネティクスを主題とした研究会を開催しております。

今回,一般参加及び招待者を併せて120名を超える参加者を得て,盛会裏に研究会を終えることができました。11月13日(月)に開催された特別講演では,東京大学の程久美子先生よりCRISPR/Cas9 システムにおけるゲノム編集効率に,温度による塩基対合の強さが大きく影響することが紹介され,現在非常に注目されているゲノム編集技術のさらなる進展に期待が集まった。また,東邦大学の村本先生は転写のオン・オフを長時間可視化する独自技術を用いた1細胞レベルの生細胞解析を紹介され,未分化状態の1細胞が分裂・増殖し,再び分裂する過程で転写動態が世代を超えて受け継がれることを視覚的に示し,多くの聴衆の視線を釘付けにした。最後に,本学の理工研究域・自然システム学系の程肇先生は,本年のノーベル賞受賞対象となったジェフリー・ホール博士(アメリカ),マイケル・ロスバッシュ博士(アメリカ)マイケル・W・ヤング博士(アメリカ)らの概日リズム研究について,裏話も含め大変わかりやすく紹介された。特別講演ならびに,一般講演は,いずれも大変興味深いエピジェネティクスの基礎研究であり,活発な議論が行われた。特に,大学院生を含めた若い世代による意見交換は,研究教育にとって極めて重要であり,本研究会に参加した方々から将来性豊かな研究者が生まれることが期待される研究会となった。このように,本研究会の開催により当初の目的である北陸地区におけるエピジェネティスク研究者間における密な連携が生まれ,本研究会における議論から新たな外部資金申請の構想が生まれた。また今後,本研究会で培われた議論をもとに,北陸4大学間,さらには中部,関西地方の大学との更なる研究者間交流や共同研究につながるように努力していきたい。