コロキウム1

教育思想史と自然および自然主義


        企画者:綾井桜子(十文字学園女子大学)

        司会者:河野桃子(信州大学)

        報告者:相馬伸一(佛教大学)、髙宮正貴(大阪体育大学)

        指定討論者:今井康雄(日本女子大学)

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【概要】

「教育思想史」は、19世紀の国民教育の成立期において教員養成のテクストとして生まれた。そこで示された「教育思想家」の選択と系列化の視点は、今日の私たちの教育思想史認識、さらには教育一般に対する認識にも影響を与えているのであり、その検討は私たち自身の脱文脈化と再文脈化に欠くことができない。

教育思想史には教育学説の発展史として記述されてきた歴史があるが、そこで重視されたのが、とくにコメニウス、ルソー、ペスタロッチらが重視した「自然」であった。「自然」は、啓蒙主義の興隆を経て科学的探究の方法に回収され、今日の教育一般に対する認識や教育政策の暗黙の前提となっている。

本企画は、今井康雄氏が『思想』に連載した「世界への導入としての教育――反・自然主義の教育思想・序説――」に応答しようとするものである。今井論文では直接に扱われていない思想的文脈において自然主義がどのように問題化されているかを検討することで同氏の問題提起の再読を試み、教員養成における教育思想史の意義も視野に入れつつ、教育思想史(記述)の意義と可能性について活発な意見交換ができればと願っている。