Teams/CSによる講義運営
本ページの資料は、平島がまとめたものではありますが、心理学部の教員や初年次教育の松本明日香先生たちと行った、Teams運用テストを基に作成されています。本ページの資料作成者は平島ではありますが、実質的には多くの教員の協力のもとに作成されました。ただし、資料の内容に対する責任は平島にあります。
※注意:本ページの情報は古いです。
2021/03/04
更新はストップしています。すみません。この1年で、Teamsの機能も大きく変わりましたが、今のところ「致命的にこのページの資料が役に立たない」ほどの仕様変更には至っていないと思われます。そのため、まだこのページは残しておきたいと思います。
愛知淑徳大学心理学部1年生へのアンケートの結果から、オンライン授業(オンデマンド型)の運営において、押さえるべきポイントとして以下の点が示唆されました(あくまで本学心理学部の状況です)。
講義動画は1本あたり10~15分に留める。長い動画は、一時再生や早送り後に、再度再生ができなくなってしまう場合が多いようである。学生の取り組みやすさ考慮すると、タイムスタンプ機能よりも、動画を小分けにした方がよさそう。内容の区切りではなく、ともかく時間でブツブツ動画を切ってもよいと思われる。
1回の講義は、講義動画の視聴や課題も含めて90分以内となるようにする。その時間を超える学習については、授業外学習として別に課題を設定したほうがよい。
課題を出すのであれば、必ず何らかのフィードバックをする。せめて点数だけでも。個別のフィードバックは必ずしも不要で、たとえば、全体の正答率が悪かった点について、解説するといったことでもよい。
動画や課題の配信時間は厳守する。
課題の提出はTeamsの課題機能に統一する。ただでさえ受講数・課題の数が多いので、学生が一元管理できるようにする。
音声の大きさに注意。端末の音量を最大にしても、聞こえないという指摘が複数あった。
講義資料は、学期初めに冊子としてまとめられたものを配布する。学生側の印刷や資料管理のコストを減らす。
1. このページの目的など
50人以上が受講し、原則教員が内容を解説していくような、「いわゆる講義科目」を遠隔授業として行う場合、Teamsをどのように使えそうかを説明します。ゼミなどの演習科目と比べて、学生と教員・学生同士のやり取りが少なく、教員からの一方的な講義が行われる状況を想定しています。
「出欠確認・資料配布(PDFファイル、動画等)・内容理解度の確認」という各回の一連の流れをTeams(とCampusSquare, CS)で実装します。
このページ以外(以上)に目を通すとよい情報です:
大学のオンライン授業を展開するための簡易ガイド | 専修大学 遠隔授業に関するルール等の説明(1. 総論)は必読です。
講義動画作成方法 | 大阪府立大学高等教育開発センター 講義動画の作成方法は、ひとまずコレだけ見ればOK。
オンライン授業をがんばりすぎないように | まつーらとしお 心構えとして。
注意点
Teamsの使い方に関し、平島個人へのお問合せは、対処しきれない可能性がありますので、ご遠慮ください。次節で紹介する体験用チーム内に、「00_質問コーナー」というチャネルがあります。質問についてはそちらに書き込みをお願いします。個人的にお問合せいただいた場合でも、「Teams基礎1チームの質問コーナーに書き込みをお願いします」という機械的な返信に留めさせていただきます。
本資料作成者(平島)が想定したのは、ポータルサイトです。各回の資料が手に入り、(出欠確認ができ)課題を提出する、というシンプルな機能をTeamsで実装する方法を考えています。たぶん「Teamsのよさ」をスポイルするような使い方を説明していると思いますので、その点ご了承ください。
本資料がみなさまのお役に立てることができれば幸いですが、各講義の運営は担当者自身の責任で行ってください。この資料に記載された内容に基づいて運営した結果生じたいかなるトラブルについて、平島は責任を負いかねます。
ここに記載された方法で何かトラブルがあった場合には、ぜひ情報の共有をお願いします。
本資料により、Teamsでの講義運営を推奨しているわけではありません。本資料の方法を強く推奨しているわけでもありません。遠隔授業を「このページに記載された方法でやるべき」と主張するものでもありません。
2. 学生視点から講義の流れを体験(本学関係者)
チームを体験していただくとわかると思いますが、オンデマンド型の講義では、「いかに情報を構造化して学生に伝えるか」が、学生が学習内容に集中するための肝になると思います。Teamsを使おうがCSを使おうが、「特に何も考えずに、シンプルな指示に従ってクリックをし」ていけば、必要な資料にアクセスし、講義を受け、課題を提出できるのが理想的だと思います。平島の個人的な意見ですが、ひとまずこの前期は、「学生には講義の中で頭を使ってもらい、それ以外で不要な負荷を与えない」ように配慮できるとよいと思います。ちなみに、この資料は教員向けなので文字数が多く丁寧にガイドしているつもりですが、学生にとっては情報量が多すぎると思います。丁寧さとシンプルさを両立させるのは難しいです…
学生の身になって講義の流れを体験できる、体験用のチーム「Teams基礎1」(架空の講義)を作成しました。CampusSquareにて、2020/5/1 21:35:55に登録された学生部教務事務室からのお知らせ「Teams(教員版)のマニュアルのご紹介」に、チームへの参加方法が記載されておりますので、ぜひお試しください。なお、課題の権限等の都合上、愛知淑徳大学の学内LANアカウントを所有する教職員(もちろん非常勤で来ていただいている先生方も含みます)に限定させていただきます。
コードを使って、チームに参加してください。
「00_重要連絡」チャネルの注意書きを読んでください。
「第01回_X月X日」〜「第03回_X月X日」チャネルで、講義の流れを3回分体験できます。
「解説を見ただけではイマイチ使い方がわからない」という方は、本ページの解説に従って、「”Teams基礎1”と全く同じチームを自分で再現」してみてください。解説で用いたダミーの配布資料・講義動画はこちらから ダウンロード可能です。
もし何か質問があれば、「質問コーナー」に書き込んでください。どなたかが回答してくれるかもしれません。すぐに回答が得られるとは限りませんのでご了承ください。なお、同一のトピックについては、「返信」してください。
3. Teamsの使い方1:資料の配布・動画の配信
配布資料をアップしたり、配信動画の設置を行う方法を説明します。
あくまで「こういうやり方がある」という参考資料ですので、工夫は各自なさってください。よいアイディアがあればぜひご提案お待ちしております!
3.0. Teamsに関する用語
(読み飛ばし推奨。もし、わからない用語があれば適宜読んでください)
Teamsを含むMicrosoftのサービスについて
Office 365: 大学がMicrosoftと契約しているサービス。以下のアプリが含まれる(本資料で関わるものを抜粋)。以下のアプリを行ったり来たりしながら、配布資料や動画をアップしたり、理解度確認のためのアンケート(リアクションペーパー)を設定したりする。
Teams(チームズ):グループウェア。グループを作ってプロジェクトを進めるアプリ。Mixi(死語?)に近い感じがする。
SharePoint(シェアポイント): Teams内で共有したファイルは、SharePointというところに格納される(多分)。ファイルの編集権限に気をつけないと、「テンプレートをアップしたが、学生が誤って更新・削除しちゃう」ということが起きるので注意。TeamsやSharePointは、基本的に「企業でチームがプロジェクトを効率的に進めるためのツール」と思っておくとよいかもしれない。
Forms(フォームズ):出欠確認や理解度確認のためのアンケートフォームを作る。
Stream(ストリーム):Microsoft版Youtube。何も考えずに動画をアップすると、組織内(本学)全体に公開されるので注意。
Outlook(アウトルック):いつも使っているメール。
Teamsに関する用語
チーム
講義ごとに作成されるグループ。LINEでいうグループ。
チャネル
チーム内に作成される掲示板。「各回の講義」「受講生への重要連絡」「学生からの質問」など目的別に設置するのがよい。LINEでいうトークルームに近い。
チャット
本学構成員同士で連絡を取れる。気軽ではあるが、メールよりも雑な文章になりがちなので気を付ける。たぶんOutlookが裏では動いている気がする。
メンション
基本的に、投稿しても学生には通知がいかない。重要な連絡のみ、「@授業名」というメンション機能を使うことで、受講生に全員に通知を送ることができる。
「通知地獄」にならないよう、ひとまずのところ、学生への通知は控えた方がよい。
3.1. チャネルの設置と設定
チャネルの設置・設定を工夫することで、チーム内の情報の流れを制御しましょう。
複数の講義を受講する学生&複数の講義を担当する教員は、Teamsにたくさん情報が来るので「どこのなにを見たらよいかわからない」という状況に陥る未来が見えます。全学や学科等で統一する必要は無いと思いますが、構造化された情報提示を行いましょう。
3.2. 配布資料をアップする
とにかくファイル名に規則性をもたせ、ファイル名を見ただけで「どの講義の・何回目の授業の・何のファイルか」を明確にすると、学生の認知負荷も軽減できるのではないでしょうか。ファイル名には規則性をもたせてください。
3.3. 講義動画をアップする:Streamの利用
動画自体は、Teamsではなく、動画に特化した仲間のアプリであるStreamにアップします。動画の閲覧権限などもStream上で設定します。Streamにアップした動画をTeamsに読み込んで表示させる、という流れです。慣れるまではちょっとややこしい。
3.4. 各回の講義チャネルで配布資料・講義動画の情報を告知する
これまで作成した、チャネル・配布資料・講義動画を、どのように学生に告知するかについて、情報呈示のポイントをまとめました。オンデマンド型の講義は、学生の様子を見て補足することができませんので、的確にこちらの情報を理解してもらうために、細心の注意を払う必要があると思います。
4. Teamsの使い方2:リアクションペーパーの配布と回収(出欠&内容理解の確認)
出席確認と内容理解の確認を兼ねたリアクションペーパー(リアペ)の設置方法と、毎回の講義の進め方について。
あくまで「こういうやり方がある」という参考資料ですので、工夫は各自なさってください。よいアイディアがあればぜひご提案お待ちしております!
4.1. 各回のリアぺを作成する:Formsの利用
アンケートやクイズを作成するアプリFormsを使って、リアペを作成します。記述式の内容理解を問う課題についても、解答例をフィードバックできるようにしたところが工夫のポイントです。
4.2. Formsで作成したリアペを「課題」として設置する
2020年5月5日現在、心理学部で行っている運用テストでは、250名超と参加人数が多いせいか、「課題」がいつまで経っても表示されないという状況が発生しています。課題への取り組み状況は把握しづらくなりますが、毎回のリアクションペーパーくらいであれば、フォームの共有URLを学生に伝えたほうが、トラブルが少ないかもしれません。(2020年5月5日9時20分)
Formsで作成したリアペを、共有URLを配布するだけでも学生には通知できますが、Teamsで「課題」として設置することで、より学生の受講状況が把握しやすくなります。学生からしても、Teams上で正式な「課題」として表示されるので、取り組みやすいでしょう。
4.3. 各回の講義チャネルで課題の情報を告知する
各講義回のチャネルでは、「その回の資料+課題」を告知し、学生がチャネルをみたら、その回では何を見て何をしなければならないのか、容易に理解してもらえるようにすることが大事だと思います。
5. Teamsの使い方3:ファイル提出を伴う課題
半期に1回〜3回程度であれば、CSの「レポート作成機能」を使った方がスムーズな気がします。とはいえ、なるべくTeamsで完結させたほうが、学生の負担も軽いと思いますので、実装方法を解説します。
6. 提出された課題の処理
提出されたリアクションペーパーから受講状況をどのように(リアルタイムで)確認したり、最終的な出欠確認に使うか、提出されたレポートのファイルがどこになるかなど、まとめていきたいと思っています。
7. Teamsを使うコツ
ちょっとした工夫で、Teamsを快適に使うことができます。「スライド1▼」というところが目次のように使えますので、気になるTipsをぜひ取り入れてみてください。
8. Teamsについて気になること
本ページの資料を作成する中で、今後 検討・確認が必要だと考えられたことのメモです。すでにご存知の方がいらっしゃっいましたら教えていただけますと幸いです。