アクティビティ2021

今年度に実施したゼミ・輪読会・勉強会等の活動記録.

ゼミ

2022/3/18(金)15:30~ |コラボ2&Webex

【進捗報告】日中同型多義詞「上・下」の対照研究:認知言語学の視点から

発表者:黄 文蓮


概要:  日本語と中国語の上下は同じ漢字が書かれたが意味が違う場合がある。例えば、「雨が止む」ことを表す時、日本語は「雨が上がる」という文を使うが、中国語は「雨停了yu ting le(雨が停める)」という文を使う。つまり、中国語の「上」は「止む」という意味がない。 実際の言語使用では、辞書に書かれた中心的な語義記述(中心義)だけではなくて拡張的な意味(拡張義)でも使われる。また、言語の意味は使用に応じて変わる傾向があるため、実際に使われる意味が辞書に書かれていない場合が多い。 認知言語学の一部の認知意味論では、メタファーのような人間の基本的な認知能力は語義の意味拡張を動機づける要因と考えられている(森山2017:5)。したがって、意味拡張に着目すれば日中認知の違いがある程度分かると考えられる。 本研究では、日中同型詞「上・下」を対象に、認知意味論で語の意味の記述に用いられる主要概念の一つ「イメージ・スキーマ」という概念を言語学習に利用して、日中母語話者の上下に対する認知の違いを明らかにすることを検討する。
Speaker: HUANG,Wenlian Date & Hour: Mar. 18th (Fri) 15:30~Place: Webex Title: A Contrastive Study of Japanese and Chinese Homomorphic Polysyllables “上・下” from the Viewpoint of Cognitive Linguistics.

【進捗報告】Mass/count Distinction as a Visual Context Cue for Scalar Inferences in the Case of Understanding ‘Some’ Under the Context-based View.

発表者:レン セイジ

概要:  People make inferences during conversations to understand pragmatic meaning which are not encoded linguistically. The contexted-based view argues that we can reach the understaning becasue of our integration of context cues. My research is aiming to understand how visual informative together with linguisitic information support inference.This study will take the understanding of "some" as an example.
Speaker: Qingxi LIANDate & Hour: Mar. 18th (Fri) 15:30~Place:Collaboration Room 2 & Webex Title: Mass/count Distinction as a Visual Context Cue for Scalar Inferences in the Case of Understanding ‘Some’ Under the Context-based View.

【進捗報告】言語における共通性と創造性の両立メカニズム

発表者:大友 和幸

概要:  言語が持つ2つの性質として共通性と創造性が存在し、どちらか一つの力で言語を説明できるものではない。2つの性質を両立させる手段の1つとして、既存の語同士を組み合わせることによって新し概念を表現するという方法が考えられる。この方法の場合、想像された語の要素に対しては共通性を確保し、組み合わせの新規性によって作り出される複合語全体の新規性を確保する。 本研究では、複合語の構成要素に対する新規性、要素同士の関係性を評価し、2つの力がどのように両立しているのかを説明 する。

Speaker: Kazuyuki OtomoDate & Hour: Mar. 18th (Fri) 15:30~Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: Coexistence of novelty and commonality in language.

2022/3/17(木)17:00~ |コラボ2&Webex

【進捗報告】インターンシップ成果発表

発表者:増井 太一


概要:  3/1(月)~3/18(金)の17日の間で行ったインターンシップの成果を発表する.
    まず,成太俊さんの修士実験の追実験を行った.実験の準備や解析方法について体験した.
    次に,再帰的結合について考慮した新しい実験に関する議論を行った.
    議論に基づいて,実験手法を設定したのち,実験のシナリオや環境の準備を行った.
    その後,設定した実験手法に基づいた新しい実験を行った.
    新しい実験と追実験の結果について比較する.

Speaker: Taichi Masui Date & Hour: Mar. 17th (Thr) 17:00~Place:Collaboration Room 2 & WebexTitle: Discussion of the research plan to establish data value estimation methods for data transactions.

【進捗報告】公益の増大を考慮するサービス生態系の条件の検討

発表者:石森 宥佑

概要:  企業の経済活動を評価する際, 利益, 市場シェア,ブランド力等を評価されることが多かったが,
社会における富の増大が企業と社会との関係を必ずしも円滑にしないことが指摘されている.

 サービス・ドミナント・ロジック(Service-Dominant Logic, 以下SDL)では,製品・サービスは効用が埋め込まれたものではなく,それらを消費・経験する時点ではじめて価値が生じるものとして捉える. 主体は,自身が求める価値を創造するためには他の主体とそれぞれの資源を交換し,得た資源を自身の持つ資源と統合する必要がある. SDLの観点から捉えることで, 企業の経済活動においても利他的動機を捉えることができると考える.本研究では,企業の経済活動をSDLの観点から捉えコンピューターシミュレーションを行う.自然環境や社会システムへ目をむけることで取引に直接関与しない主体のことも考慮し,持続可能性に配慮するようなシステムの成立・存続可能性を検討する.
Speaker: Yusuke IshimoriDate & Hour: Mar. 17th (Thr) 18:00~Place:Collaboration Room 2 & Webex Title: A Study on the Conditions of Service Ecosystem Considering the Increase of Public Interest.

2022/3/11(金)18:00~ |Webex

【進捗報告】データ取引におけるデータ価値推定方法の確立に向けた研究計画の討論

発表者:松元 崇


概要:  データ活用が進むにつれて、活用の目的が多様化・高度化したことで、データ活用に必要なデータ全てを主体者が取得することは種類的・コスト的にも難しくなった。そこで代替データの入手が様々な方法で検討されているが、その中の一つにデータ流通による入手がある。データ流通は、別の主体者がデータ活用していたデータを取引によって入手する考え方とされている。この方法で入手可能なデータはオープンデータなど他の代替データより分析目的に対してより直接的な意味を含む意味で質の良いデータだと考えられており、政府や業界団体を巻き込んだデータ流通市場の検討が進んでいる。
  データ取引においては、通常の有形財産の取引と同様相応する対価を見積もるために、取引対象の品質を定量的に評価することが重要である。従来研究におけるデータに関する品質評価は、主体者がデータ取得またはデータを活用する際に、自身の組織が取得しているデータが分析に耐える品質を持っているかを充足率などの客観的な指標で評価してきた。 この評価方法は、目的に合わせてデータの形式が固定されているなど主観的評価側面を排除した手法となっている。しかしデータ流通においてはデータ提供者及びデータ購入者の間でデータに対する主観的な活用イメージ及び期待が異なることが考えられる。よってデータ流通では2者の主観を取り込んだ評価方法が求められる。
  またデータ品質だけでは対価の推定には繋がらない。市場原理を除いて、取引においては提供者と購入者の間でデータに対する価格の納得が必要となる。そこでお互いのデータの活用目的と合わせて価格の決定手法が求められる。
  最後にデータ品質や価格はデータ価値を決める1変数であると考えられるので、これらを統合的に考慮した価値推定方法が必要と考えられる。 
Speaker: Takashi MatsumotoDate & Hour: Mar. 11st (Fri) 18:00~ Place:Webex Title: Discussion of the research plan to establish data value estimation methods for data transactions 

2022/3/4(金)15:30- |コラボ2&Webex

【研究紹介】被験者の母語を考慮した文化継承による言語の階層構造出現の検証

発表者:増井 太一


概要:  言語がどのようにして複雑化し、表現力を高めてきたかを研究することは、進化言語学の分野で活発に展開されているテーマである。文化的に伝えられた言語は、世代を重ねるごとに構造化されていく。また、言語が構造化されることで、限られた語彙や文法から無限の意味を理解できるようになる。人間が言語を使って会話をすることができるのは、言語に構造があり、人間がその構造をうまく利用しているからである。 S.Kirbyら (2008) は、文化的な伝達による言語の進化を研究するための実験パラダイムを開発した。この実験パラダイムは、コンピュータによるシミュレーションではなく、実験室で被験者を使って行われた実世界の実験あった。さらにC.Saldanaら (2018) がこの実験パラダイムを用いて、語順を含む、より豊かな言語構造の出現を示した。この2つの実験における被験者英語話者である。さらに、伝達に使われた人工言語は、アルファベットで構成されていた。つまり、被験者の生活に身近な記号を使って実験が行われた。 私たちはC.Saldanaら(2018)の実験を日本語話者に対して追実験した。しかし言語は構造化しなかった。C.Saldanaら(2018)の実験と追実験の大きな違いは、被験者の母語であると考えた。そこで、実験モデルで使用する言語を日本語として、S.Kirbyら(2008)の実験を日本語話者に対して実験した。その結果、被験者が母語として使う文字のほうが人工言語は進化しやすいことが分かった。〇最初に自己紹介を軽くさせていただきたいと思います。〇専攻科の残り1年間でこの研究をひと段落させようと思っているのですが、落としどころを探しています。新しい方針やアイディアについて議論させていただきたいです。
Speaker: Taichi MasuiDate & Hour: March. 04 (Fri) 16:00~Place: Webex& Collaboration Room 2Title: Verification of the Emergence of a Hierarchical Structure of Language through Cultural Inheritance with Consideration of the Mother Tongue
--

【進捗報告】直感的な作製としての個人的遊びがチーム創造性に影響するメカニズムの分析

発表者:成 太俊


概要:  遊びは創造性の源と言われ,個人の遊びがその個人の創造性に影響するメカニズムは多様な分野で検討されているが,個人の遊びがチーム創造性にどう作用するかは明らかではない.成・橋本(2021)は,「直感的に作製」,すなわち,あまり真剣に考えず目的志向で行動しないという意味での「遊び行動」が,個人間の相互作用におけるアイデアの抽象的なレベルに言及する発話行為を促進することを示し,その発話行為はチーム創造性に影響する可能性を示唆した. ではなぜ直感的に作製という遊びは上述の効果があるのだろうか.それは遊びの効果なのか,遊びと何かとの相互作用の効果なのか?そして,実際にはチーム創造性に影響するのか,どう影響するのか?この問いを探求するために,本研究は,物体を操作して何かを作製「Think with hands」(Roos & Victor, 1999; Papert, 1996)に加え,創造性に関連する「再帰的結合」という要因の効果を検討する.再帰的結合は,組み合わせたものをさらに組み合わせることを繰り返す行為であり,言語や音楽のdigital infinityを支え(Chomsky, 1991),多様な生成物を生み出したり生成方法を多様化したりする機能がある(Toya and Hashimoto, 2018). 本研究は,LEGOブロックを用いた実験で,個人的遊び,Think with hands,再帰的結合の3条件のチーム創造性に対する影響を検討する.実験(=3要因2水準の参加者間デザイン)は3条件を操作した個人作業段階の後に,ペアによる共同作業を行い,後者の段階での発話データ,共同作品とそれの説明(=storytelling)の創造性(多様さ)の条件間の差異を分析する.この分析により各要因とグループ創造性の関係性を明らかにする. 今回のゼミでは,3月末に提出する研究計画書を皆さんに共有し議論していただければと思います.RPのドラフトとともにパワーポ資料も用いて説明する予定です.ロジックの部分だけではなく,実験の設定や分析内容に関して,特に創造性の検討について,指摘やアドバイスをいただきたいと考えてます. 
Speaker: CHENG, TaijunDate & Hour: Mar. 04 (Fri) 16:00~Place: Webex & Collaboration Room 2Title: Analysis on Mechanisms for Individual Play as intuitive modelling to affect the team creativity 

2022/2/25(金)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】Mass/count Distinct as a Visual Context Cue for Scalar Inferences in the Case of Understanding ‘Some’ Under the Context-based View (For PR revision)

発表者:レン セイジ


概要: Implicature is one of the central topics in the field of pragmatics. It means that the speaker means something by saying something else. e.g. Can you pass the salt? This utterance does not, as literally shown, ask whether the listener has the ability to pass the salt, rather, ask for a favor. A constraint-based framework is proposed, which gives a general explanation that the listener integrates information either linguistic or extra-linguistic to reach the understanding of the speakers’ meaning (Degen, J., & Tanenhaus, M. K., 2015), so figuring out what are the cues becomes a goal of studying scalar implicature. I propose, beside previous proposed two linguistic cues by J. Degen and M.K. Tanenhaus, that whether the object is interpreted as count nouns or mass nouns works as a visual cue, contributes to modulating scalar inferences or scalar implicature (SI). 明日のゼミでは、RP執筆に向けて仮説の妥当性と実験手法の妥当性検討を中心に、全体ロジックの確認を目標とします。どうぞよろしくお願いいたします。
Speaker:  LIAN, QingxiDate&Hour: 25th Feb. (Fri) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: Mass/count Distinct as a Visual Context Cue for Scalar Inferences in the Case of Understanding ‘Some’ Under the Context-based View  (For PR revision)
--

【進捗報告】日中同型多義詞「上・下」の対照研究:認知言語学の視点から −RP提出に向けて− 

発表者:黄 文蓮


概要:  認知言語学では、言語使用者が身体的経験を通じて世界をどのように見ているのかを重視し、その見方が言語表現に表れると考える(Lakoff & Johnson 1980)。つまり、言葉は認知の違いを反映できると考えられる。よって、異なる言語による同じ対象に対する表現の相違点を比較・分析することで、両言語話者の認知の違いが見えてくるではないかと考えられる。実際の言語使用では、辞書に書かれた中心的な語義記述(中心義)だけではなくて拡張的な意味(拡張義)でも使われる。また、言語の意味は使用に応じて変わる傾向があるため、実際に使われる意味が辞書に書かれていない場合が多い。認知言語学の視点を活かすことで多義語の学習の問題をよりよく解決できるだろう。認知言語学の一部の認知意味論では、メタファーのような人間の基本的な認知能力は語義の意味拡張を動機づける要因と考えられている(森山2017:5)。したがって、意味拡張に着目すれば日中認知の違いがある程度分かると考えられる。多義語の学習は、語義間の関連性が希薄であるという問題点と母国語の過度な干渉などの難点がある(佐藤 2003)ため、認知言語学の「イメージ・スキーマ」という概念を言語学習に利用して、学習者が多義語の全般的なイメージ・スキーマを構築することが有効であろう。 明日のゼミでは、RP執筆に向けて仮説の妥当性と具体的な研究手法の検討を中心に、全体ロジックの確認を目標とします。どうぞよろしくお願いいたします。
Speaker:  HUANG,WenlianDate&Hour: 25th Feb. (Fri) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: A Contrastive Study of Japanese and Chinese Homomorphic Polysyllables “上・下” from the Viewpoint of Cognitive Linguistics ~Toward Submission of RP~

2022/2/18(金)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】言語における新規性と共通性の両立

発表者:大友 和幸


概要:  言語が持つ2つの性質として、新規性と共通性が存在する。人がコミュニケーションを行うためには、言語の共通性が必要となり、話し手と聞き手の間で文法や単語の意味を共有していることが求められる。その一方で、新語の出現に見られるように、新しいformを作ることにより、新しい意味が生まれる現象が存在する。新語が出現するとき、話し手しかその内容を知り得ないため、言語の共通性のみを用いて新語の出現を説明することはできない。本研究では、2つ以上の語によって構成される複合語に注目し、それにおける基の共通性と、組み合わせの新規性よってこの2つの性質が両立しているのではないかと考え、検証を試みる。 ゼミでは、RP執筆のために背景のストーリーの確認と、調査の設計について議論できたらと考えています。 
Speaker: Kazuyuki OtomoDate&Hour: 18 February (Fri) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: Coexistence of novelty and commonality in language
--

【進捗報告】公益の増大を考慮するサービス生態系の条件の検討 —コンビニエンスストア フランチャイズ・システムを1事例として— 

発表者:石森 宥佑


概要:  企業の経済活動を評価する際、社会における富の増大が企業と社会との関係を必ずしも円滑にしないことが指摘されている。コンビニエンスストア・フランチャイズシステムは、経済活動においてサービス生態系内外に悪影響を及ぼす1例である。本研究では、SDLの観点からコンビニエンスストア・フランチャイズシステムを捉えることで、経済活動において公益を優先する個体が増えるサービス生態系の条件を明らかにすることを目的とする。 明日のゼミでは、RP執筆に向けて背景を整えること、研究手法を検討することの2つを目標とします。 
Speaker:  Yusuke IshimoriDate&Hour: 18 February  (Fri) 15:30- Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: A Study on the Conditions of Service Ecosystem Considering the Increase of Public Interest ― A Case Study of Convenience Store’s Franchise System ― 

2022/2/5(土)15:30- |ロールプレイングルーム&Webex

【発表練習】人がかけがえのない存在だと感じるロボットはどのようなものか

発表者:齋藤宗一郎


概要:  現在,ロボットが人と同じ空間で相互作用しながら様々な場面で用いられるようになっている.将来的には,ロボットが社会に当たり前に存在するような,ロボットとの共生社会が到来することは想像に難くない.そのような社会において,仕事や生活を楽にするような,人間の基本的な欲求を満たすロボットだけでなく,他者との良い関係を持つことのできるロボットが利用されるようになると考えられる.そのためのロボットの一つとして人間と友人関係を築くことのできるロボットが求められるだろう.そのようなロボットは,相互作用する人にとってかけがえのない存在だと感じられることが重要である.だが,これまでにかけがえのなさをロボットに実装するような研究はほとんど行われていない.そこで本研究は人からかけがえのない存在だと感じられるロボットの性質およびインタラクションについて,人とロボットとのインタラクション実験を通して調査する.そのために先行研究をもとに,人と様々な内容を共有するロボットはかけがえのない存在だと感じられるという仮説を設定した.この仮説を実験を通して検証する.インタラクション実験として,人とロボットが協力してクイズを解くというタスクを行い,その後,質問紙を用いて参加者にロボットのかけがえのなさについて調査を行った.実験の結果から,気持ちの共有と感性の共有がロボットのかけがえのなさに与える影響が大きい可能性が示唆された.また,ロボットが,インタラクションしている相手の状態を理解し共感することがかけがえのなさ,および親密さに影響する可能性を示した.
Speaker: Soichiro SaitoDate&Hour: 5 Feb.(Sat) 15:30-Place: Collaboration Room2 & WebexTitle: How do robots make themselves feel irreplaceable to people?
--

【発表練習】概念融合を喚起するロボットと人間の対話に関する研究 

発表者:周 豪特


概要:  ロボットの創造力や共創力を高めれば,人々の興味を引き人間との長期的な関係、特に共創的な関係をつくることができるだろう.本論文は,長期的な共創関係を維持するために, 新しい概念を生み出す思考の一つである概念融合を促すロボットと人間の間の対話を提案し,対話の効果を検証する.この対話は2つの概念についての説明と概念を結合したものについての説明が含まれている.概念の融合を喚起するロボットは概念を説明するロボットに対して,ロボットの社交性・擬人化・心の知覚・創造的な思考性という印象,人間が得た思考と対話に対する体験,対話する意欲の点に優位性があることがわかった.今回は修論の発表練習として発表します。(博士段階の内容は次回で)土曜日なんで、皆さんの時間をいただいて、ご意見やコメントをいただければ幸いです。
Speaker: Zhou HaoteDate & Hour: 5 Feb.(Sat.) 15:30-Place: Collaboration Room 2 &webexTitle: A study on Dialogue between Humans and Robots Evoking Conceptual Blending 

2022/2/4(金)15:30- |ロールプレイングルーム&Webex

【進捗報告】関係交渉的相互作用における複数解釈可能な言語行為の文化進化に関する研究―修論発表に向けたストーリーの構造構築

発表者:甲斐靖章


概要: 人々は意図の複数解釈可能な発話をなぜわざわざ行うのか。世界中でそうした発話を選択する傾向が報告されている (Brown & Levinson, 2011)  。本研究では、意図の複数解釈可能な発話をオフレコード戦略と呼ぶことにする。オフレコード戦略の使用に関する先行研究はBrown & Levinson(2011)とPinker et al(2008)があり、それらは動機やオフレコード戦略のメリットによる説明である。つまり、それらの知見は、個人のオフレコードの戦略頻度の説明である。そのため、世界中でオフレコード戦略が報告されている事実、つまり、集団におけるオフレコードの戦略頻度を説明するには不十分である。したがって、本研究の目的は、発話戦略を持つ個人同士の相互作用を通じて、集団における戦略頻度の過半数以上をオフレコード戦略が占めるようになる(本研究では文化進化と呼ぶ)条件を同定するである。そのために、進化ゲームに基づく計算機シミュレーションを用いて検討し、そこから導かれた結果を議論する。戦略発話者理論(Pinker et al, 2008; Lee & Pinker, 2010)の知見をもとに、関係交渉モデルを構築した。希望関係をもつエージェント同士が、他者の希望関係が不明な状況において、相互作用を行う。相互作用は、現状関係が維持/変化する交渉、交渉に対して受け入れる/断るを表明する応答から構成される。交渉の戦略はオフレコード戦略とあからさま戦略の2つがある。オフレコード戦略は、関係自体は変えられないが、希望関係の不一致で生じるぎこちなさ(感情コスト)を緩和できる。Ed(感情コスト)、β(オフレコードによる感情コストの非緩和度)、Ac(相手の行動からのベネフィット)、Rc(関係自体が変化することのベネフィット)、4つのパラメタに着目し、シミュレーションを行った。その結果、Edが大きくなると、あるいはβが小さくなると、あるいはRcが小さくなると、十分長い時間が経過した際のオフレコード戦略の個体数が多くなることが、確かめられた。
Speaker: Yasaki KaiDate & Hour:  4 Feb.(Fri.) 15:30~Place: Webex & Collaboration Room 2Title: Multiple Interpretations of speech Act in Relational Negotiative Interaction A Study of Cultural Evolution ― Constructing a story structure for a master's thesis presentation

2022/1/27(金)15:30- |コラボ2&Webex

【論文紹介】Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network

発表者:笠野 純基


概要:  本論文の内容は、仮想空間の中でエージェンの内部モデル(認知地図)をどのように自己組織化されるか、またモデルが獲得した認知地図を用いてどのように般化されるか(未知の領域を通過した場合)について調査しています。今回のゼミでは、論文の7.6.Mental simulation experimenから最後に9.Conclusionまでを発表します。論文の範囲としては、pp.141 2段 L.6「7.6.Mental simulation experimen」-pp.144「9. Conclusion」です。 本論文を選んだ理由は、内的な認知活動を観察する手法として、シミュレーションを用いた構成論的アプローチを取っているためです。本論文で扱われているような、内的な状態をどのように観察するのか、という点が私の研究と関連していると考えています。そのため、その部分についても議論したいです。 動物は空間の特徴を理解するために、内部モデル(認知地図)を造成(手を加えて形にする)し利用する。先行研究では、高レベルの概念の抽出に階層構造が寄与することが示されている。一方、空間的な側面から認知地図の獲得に至っていない。本論文では、従来のモデルを部分的に改造し、2次元の仮想環境の中でエージェントに視覚運動経験とともに学習させた。モデルは片方の感覚しか提供されていない場合でも、将来の視覚と運動の入力を予測する(クロスモーダル予測)ように学習させた。エージェントが未知の経路を経験した場合でも、モデルは視覚映像を正しく予測した。異なる条件下のモデルのクロスモーダル予測を比較した結果は、運動に関するクロスモーダル予測で認知地図の自己組織化をもたらすことが明らかになった。さらにメンタルシミュレーション能力の実験からは、視覚と運動の一貫した生成のためには、双方向のクロスモーダル予測(視覚と運動のみの結果から)が要求されることを示した。これらの結果から、認知地図を用いて空間の認識の自己組織化のためには、予測的な学習と統合させた視覚と運動を関係させる必要があることが示された。
論文書誌情報:Wataru Noguchi, Hiroyuki Iizuka and Masahito Yamamoto. (2017). Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network. Adaptive Behavior 2017, Vol. 25(3) 129–146.PDF: <https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1059712317711487>
Speaker: Junki KasanoDate&Hour: 28 January (Wed) 15:30--Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: "Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network"
--

【進捗報告】データ流通におけるデータ価値推定方法の確立に向けた既存研究整理と研究課題の絞り込み

発表者:松元 崇


概要:  データ活用が進むにつれて、活用の目的が多様化・高度化したことで、データ活用に必要なデータ全てを主体者が取得することは種類的・コスト的にも難しくなった。そこで代替データの入手が様々な方法で検討されているが、その中の一つにデータ流通による入手がある。データ流通は、別の主体者がデータ活用していたデータを取引によって入手する考え方とされている。この方法で入手可能なデータはオープンデータなど他の代替データより分析目的に対してより直接的な意味を含む意味で質の良いデータだと考えられており、政府や業界団体を巻き込んだデータ流通市場の検討が進んでいる。データ取引においては、通常の有形財産の取引と同様相応する対価を見積もるために、取引対象の品質を定量的に評価することが重要である。従来研究におけるデータに関する品質評価は、主体者がデータ取得またはデータを活用する際に、自身の組織が取得しているデータが分析に耐える品質を持っているかを充足率などの客観的な指標で評価してきた。この評価方法は、目的に合わせてデータの形式が固定されているなど主観的評価側面を排除した手法となっている。しかしデータ流通においてはデータ提供者及びデータ購入者の間でデータに対する主観的な活用イメージ及び期待が異なることが考えられる。よってデータ流通では2者の主観を取り込んだ評価方法が求められる。またデータ品質だけでは対価の推定には繋がらない。市場原理を除いて、取引においては提供者と購入者の間でデータに対する価格の納得が必要となる。そこでお互いのデータの活用目的と合わせて価格の決定手法が求められる。最後にデータ品質や価格はデータ価値を決める1変数であると考えられるので、これらを統合的に考慮した価値推定方法が必要と考えられる。 本セミナーでは上記の背景及び既存研究の状況のまとめと研究目的の明確化に向けた検討について検討する。
Speaker: Takashi MatsumotoDate&Hour: 15:30~(2nd) 28 January 2022Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: Organizing research topics for the construction of methods for estimating data values in data distribution.

2022/1/21(金)15:30- |コラボ2&Webex

【論文紹介】Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network

発表者:笠野 純基


概要:  本論文の内容は、仮想空間の環境をエージェンの内部モデル(認知地図)として、空間的特徴の理解をどのように自己組織化されるか、またモデルが獲得した認知地図を用いてどのように一般化されるか(未知の領域を通過した場合)について調査しています。今回のゼミでは、論文の7.結果から最後の9.結論までを発表いたします。論文の範囲としては、pp.135「7. Results」-pp.144「9. Conclusion」まで行います。 本論文を選んだ理由は、内的な認知活動を観察する手法として、シミュレーションを用いた構成論的アプローチを取っているためです。本論文で扱われているような、内的な状態をどのように観察するのか、という点が私の研究と関連していると考えています。そのため、その部分についても議論したいです。 動物は、外部環境を内部モデル(認知地図)を発達させ、空間的特性を理解するために利用している。本論文では、先行研究のモデルに改良を加え、階層構造を持たせたネットワークモデルを用いている。モデルは2次元のシミュレーション環境の中で、視覚運動経験を用いて学習させる。提案したモデルは、片方のモダリティ(視覚と運動)しか提供されない場合でも、将来の視覚と運動の入力を予測できるように学習させた(クロスモーダル予測)。クロスモーダル予測(片方のモダリティ(視覚と運動)しか提供されない場合でも、将来の視覚と運動の入力を予測する)により、エージェントは未知の経路を経験した場合でも、視覚的なイメージを正しく予測することができた。また、モデルはクロスモーダル予測の異なる学習条件の下で比較をした結果、運動に関するクロスモーダル予測は、認知地図の自己組織化をもたらすことが明らかになった。さらにメンタルシミュレーション能力の実験を行った結果、視覚と運動の一貫した生成には、双方向クロスモーダル予測(視覚と運動のみからの予測)が必要であることが示された。これらの結果から、認知地図を用いた空間認識の自己組織化には、視覚と運動の統合を含む予測学習が必要であることが示された。

論文書誌情報:Wataru Noguchi, Hiroyuki Iizuka and Masahito Yamamoto. (2017). Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network. Adaptive Behavior 2017, Vol. 25(3) 129–146.PDF: <https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1059712317711487>
Speaker: Junki KasanoDate&Hour: 21 January (Wed) 15:30--Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: "Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network"
--

【論文紹介】Seeing from without, seeing from within: Aspectual differences between Spanish and Russian

発表者:黄 文蓮


概要:  アスペクト(体)などの言語カテゴリーは言語間で同一ではなく、言語間の差異から認知言語学の重要な概念である解釈や概念分類の差異を明らかにすることができる。スペイン語をロシア語に翻訳すると、スペイン語が完了体過去形を使っている場面で乖離するが、ロシア語の翻訳に相当するものは不完了体過去形である。アスペクトの不一致の例を、文法的な構文と言語固有の事実によって分類している。この不一致は、期間の明白な表現、および最終的な時間的境界が表現されるか推測できる状況で見られる。これは、概念の違いによるものだと解釈している。スペイン語は時間を外から見る傾向があり、境界があるので完全性である。ロシア語は時間を内から見る傾向があり、境界を気にせず持続時間で解釈するので不完全性である。 この論文を選んだ理由:①研究分野は同じ。修士の研究では、認知対照言語学の分野で日本語と中国語の多義語について検討している。この論文も同じく認知対照言語学の観点からスペイン語とロシア語のアスペクトついて検討したものである。②研究対象を選ぶ視点が似ていると思う。スペイン語もロシア語も、完了体や不完了体の区別があり、この区別は2つの言語で似ている。しかし、スペイン語とロシア語では、完了体と不完了体の区別は全く同じではない。日本語と中国語は同じく漢字を使うが、多少意味が違う場合がある。このような同じアスペクト(体)を使うのに何か細かい違いがあるという視点は私がやりたい研究、日中は同じ漢字「上、下」を使うのに細かい違いがあるという視点は似ていると思う。③論文の書き方は参考になった。特に2言語の違いからどうやってイメージ・スキーマに迫るかはとても参考になった。 この論文の追試を通して、主テーマ研究の全体像のイメージができました。この論文の書き方と研究方法、イメージ・スキーマについて議論していただけれると幸いです。

論文書誌情報:論文書誌情報: Laura A. Janda&Antonio Fábregas (2019), Cognitive Linguistic, 30(4): 687–718DOI: https://doi.org/10.1515/cog-2018-0054
Speaker: HUANG,WenlianDate&Hour: Jan 21st (Fri) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: “Seeing from without, seeing from within: Aspectual differences between Spanish and Russian”

2022/1/12(水)15:30- |コラボ2&Webex

【論文紹介】流行っている新語を理解する

発表者:秦 慕君


概要:  目下,新語が次々と生まれている.著者はまず新語が出てくる原因と新語を作る動機を論じた.そして,混成語としての新語に一点を深く注目して,先行研究の実験結果を踏まえ,新しい実験を行った.masked primingを用い,語彙判断課題を通して参加者が混成語の語源を識別するときの反応時間を調査した.実験結果,参加者が混成語の語源を識別するのに長い時間が必要だとわかった.混成語などの新語が語用論を背景としてあらためて見ると,新語の作り手・話し手が自分の意図を達成するために,読み手・聞き手がゆっくりとした反応が望ましいことが示唆された. Adrienne Lehrerは単語を研究対象として,単語の意味がメタファーを通してどのように拡張されるか,また新語,特に混成語を研究している.今,私は新語・流行語について研究するつもりで,研究テーマはまだある程度具体的に絞られていないが,この論文がテーマの絞りに何らかのヒントになればと思って,皆さんにこの論文を共有し,議論できば幸いです.

論文書誌情報:Adrienne Lehrer, Understanding trendy neologisms, Italian Journal of LinguisticsVol. 15(2), pp. 369-382, 2003.PDF:https://www.italian-journal-linguistics.com/app/uploads/2021/06/07.Lehrer.pdf
Speaker: QIN,MujunDate&Hour: January 12 (Wed.) 15:30-Place: Webex &Collaboration Room 2Title: Understanding trendy neologisms
--

【論文紹介】Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network

発表者:笠野 純基


概要: 今回のゼミ発表は、2021/12/23(木)に行った論文の続き、Introductionからさせて頂きます。紹介する論文の範囲:pp.129-pp.135「6.2 Data collection」まで行います。残りの範囲は、次回2022/1/21(金)に残りの内容pp.135「7. Results」-pp.144「9. Conclusion」を行わせて頂きます。
 動物は、自然環境の空間的特性を理解するために、外部環境の内部モデルである認知地図を発達させながら利用する。本論文は、先行研究の階層構造を持つニューラルモデルを変更し、空間的特性を理解する内部モデルを提案した。シミュレーションによる検証の結果、認知地図を用いた空間認識の自己組織化のためには、視覚と運動の系列を統合した予測学習が必要であることが示された。モデルは片方のモダリティしか提供されていない場合でも、将来の視覚と運動の入力を予測できる(クロスモーダル予測)ように学習される。学習済みのモデルは未知の経路を体験した場合でも、視覚的な映像を正しく予測した。異なる条件のクロスモーダル予測学習で比較した結果、運動に関連するクロスモーダル予測は認知地図の自己組織化をもたらすと示唆された。さらに未知の経路を体験することのできるメンタルシミュレーション能力の実験から、視覚と運動の一貫した生成のためには、双方向のクロスモーダル予測が必要であることが視覚と運動のみの結果から示唆された。 1部発表に本論文を選んだ理由は、内部モデルの発達の過程を観察する手法を学びたいと思ったからです。内部モデル(=認知地図)は、どのように空間的特徴の理解として自己組織化されるか、さらに学習済みのモデルは、空間的特徴の理解を利用して未知の経路を予測するのかを実際の仮想環境と予測の出力の度合いから検証している。 また私は本論文の追試を通して、主テーマ研究を進めたいと思っています。そのために、論文の内容を理解し、モデル検証の手法についても議論していただけれると幸いです。 私は人間の内的な認知的な活動に興味を持っています。認知とは、知識を得る働き、すなわち知覚・記憶・推論・問題解決などの知的活動を総称する。参照元<https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%AA%8D%E7%9F%A5/>(特に、頭の中で物事を想像するとき、本人も想像しているという行為を自覚し、想像する行為自体も楽しんでいる。のように階層的な認識をする。)そのためにはまず、本論文で扱われているように、外部環境から知識となる概念を得ることのできる内部モデルを調べ、検証するための手法を学ぶことが必要だと思っています。

論文書誌情報:Wataru Noguchi, Hiroyuki Iizuka and Masahito Yamamoto. (2017). Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network. Adaptive Behavior 2017, Vol. 25(3) 129–146.PDF: <https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1059712317711487>
Speaker: Junki KasanoDate&Hour: 12 January (Wed) 15:30--Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: "Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network"

2021/12/23(木)15:30- |コラボ3&Webex

【論文紹介】Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network

発表者:笠野 純基


概要:  動物は、外部環境を内部モデルとして認知地図を発達させ、自然環境の空間的特性を理解するために利用している。先行研究では、リカレントニューラルネットワークの階層構造が、連続した感覚運動経験における高次概念の抽出に寄与していることが示されている。しかしながら、連続した感覚運動経験における経験の空間的側面には着目しておらず、認知地図を獲得できていなかった。本論文は、従来のネットワークモデルに改良を加え、2次元環境をシミュレートしたエージェントの視覚運動経験を用いて、モデルを学習させた。本論文で提案したモデルは、片方のモダリティしか提供されない場合でも、将来の視覚と運動の入力を予測できるように学習させた(クロスモーダル予測)。提案したモデルは、エージェントが未知の経路を経験した場合でも、視覚的なイメージを正しく予測することができた。また、異なる条件下でのモデルのクロスモーダル予測を比較した結果、運動に関するクロスモーダル予測は、認知地図の自己組織化をもたらすことが明らかになった。さらにメンタルシミュレーション能力の実験を行った結果、視覚と運動の一貫した生成には、双方向クロスモーダル予測(視覚と運動のみからの予測)が必要であることが示された。これらの結果から、認知地図を用いた空間認識の自己組織化には、視覚と運動の統合を含む予測学習が必要であることが示された。 本論文の内容は、仮想空間の環境をエージェントの内部モデルとして、空間的な合意がどのように自己組織化されるか、モデルが獲得した空間的な合意がどのように未知の状況において、一般化されるかについて調査しています。本論文を選んだ理由は、私が興味を持っている、内的な認知活動を観察する手法として、シミュレーションを用いて、エージェントに内的な状態を構築し観察することが可能であると考えるためです。 また私は本論文を追試することを通して、主テーマ研究を進めていきたいとも思っています。私は人間の内的な認知活動、頭の中で物事を想像することについて興味を持っています。(特に、頭の中で物事を想像するとき、本人も想像しているという行為を自覚し、想像する行為自体も楽しんでいる。)まずは、エージェントが想像するような内部モデルを構築することを示したいと思っています。本論文で扱われているように内的な状態をどのように観察するのか、という観点についても議論していただけれる幸いです。 今回のゼミでは、論文の7.結果の前までを発表いたします。論文の範囲としては、pp.129-pp.135「6.2 Data collection」まで行います。残りの範囲は、次回、年明けに行わせていただく予定です。最後までpp.135「7. Results」-pp.144「9. Conclusion」
論文書誌情報:Wataru Noguchi, Hiroyuki Iizuka and Masahito Yamamoto. (2017). Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network. Adaptive Behavior 2017, Vol. 25(3) 129–146.PDF: <https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1059712317711487>
Speaker: Junki KasanoDate&Hour: 23 December (Thu) 15:30-Place: Collaboration Room 3 & WebexTitle: "Cognitive map self-organization from subjective visuomotor experiences in a hierarchical recurrent neural network"
--

【進捗報告】ある単語が差別語であるかどうかを見分けるための判断基準についての検討

発表者:星住 弥里


概要:  差別語の中には、元来は差別語で無かったが使用される中で定義以外の意味が付随し、「差別語になった」単語が存在する。そしてその「付随する意味」は、コーパス言語学でいうところの「意味的韻律」と言い換えることが可能であると考える。本研究では、元来は差別語で無かったが、現在は差別語だとされる単語がどのようにして負の意味的韻律を得るのか、そして、社会はその過程にどのように関連するのかを明らかにすることを試みる。そのためには、元来差別語で無かった単語が、「差別語になった」時点を当該単語の使われ方を通時的に分析したうえで判断する必要があり、その際には、なにをもって当該単語が差別語であるとみなすのかという判断基準が必要となる。現在は、その判断基準を明確にするために、いくつかの書籍や辞書等において取り上げられ、公共の場での使用が憚られると考えられる単語(=明らかな差別語)を複数ピックアップし、共通して共起する単語を見つけることを試みている。現状では、いくつかの明らかな差別語(ある属性を持つ人々を指す語に限定)について分析を行い、ある単語がある年代において「差別」という単語と共起すれば、その時期には差別語だと認識されていたとみなすことが出来るのではないかと考えている。なぜならば、ある単語が指す人々が差別されているという事実が存在し、人々に認識されているからこそ、実際の日本語の使用例において当該単語の共起語として「差別」という共起語が現れてくるのではないかと考えるためである。  今回のゼミでは、いくつかの「明らかな差別語」の共起語分析の例をいくつかお見せしたうえで、「差別」という単語と共起すれば、ある単語が「差別語になった」とみなすことが出来そうなのかという事についてご意見を頂きたく思っています。また、この他にも「差別語を見分ける方法」があればご示唆を賜りたく思います。
Speaker: Misato HOSHIZUMIDate & Hour: 23th Dec. (Fri) 15:30- Place: Collaboration Room 3 & WebexTitle: Consideration of the standards of judgment with distinguishing whether one word is a discriminatory word or not. 

2021/12/17(金)15:30- |Webex

【進捗報告】1) Exploring the Mechanism of International Collaboration through Knowledge Management (Main topic with SIIT, Thailand)
2) Exploring Knowledge Enablers for Successful Research Projects (Main topic with JAIST, Japan) 

発表者:UMARIN, Siri-on


概要: 1) This research study aims to create the suggestion plan using the concept of Knowledge Management Process for the successful R&D collaboration in Thai Public Organization under Ministry of Higher Education, Science, Research and Innovation (MHESI). We consider the concept of Knowledge Management Process as a supportive factor for the successful R&D collaboration and expect that the study’s result will emphasize the significant factors that cause positive effect to successful collaboration thru the correlation of its indicators. 
2) This research study aim to explore the Knowledge Enabler for the success research project scoping in the area of the biggest R&D institute in Thailand using the i-System as the conceptual model. We will examine the variables inside the system to find the correlation and aim to pinpoint the significant explored variables and launch supportive plan to ensure the success of research project that will benefit to R&D promotion in Thailand and provide value to the academic excellence of the adopting concept. 
Speaker:  UMARIN, Siri-on Date&Hour: Dec. 17 (Fri.) 15:30-Place: WebexTitle: 1) Exploring the Mechanism of International Collaboration through Knowledge Management (Main topic with SIIT, Thailand)
2) Exploring Knowledge Enablers for Successful Research Projects (Main topic with JAIST, Japan) 

--

【進捗報告】オフレコード戦略の進化―修論ストーリーの完成に向けて

発表者:甲斐 靖章


概要: オフレコード戦略の関係交渉モデルを構築し、シミュレーションを行い、結果を分析する段階にいます。それと並行して、背景からモデル構築、結果へと繋がるストーリーを作る必要があります。しかし、なかなかストーリー作りが進展しない状況です。そのため、ゼミ発表を行うことを通じて、障壁になっているものは何かを明らかにする、また進めるためのきっかけをみつけることを目的として、ゼミ発表に取り組みます。よろしくお願い致します。
Speaker: Yasaki Kai Date & Hour: Dec. 17 (Fri) 15:30~Place: WebexTitle: Evolution of off-record strategy― toward the completion of my master's thesis story

2021/12/2(木)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】日中同型多義動詞「上がる・下がる」と「上・下」の対照研究:認知言語学の視点から−RP事前提出に向けて−

発表者:黄 文蓮 


概要: 本研究は日中同型多義動詞「上がる・下がる」と「上・下」の意味拡張のプロセスを分析することを通して、日中の上下に対する認知の違いとその原因を明らかにすることを目的とする。蒋(2014)によると、中国語の「上」「下」は現代中国語で最も一般的な、空間的な方向性を示す語である。そして、人間の主な感覚器官は体の上部にあるので、まず上の空間が知覚されやすいのである。認知言語学の分野で、Lakoff and Johnson(1980)は構造のメタファー、方向性のメタファー(orientational metaphors)、存在のメタファーという三種類のメタファーを提唱している。上―下は方向性のメタファーで重要の一つである。上下のような空間表現は人間の認知でとても基本的なことが分かる。認知意味論では、メタファーのような人間の基本的な認知能力は語義の意味拡張を動機づける要因と考えた(森山2016:151)。そして、Lakoff and Johnson(1980)によると、肉体的・文化的な経験は空間関係づけのメタファーの基盤となるので、どの基盤が選ばれ、主要なものとなるかは、文化によって異なる。日中の文化が違うため、上下に対する肉体的・文化的なメタファーの基盤も異なる。意味拡張を着目すれば、日中認知の違いが見えてくるではないかと考える。今回のゼミはRP提出に向けの研究目的、背景と研究意義をより明確にすることを目的とします。この辺について明日のゼミでは皆さんと一緒に議論したいです。どうぞよろしくお願いいたします。
Speaker:  HUANG,WenlianDate&Hour: Dec. 2nd (Thu.) 15:30-Place: Collaboration Webex
Title: A Contrastive Study of Japanese/Chinese Homomorphic Polysemous Verbs UP and DOWN from the Viewpoint of Cognitive Linguistics -Toward Pre-Submission of RP---

【進捗報告】プレイ行為が創造性を促進するメカニズムの分析

発表者:成 太俊


概要:  自分の研究に詳しくない方が多いと思うため,まず簡潔に研究の全体像を紹介します. 我々は誰もが遊びを知っており,誰もが遊んだことがある.しかし,人間はなぜ遊ぶのだろうか,という問いがある.本研究は多くの事例により効果が検証されたLEGO Serious Playに着目し,レゴブロックを用いて直感的に作品を作ること(プレイ行為と称する)が(なぜ,どのように)グループの創造性(パフォーマンス)に影響するメカニズムを検討することで最初の問いに答える(最終目的).その最終目的を達成するため,成(2020)はプレイ行為と個人間の発話行為の関係性を示した.次は,プレイ行為の何が,どのように,個人間の発話行為に影響するか,また影響される発話行為はグループの創造性にどう関連するかを検討する. 今回のゼミでは,「プレイ行為の何が」を再帰的結合とThink with Hands(実際ブロックを手で触る)に絞る妥当性について議論していただきたい.また,研究背景の展開に関しては,創造性寄り(遊びが創造性に影響することが先に置かれた)だったと思うが,今回は「遊び」をメインに展開しよう(創造性を先に置かれない)と考えているため,その部分も指摘やアドバイスをいただきたいと考えてます.
Speaker: CHENG, TaijunDate & Hour: Dec. 02 (Thur.) 15:30~Place: Webex& Collaboration Room 2Title: Analysis on mechanisms for play behavior to promote creativity

2021/11/26(金)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】商品名における新語の形成と言語変化について

発表者:大友 和幸 


概要:  人同士がコミュニケーションをするためには、理解のしやすさが必要で、意味が 普遍で双方が同じ意味を理解していることでコミュニケーションが成立している。その一方で、言語使用は長い時間軸で見れば変化し続けており、新しい概念が生 まれ、すべての人が理解しているわけではない語が誕生している。 商品名においては、その商品が属するカテゴリを伝える機能である表示性と、商 品の独自性や性質を伝える表現性といった2つの要素を持っている。そのため、日常生活における言語の使用に比べて新語が登場しやすく、特徴的な 新語生成が起こっているのではないかと考える。商品名がコミュニケーションにおける理解のしやすさと、新語としての独自性の 中で他の言語使用の場面とは違った性質を持っていることを示したい。 今回の発表に際しては、RP提出に向けて、上記の内容について具体的に検討すべ き事項について議論したいです。
Speaker:  Kazuyuki OTOMODate&Hour: 26 November (Fri) 15:30Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: On the formation of neologisms and language change in product names 

【進捗報告】種の主体間の相互作用による価値共創シミュレーション — RP事前提出に向けて —

発表者:石森 宥佑


概要:  今回のゼミの目的は、RP事前提出に向けて現在発散している思考・興味をまとめることである。特に、研究の背景と目的をより具体的に設定する必要がある。本研究では、フランチャイズシステムを3種類の主体間の相互作用として抽象化し、S-D ロジック; Service-dominant logic (Vargo, Lush. 2008, Vargo, Lush. 2016 ) の観点から捉えることを検討している。前回の2部発表では、フランチャイズシステムにおける搾取の構造を指摘したが、加盟店を仲介役と捉え3種類の主体間の相互作用による価値共創と捉えることはできないだろうか。 明日の発表では、前回のゼミを踏まえたものと加盟店を仲介役として捉えたものの 2 つの場合に分けて抽象化を試みます。特に、研究の背景をより明確にするためにも抽象化することで似たような構造を持つ他の事例としてどのようなものが挙げられそうかについても議論していただけると幸いです。
Speaker:  Yusuke Ishimori
Date&Hour: 26 November (Fri) 15:30-
Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: Simulation of Value Co-Creation through Interaction among Three Types of Actors — Toward Pre-Submission of RP —

2021/11/19(金)15:30- |コラボ2&Webex

【論文紹介】Compound Words’ Classification - A Cognitive Linguistic Based Study

発表者:黄 文蓮 


概要:  複合語を研究するためには、文の構造を調査することが非常に重要である。なぜなら、複合語は本質的に文の合成形だからである。Chomsky革命の後、文の構造における認知言語学の概念が脚光を浴びるようになった。Chomskyは論理や意味を決めるd-structure(deep structure, 深層構造)と、音声部分であるs-structure(surface structure, 表層構造)について説明した。Leesは、複合語を独立したユニットとしてではなく、変形生成文法(TGG)を用いて、一種の埋め込み文として扱い、複合語の中に深層構造や表層構造が存在する可能性を示唆した。本論文ではLeesが示唆する変形生成文法(TGG)を用いた調査をした。そして、Lakoff とFauconnierが提唱した理想化認知モデル(ICM)に基づいて、複合語を透明な複合語(TCW)、不透明な複合語(OCW)、直感に反する複合語(CICW)を分類した。本論文ではGoogle Books Corpusを用いて、複合語の使用傾向を比較した。その結果、TCWの使用頻度は一番高く、OCW は70年代後使用頻度が増加したこととCICWの使用頻度は一番低いことが分かった。そしてその理由を考察した。 この論文を選んだ理由:修士研究では、認知言語学の観点から日本語と中国語の多義語について分析することを検討している。今回の論文も認知言語学の観点から複合語の分類について検討したものである。そして、文に適応されているモデルと方法を複合語で運用して、複合語を分類する新たな方法が生まれるという考え方は参考になった。 しかし、この論文が参考した理想化認知モデルはちょっと古いモデルで、このモデルは私が研究したいものに適応できない。そして、この論文の複合語の利用頻度の違いに関した理由の根拠はちょっと納得力が足りないと思う。それはただ作者主観的な判断だと考える。明日のゼミではこの論文の足りないところも含めて皆さんに紹介して議論したいと考えています。
論文書誌情報:Padmaja Kilambi(2020),International Journal of Language and Linguistics, 8(5), 216-228.PDF: http://article.ijolal.org/pdf/10.11648.j.ijll.20200805.14.pdf
Speaker: HUANG,WenlianDate&Hour: 19 November (Fri) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: “Compound Words’ Classification - A Cognitive Linguistic Based Study”

【進捗報告】インタラクション実験実施の際に用いる尺度のまとめと検討

発表者:齋藤 宗一郎


概要:  現在,ロボットが人と同じ空間で相互作用しながら様々な場面で用いられるようになっている.将来的には,ロボットが社会に当たり前に存在するような,ロボットとの共生社会が到来することは想像に難くない.そのような社会において,仕事や生活を楽にするような,人間の基本的な欲求を満たすロボットだけでなく,他者との良い関係を持ちたい,他者から認められたいなどの欲求を満たすことのできるロボット,つまり生活を充実させるためのロボットも利用されるだろう.そのための一つの方向性として人と友人関係を築くことができるロボットが考えられる.そのようなロボットは付き合う人にとってかけがえのない存在だと感じられることが重要である.本研究では,人とロボットの間で何かを共有することが親密さに繋がり,それがかけがえのなさに影響を与えるだろうという仮説を人とロボットのインタラクション実験を通して検証する. 仮説検証するために実施する実験において,実験参加者に尋ねるべきことをまとめ,それらの測定・評価が可能な心理尺度を決定した.本報告では,実験で利用する予定の尺度について説明する.
Speaker: Soichiro SaitoDate&Hour: 19 Nov.(Fri) 15:30-Place: Collaboration Room2 & WebexTitle: Summary and consideration of scales used when conducting interaction experiments

2021/11/12(金)15:30- |コラボ2&Webex

【論文紹介】A mathematical model of social selection favoring reduced aggression

発表者:石森 宥佑 


概要: ヒト科動物の攻撃性は、進化の過程で低下したと考えられる。ヒトの攻撃性が進化的に低下したことを示す有力な仮説として、パートナー選択による社会的選択仮説が挙げられる。つまり、個体が協力者を選択する際に攻撃的な個体を避ける選択がされたのではないかということである。本研究では、連合形成のゲーム理論モデルを用いて社会的選択仮説の妥当性を検証した。分析の結果、パートナー選択おける社会的選択において戦闘能力が低い個体が好まれるための重要な3つの条件が明らかになった。1. 他の個体と協力することが生態学的に有利になること2. 個体が社会的相互作用の中で合理的な行動をとる必要があること3. 他の個体と協力することで相乗効果が得られることこの結果は、コミュニケーション能力が攻撃性の低下を加速させる社会的選択の副産物となりえたことを示唆している。修士研究では、フランチャイズ形態においてアクター間の相互作用による価値共創について分析することを検討している。その際、今回の論文で紹介したモデルをそのまま使うことは難しい。しかし、協力による相乗効果など、修士研究で検討している分析に応用が可能な部分もあると考えている。最後に、連合形成のゲーム理論モデルをどのように読み替えることでどの程度フランチャイズ形態に応用が可能であるのかについて議論したいと考えています。 
論文書誌情報:Ihara, Y. (2020). A mathematical model of social selection favoring reduced aggression. Behavioral Ecology and Sociobiology, 74, (91), 1-13.PDF: https://doi.org/10.1007/s00265-020-02875-4
Speaker: Yusuke IshimoriDate&Hour: 12 November (Fri) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: “A mathematical model of social selection favoring reduced aggression”

【進捗報告】対話において、思考を促すロボットの人間からの印象

発表者:周 豪特


概要: Human-Robot Interaction領域では,人間と長期的な関係を持てよう、人間とロボットの交流意欲をあげるために、ロボットの性質や相互作用の仕方を改善しており、ロボットが人間の支援に関する研究が行われている.本研究は、対話の中に人間の思考を喚起するロボットの印象はどうなるかを調査対象とする。今回は、研究のストーリーの部分は必要がある部分だけ話し、実験の部分に集中したいと思います。内容は主に実験デザイン、実験結果の報告、実験の問題点や足りない点についての検討、自分の提案と理由から構成されます。
Speaker: Zhou HaoteDate & Hour: 12 Nov.(Fri.) 15:30-Place: Collaboration Room 2 &webexTitle: Human impressions of thought-provoking robots in interaction.

2021/11/5(金)15:30- |コラボ2&Webex

【論文紹介】"エルビスがゴルフプレーヤーに会ったような見た目":コーパスアシストの分析によるファッションブログ内の創造的複合語の分析

発表者:大友 和幸 


概要: 長年に渡り、複合語は新しい単語を生成したり、既存の単語から新しい意味を生成するために大きな注目を浴びてきた。その一方で、オンラインにおける談話を対象とした複合語の研究は比較的少ない。本研究では、オンラインコミュニティ複合語の使用実態を把握するため、ファッションブログの投稿/コメントを元にコーパスを作成した。そして、ファッションブログにおける複合語の使用を分析した結果、以下のことが分かった。・最も使用される頻度が高い複合語はファッション業界に関連した新規性の薄いものとなっていたが、複合語は現代アメリカ英語コーパスに比べて高頻度で使用されている。・創造的な複合語にはユーモア、皮肉、挑発に関連した意味に加え、説明、評価、増幅、緩和に関連した機能があることが分かった。・より高い表現力を得るために、様々な想像的複合語のパターンが生まれてきた。・創造的な使用はブログ投稿、コメントの双方で見られ、コミュニティ参加の目的に関わらず、創造的な複合語の使用がされている。この研究は定性・定量調査の双方を使っていた点でユニークだったのではないかと考えています。コーパス内において私達が商品名に対してどのような感情を抱いているのかを研究する際にも、この手法が応用できるのではないかと思い、皆さんにこの論文を共有して私の研究への応用について議論したいと思いました。 書誌情報Camiciottoli, Belinda Crawford. "“All those Elvis-meets-golf-player looks”: A corpus-assisted analysis of creative compounds in fashion blogging." Discourse, Context & Media 12 (2016): 77-86. https://doi.org/10.1016/j.dcm.2015.10.002
Speaker: Kazuyuki OTOMODate & Hour: November 5 (Fri.) 15:30-Place: Collaboration Room 3 & WebexTitle: “All those Elvis-meets-golf-player looks”: A corpus-assisted analysis of creative compounds in fashion blogging

【進捗報告】差別語を分析する際に、当該差別語と共に分析する前後の単語数についての検討

発表者:星住 弥里


概要:  差別語を使用することは、差別の助長や再生産となると考えられている。そして、差別語の使用や、差別的な振る舞いは無意識下で行われることが多いと指摘されている。また、現在差別語であるとして使用を控えることが求められるような単語の中には、元来は差別語で無かった単語も多く存在する。これらの単語が差別語となったのは原因は、その単語が社会で使用される中で、追加的にイメージが付随したためであるとされている。 本研究では、差別語がどのようにして「追加的なイメージ」を得るのか、そしてその過程に社会はどのように関連しているのかを明らかにすることを目的とする。そのために、2段階に分けて言語の使用例を分析することを計画している。第1段階での分析では、日本書き言葉均衡コーパスに収録されている使用例内において、どのような単語が現在差別語とされる単語と共起してきたのかを通時的に分析し、共起語が変化した時点を明らかにすることを試みる。第2段階での分析では、第1段階で明らかにした、ある単語の共起語が変化した時点において、世間の動向を伝える媒体である新聞がどのような記事で、どのような内容を、どのような立場で報道するために対象語を使用したのかを明らかにしようと考えている。現在第1段階の分析を行っている最中であり、その中で現在差別語とされる単語の前後何語までを分析対象にするのかという点について迷いが生じている。 今回のゼミでは、修論においてコーパス言語学の分析において主流である前後5語程度を対象とすることで充分なのか、それとも「追加的に付随するイメージ」を明らかにするためには前後5語では不十分であるのかについてご意見を頂ければと考えています。
Speaker: Misato HOSHIZUMIDate & Hour: 5th Nov. (Fri) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: Consideration of how many before and behind word should be contained when that discriminatory word be analyzed.

2021/10/29(金)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】群れ行動によって不利益を被る場合の群れの進化シミュレーション

発表者:星 宏侑


概要:  鳥や魚,羊などの脊椎動物からアリやハチといった社会性昆虫にいたるまで,様々な種で群れ行動を観察することができる.群れ行動は様々な機能を有しており,例えば,効率的な採餌行動を可能にする,繁殖を有利にする,捕食に対する防御を可能にするなどが挙げられる.特に,捕食に対する防御について,その機能の一部であるpredator confusion effectは,群れが進化する上での十分条件であることが明らかになっている[Olson et al., 2013]. その一方で,群れ行動によって不利益を被ってしまう場合も考えられる.例えば,群れ内における感染症の蔓延や個体間における競争の激化などが挙げられる.実世界で広く群れ行動が観察されていることを鑑みると,群れ行動によって不利益を上回る利益を享受していると考えられる.しかしながら,群れ行動によって不利益を被る場合の群れ行動の進化シナリオを考える場合,複数の不利益と複数の利益を複合的に考慮することは,どの機能が群れの進化に影響を与えているかを調べることを困難にしてしまうだろう. 本研究は,群れ行動によって不利益を被らせる個体を「内部脅威」として抽象化し,「内部脅威」が群れの進化に影響を与える場合に,群れが進化する上で十分条件であるpredator confusion effectがどれほど頑健であるか調べることを目的とする.抽象化された群れ行動の不利益である「内部脅威」と,群れ行動の機能においてはpredator confusion effectのみを考えることで,群れ行動によって不利益を被る場合の群れ行動の進化シナリオについてより深い知見を得ることができるだろう. 今回のゼミでは,研究の背景と目的を紹介し,目的を達成するために行う進化シミュレーションのモデルの提案までを行います.皆さんと議論できることを楽しみにしています.よろしくお願いします.
Speaker: Hiroyuki HOSHIDate & Hour: October 29 (Fri), 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: Proposal of a model: An evolutionary simulation of a swarm when swarming individuals are disadvantaged by collective behavior

【進捗報告】中国広西チワン族自治区南寧市上林県の言語状況調査結果の報告

発表者:覃 澍斌


概要:  現在の世界には、グローバル化や脱植民地化などの行動により、各地域の言語状況が変化していく。この世界には、日本と韓国のような単一言語社会、カナダとパラグアイのような二言語社会、香港と澳門のような三言語社会以外、四言語以上の多言語社会も存在する。そのような社会の言語状況も変化しつつけている。変化している言語は地位がだんだん上がり、「強勢言語」になる状況もあるし、一方、ある言語がだんだん弱くり、なくなる可能性もある。このような言語を守るべき。保護政策を立てるために、言語の地はどのように変化していくのかを明らかにすることは必要で、すなわち、変化のプロセス・メカニズムをわかることは肝心なところ。 今回のゼミには、二回のパイロット調査および正式調査の結果および集計と記述統計から見えることについて報告する。ついてに、いままでのゼミからまだはっきり答えなかった質問を説明する。新米のメンバーたちがまだこの研究についてはっきり分からないので、こちらの部分も簡単に紹介する。
Speaker: QIN ShubinDate & Hour: October 29 (Fri.) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: The Results of Language Investigation in Shanglin, Nanning, Guangxi, China

2021/10/22(金)15:30- |コラボ2&Webex

【論文紹介】候補用語の利用可能性とスカラー含意の処理:視覚コンテクストの視線追跡研究

発表者:レン セイジ


概要:  視覚の刺激を使って、二つの実験を行いました。実験は“ガムボール・パラダイム”を利用して、英語の“some”に関する含意のプロセスを調査しました。各試行において、被験者は、オレンジ色と青色のガムボールが入った上室と空の下室を持つガムボールマシンの画像を見ました。ガムボールが下室に落ちてきて、片方の色のガムボールの分割されたセットともう片方の色の分割されていないセットのコントラストができました。続いて、参加者は録音の内容による評価を行いました。例えば、“You got some of the blue gumballs.”実験1では、異なるセットに対して利用可能な発話の選択肢がsomeとallのみの場合に、someからnot allへの語用論的解釈を得る時間経過を調べました。実験2では、2、3、4、5という数詞も候補に含まれていました。スカラーは、数値の用語が使用可能な場合にのみ、「すべて」のリテラルステートメントの解釈に比べて遅れました。結果は、スカラー含意処理の制約ベースの説明の証拠として解釈されます。 数量詞の研究の中、スカラー含意のメカニズムについて、解釈がバラバラです。この論文は視覚の刺激と録音した発話を使って、心理言語学の視点から説明しました。この論文選択した視覚の刺激は候補用語ができそうな8個以内数えるガムボール。二つの対比の個数差も2個。もし、数が多くまた数えない物がある場合、同じ結果が得るだろうと考えています。スカラー含意は狭いトピックが、意味論の意味と語用論の意味当時に持っているため、このメカニズムが意味と語用の相互作用が説明できると思います。
書誌情報:Degen, J., & Tanenhaus, M. K. (2016). Availability of alternatives and the processing of scalar implicatures: A visual world eye‐tracking study. Cognitive science, 40(1), 172-201.https://doi.org/10.1111/cogs.12227
Speaker: LIAN, QingxiDate & Hour: October 22 (Fri.) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: Availability of Alternatives and the Processing of Scalar Implicatures: A Visual World Eye-Tracking Study

【進捗報告】人とロボットのインタラクション実験で行うタスクの検討

発表者:齋藤 宗一郎


概要:  将来的にロボットが社会に当たり前に存在するような,ロボットとの共生社会が到来するだろうと考えており,仕事や生活を楽にするようなロボットだけではなく,生活を充実させるためのロボットも利用されるのではないかと考えている.そのためのロボットとして人と友人関係を築くことができるロボットが考えられ,そのようなロボットは人からかけがえのない存在だと感じられることが重要になるだろう. 本研究では,人とロボットの間で何かを共有することが親密さに繋がり,それがかけがえのなさに影響を与えるだろうという仮説を人とロボットのインタラクション実験を通して検証する予定である.今回のゼミは,人とロボットの間でどのように「気持ち」「感性」の共有を行おうとしているのかを発表し,その後で,先行研究で行われたタスクを参考にした,インタラクション実験で行う予定のタスクについて発表する.
Speaker: Soichiro SaitoDate&Hour: 22 Oct.(Fri) 15:30-Place: Collaboration Room2 & WebexTitle: Consider tasks to be performed in human-robot interaction experiments

2021/10/15(金)15:30- |コラボ3&Webex

【論文紹介】遊ぶか遊ばないか?それは資源豊富さの問題 

発表者:成 太俊


概要: 自然界で広くみられる動物遊びの進化の起源が解明されていない.著者らは遊びと資源の豊富さが関連すると仮定し,適応度に直接的なベネフィットのない,大きなエネルギーコストのかかる遊び行動は個体群において,どのように創発し,維持されるかを,Surplus Resource TheoryとIndividual-based modelsを基に解析する.その結果,遊びには直接的な適応度ベネフィットが得られず,死亡率やエネルギー使用の増加(休憩に比べると)という直接的なコストがかかるにもかかわらず,遊びは個体群の中で進化し,定着されることがわかった.それで,遊びが最初は意地悪な行動で,遊ぶ個体が直接的に適応的なコストを被るだけでなく,遊ばない個体に更なるコストを被らせるという間接的なベネフィットをもつことが示唆された.Burghardtは動物遊びの有名な研究者で,遊びの概念を理解するには避けられない研究者の一人だと思います.もちろん,自分の研究はヒトの遊びになるが,遊びの起源の話ならば,共通するかなと思うので,皆さんにこの論文を共有し,議論できればと思います.
書誌情報:Jeremy D. Auerbach, Andrew R. Kanarek and Gordon M. Burghardt, To play or not to play? That`s a resource abundance question, Adaptive Behavior 23(6): 354-361, 2015.PDF:https://www.researchgate.net/publication/283634506
Speaker: CHENG, TaijunDate & Hour: October 15 (Fri.) 15:30-Place: Collaboration Room 3 & WebexTitle: To play or not to play? That`s a resource abundance question

2021/10/8(金)15:30- |コラボ2&Webex

日中同型多義動詞「上がる」「下がる」と「上」「下」の意味分析について 

発表者:黄 文蓮


概要: 基本動詞は言語使用において重要な位置を占め、その多義性が高いため習得が難しい(森山2016)。特に日本語を勉強している外国人にとっては、多義動詞の意味が多いので、日本語の多義動詞をよりよく身につけて理解するためには、表面的な意味だけでは十分に限られている。これらの多義動詞の意味の拡張のルートを弁明することによって、日本語の多義動詞の学習に役立つと思う。そして、日中社会の「上」「下」に対する認知はどのような傾向があるのかについて、これが証明されれば、日本語学習だけでなく日中社会の認知上の文化にも大きな価値があると考える。本研究では、上下メタファーの焦点を当て、日本語の「あがる」「さがる」と中国語の「上」「下」を比較して相違点を明らかにすることを目的とする。日本語の「上がる」「下がる」および中国語の「上」 「下」の分類の仕方を深く検討する。上下の対称性と非対称性を弁明する。そして、中国語と日本語の上下の用法では「上の用法は下の用法より多いかどうかこと」を明らかしたい。調査の結果を踏まえ、中国人の日本語学習者の多義語の学習および辞書の編集などに示唆を与えると期待する。社会的な価値:多くの日本語または中国語の先行研究では、上下は非対称性があることを説明していた。例えば、方向、等級を表す時に、上下は対称性がある。他の分野では例えば、中国語の中で上下の動詞性の組み合わせには非対称性がある。しかし、上の用法は下の用法より多いと説明しなかった。多くの先行研究で上下の対称、非対称関係において、上の用法は下の用法より多いことを説明してなかったので、自分はこれについてもっと研究したい。もし、中国語と日本語の「上の用法は下の用法より多いこと」を証明できたら、他の国の文化でも同じ「上の用法は下の用法より多いこと」を推測できないではないかと考えている。
Speaker:  HUANG,WenlianDate&Hour: Oct. 8th (Fri.) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: Analysis of japanese‐chinese ideal syncretic verbs: ‘up’ and ‘down’

妄想を楽しむ感覚を認識する人間のメタ認知について

発表者:笠野 純基


概要: 私が興味を持っていることは、妄想を楽しむ感覚を認識する人間のメタ認知についてである。例えば、お化け屋敷に行っている自分を妄想したときに、妄想の中の自分が怖がっていることを認識し、その自分をメタ認知していることを指す。認知科学では、生体(特に人)の妄想やメタ認知などの内的な現象を外部の影響を受けずに観察することは難しい。そのため、エージェントシミュレーションによる構成論的手法を用いて、認知モデルの働きを対象とした研究も行われている。私の研究目的は、妄想ができる機械と人同士が共創して社会を作っていくことであり、研究を通して人間と社会について考えていきたいと思っている。
Speaker: Junki KasanoDate&Hour: 08 Oct.(Fri) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle:About human metacognition that recognizes the feeling of enjoying delusions.

2021/9/30(木)15:30- |コラボ2&Webex

価値共創を考慮したコンビニエンスストア・フランチャイズ契約の検討 

発表者:石森 宥佑


概要: コンビニエンスストアの経営の多くは、フランチャイズチェーンの加盟者が担っている。社会・生活インフラとしての役割を果たしているが、従業員の低賃金、オーナーの長時間労働、コンビニ会計など、加盟店の負担が大きいことが指摘されている。本部と加盟店の関係に着目し、フランチャイズ契約の構造的問題を指摘した先行研究が多数ある。しかし、企業の経営理念として「地域社会へ貢献すること」を掲げているため、本部と加盟店の関係のみでなく、顧客へのサービスの提供までを考慮したうえで議論する必要があると考える。本部が利益最大化を目指した結果、先行研究で指摘されている構造的問題があるのではなく、企業理念達成を目指した結果、現在の構造に至ったという捉え方である。サービスドミナントロジックは、経済活動をサービスとサービスの交換から価値共創をするものとして捉えている。本研究では、サービスドミナントロジックを取り入れ、コンビニエンスストアのフランチャイズ契約における本部、加盟店、顧客の相互作用から価値共創される過程をモデル化する。本部、加盟店、顧客の相互作用からどのように価値が創造されていくか、フランチャイズ契約は、価値共創のためにはどのようなあり方が望ましいのかを検討することを本研究の目的とする。前述の通りフランチャイズ契約についての先行研究の紹介と現在勉強中のサービスドミナントロジックを紹介し、最後に研究の目的と検討している手法の順に発表していく予定です。本研究におけるサービスドミナントロジックへの接続と本部、加盟店、顧客による相互作用される価値とはどのようなものかを中心にご指摘いただけますと幸いです。
Speaker:  Yusuke IshimoriDate&Hour: 30 September (Thu) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: Paper review "Franchise agreement of convenience stores considering value co-creation” 

商品名開発における創発的命名の性質

発表者:大友 和幸


概要: 新語は日常会話の中や商品名の開発など、様々な分野において生成されている。これらには決まったメカニズムがあると考えられ、先行研究においては、接頭接 尾語の追加や、概念メタファー理論の適応などにより、2語以上からなる語形成 において、そのうちの一つ語を修飾したり、主従関係を構築し、新たな言語を構 成しているとされている。その一方で、特に商品名の開発などの分野においては、語と語の関係性が創発的 であって、単純な意味の総和にとどまらない語形成が見られる。本研究では、商品名における創発的な語形成の性質解明を目的とし、商品名を通 じたコミュニケーションをより円滑にすることを目指す。
Speaker:  Kazuyuki OTOMODate&Hour: 30 September (Thu) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: The nature of emergent naming in product name development 

認知言語学におけるCMとメタファーをキーワードとしての論文サーベイ

発表者:徐 蘭欣


概要:  私は、CM・メタファーの両方の分野にかなり興味があり、研究室に関連する研究テーマ認知言語学と組み合わせています。この2つの分野で関連する論文を見つけたので、3つの論文を勉強して理解した後、自分の研究テーマを見つけて皆さんと共有したいと思っています。「記号論による広告表現分析ービールとウイスキーのCMの場合」(岡野・浅川, 2003)本研究は、ビールとウイスキーの C Mを材料とし、記号論的な視点を取りいれて実証分析を行うことを目的とする。私の考え(または議論したいポイント)ではTVCMを材料じゃなくて、他のタイプ(雑誌、新聞、websiteなど)のCMテキストでも分析可能しますか。今回の研究方法について、改善することはできるでしょうか。「テレビCMに対する視聴者反応の分析─自由回答文のテキストマイニング」(浅川・岡野, 2005)本研究では、テレビCMに対する視聴者反応の自由回答文をこのテキストマイニングの手法によって分析することを試みた。私の考え(または議論したいポイント)ではテキストマイニングと他の広告測度とを組み合わせて分析することもできる。他のデータマイニング、または人工知能分野の分析方法でも利用可能でしょうか。メタファーについての知識をもっと了解したいと目的する、以下の論文を読みました。「メタファーについて」(瀬田, 2009)本稿では,アリストテレスの時代に遡る伝統的なメタファー論 とLakoff and Johnson (1980)に代表される認知言語学におけるメタファー論を比較検討することによって,メタファーの本質に迫り,最終的に独自のメタファーの定義を提示する。
Speaker: XU LANXINDate&Hour: 30 September (Thu) 15:30-Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle:A survey of papers using CM and metaphor as keywords in cognitive linguistics

2021/9/2(木)15:30- |Webex

【中間発表練習】差別語が負の非辞書的意味を得る過程と 社会との関連についての研究 -コーパスを援用した談話分析を用いて-

発表者:星住 弥里


概要: 差別語の使用は差別の助長・再生産となるが差別言動は無意識下で行われることが多い。差別語の中には、ある単語が使用される中で負の非辞書的意味が付随し、差別語となった単語がある。そして、その「付随する意味」は、その社会に生きる人々が、メディアが発信する特定の集団に対するイメージを無意識に内面化したものだと予想される。本研究では、差別語がいかにして悪い非辞書的意味を得るのか、そして、メディアは人々の言語使用における隠れた意識にどのように影響するのかを明らかにする。そのために、日常の言語使用例として日本書き言葉均衡コーパスを対象とし、差別語と共に使用される単語の変化等を時代を分けて明らかにする。加えて、メディアでの当該差別語の使用例としてオンラインの新聞記事アーカイブを対象とし、どのような記事で、どのような内容を、どのような立場で報道するために対象語が使用されたかを明らかにする。   発表内容としては、3月のRPとほぼ同じ内容になっています。進捗としては、①対象とする単語を決めた(暫定ではありますが)、②対象とする単語の日常生活での使用例を日本書き言葉近郊コーパスで検索し、データを時代ごとにダウンロードした、③ダウンロードしたデータをテキストマイニングツール(KH Coder)で分析している です。中間発表では、分析途中の画面を紹介しようと考えています。 スライドの構成や内容等、どの様な事でもご指摘いただけたら嬉しく思います。 音声と資料については、明日の正午までにスラックでグーグルドライブのURLを共有いたします。よろしくお願い致します。  Speaker: Misato HOSHIZUMIDate & Hour: 2nd Sep. (Thu) 15:30-Place: WebexTitle: Study on relationship between societies and processes by which discriminatory words acquire negative discourse prosody.

【中間発表練習】概念融合によるロボットの人間らしさ

発表者:周 豪特


概要:  Human-Robot Interaction領域では,人間と長期的な関係を持てよう、人間とロボットの交流意欲をあげるために、ロボットの性質や相互作用の仕方を改善しており、人間がロボットを人間らしく捉えられる要件に関する研究が行われている.ロボットが既述の経験を超えてそれまでに述べられていないことを会話の中で提示できれば,人間がロボットとの交流意欲が上げ、長期的な関係を維持するに役立つと考える。本研究は概念融合を既述の経験を超える方法として研究する。ロボットに概念融合ができるようと見えることにする、そしてHRI実験を通じて、ロボットの人間らしさを検証することを目的にする。 ロボットに概念融合を表出する際の計算モデルと対話構造と評価尺度を紹介しながら独立変数と従属変数を述べます。そして最後に、修論完成までの計画について述べます。回のゼミは、中間審査に向け、練習しようと考えます。
Speaker: Zhou HaoteDate & Hour: Aug.11 (Wed.) 15:30-Place: webex(online)Title: Discourse to Promote Blending to Improve Robot’s Human-Likeliness

【中間発表練習】人がかけがえのない存在だと感じるロボットとはどのようなものか 

発表者:齋藤 宗一郎


概要: 将来的にロボットが社会に当たり前に存在するような、ロボットとの共生社会が到来するだろうと考えており、そのような社会において、人間らしい生活を送るのにロボットが貢献できるようになるだろう。そのためのロボットとして人と友人関係を築くことができるロボットが考えられ、かけがえのない存在だと感じられることが重要になる。本研究では、人とロボットの間で何かを共有することが親密さに繋がり、それがかけがえのなさに影響を与えるだろうという仮説を人とロボットのインタラクション実験を通して検証する予定である。共有するものの一つとして「気持ち」の共有がある。ロボットの目の発光パターンを用いて感情を人に伝えられるかどうかを検証する予備実験を行ったため、予備実験の結果について報告する。そして最後に、修論完成までの計画について述べる。 
内容としては以前見ていただいたポスターとほとんど同じではありますが、スライドにした際の変更部分や、今後の計画についての部分、発表の仕方等についてアドバイスをいただきたいと考えております。よろしくお願いします。
Speaker: Soichiro SaitoDate&Hour: 2nd Sep.(Thu) 15:30-Place: WebexTitle: How Do Robots Make Us Feel Their Irreplaceability? 

2021/8/11(水)15:30- |Webex

【発表練習】人がかけがえのない存在だと感じるロボットとはどのようなものか ー気持ちの共有に向けたロボットの感情評価実験 

発表者:齋藤 宗一郎


概要:  将来的にロボットが社会に当たり前に存在するような,ロボットとの共生社会が到来するだろうと考えており,そのような社会において,人間らしい生活を送るのにロボットが貢献できるようになるだろう.そのためのロボットとして人と友人関係を築くことができるロボットが考えられ,かけがえのない存在だと感じられることが重要になる.本研究では,人とロボットの間で何かを共有することが親密さに繋がり,それがかけがえのなさに影響を与えるだろうという仮説を人とロボットのインタラクション実験を通して検証する. 共有するものの一つとして感情の共有がある.今回ロボットの目の発光パターンによって意図した感情を人に伝えられるかどうかを予備実験を行い,その結果を分析する.それによりロボットの目の発光パターンを用いて感情を表出することの妥当性について検討を行う. 今回のゼミ発表では,認知科学会でのポスター発表の練習を行い,ポスターの内容や構成,発表の仕方などについてアドバイス等をいただきたいと考えております.よろしくお願いします.また,現時点でのポスターを添付いたします.詳しい内容などは発表までに変更する予定ですが,構成についてはこのような流れで進めていく予定です.
Speaker: Soichiro SaitoDate&Hour: 11 Aug.(Wed) 15:30-Place: WebexTitle: How Do Robots Make Us Feel Their Irreplaceability? : Experiment to Evaluate Robot’s Emotion for Sharing Feelings

【発表練習】ロボットの人間らしさを上げる概念融合を促進する対話の提案

発表者:周 豪特


概要:    Human-Robot Interaction領域では,人間と長期的な関係を持てるようにロボットの性質や相互作用の仕方を改善するため,人間がロボットを人間らしく捉えられる要件に関する研究が行われている.ロボットが既述の経験を超えて新しいものを生成できれば,性質が上がり、長期的な関係を維持するに役立つと考える。本研究は概念融合を新しいものを生成する方法として提案する。ロボットを概念融合ができるようことが人間から見えることを目指す。そしてHRI実験を通じて、ロボットの人間らしさを検証することを目的にする。 今回のゼミは日本認知科学会のポスター発表の練習に向けて,ポスターのデザインや発表の展開について意見やコメントをいただければと考えます.
Speaker: Zhou HaoteDate & Hour: Aug.11 (Wed.) 15:30-Place: webex(online)Title: Discourse to Promote Blending to Improve Robot’s Human-Likeliness

【発表練習】個人のプレイが個人間のインタラクションにおけるアイデア生成を促進するメカニズムの分析

発表者:成 太俊


概要:  複数人でアイデア生成を行う重要性が高まっており,個人間のインタラクションによって創造性の高いアイデアが生まれるという.複数人で創造的活動を行い,問題解決をするための方法としてLEGO Serious Play(以下LSP)の有効性は組織・グループのマネジメントや教育において多くの事例により検証されてきた.LSPでは,参加者が個人ごと課題に沿った作品を直感的に作る行為がグループの創造性を促進するとされ,その行為をプレイと称する.このプレイの促進効果はどの程度一般性があるだろうか.これを調べるために,本研究はプレイをLSPのほかの方法から分離し,創造性に影響するといわれる「アイデアに言及する発話行為」に影響するか,影響するとしたらどのように影響するかを明らかにすることを目的とする. 本研究の目的を達成するために,プレイの有無を独立変数とし,アイデアに言及する発話行為を従属変数として比較実験を行った.その結果,プレイがアイデアに言及する発話行為を促進することがわかった(目的1対応).さらに,プレイがアイデアに言及する発話行為の中の「アイデアの抽象的なレベルに言及する発話行為」のみに影響することと,「アイデアの抽象的なレベルに言及する発話行為」が「承認・質問の発話行為」と互いに影響しうることが明らかになった(目的2対応). 今回のゼミは日本認知科学会のポスター発表の練習のため,ポスターの内容や発表時のストーリーの展開などについて指摘やアドバイスをいただきたいと考えてます. 
Speaker: CHENG, TaijunDate & Hour: Aug. 11 (Wed.) 15:30-Place: WebexTitle: Analysis on Mechanisms for Individual Play to Promote Idea Generation in Interaction between Individuals 

2021/7/30(金)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】概念融合によるロボットの人間らしさ 

発表者:周 豪特


概要: Human-Robot Interaction領域では,人間と長期的な関係を持てるようにロボットの性質や相互作用の仕方を改善するため,人間がロボットを人間らしく捉えられる要件に関する研究が行われている.ロボットが既述の経験を超えてそれまでに述べられていないことを会話の中で提示できれば,長期的な関係を維持するに役立つと考える。本研究は概念融合を既述の経験を超える方法として提案する。ロボットに概念融合ができるようと見えることにする、そしてHRI実験を通じて、ロボットの人間らしさを検証することを目的にする。今回のゼミは、中間審査に向け、練習しようと考えます。研究方法と実験デザインの部分を検討したいと考えます。 
Speaker: Zhou HaoteDate & Hour: 30 Jul.(Fri.) 15:30-Place: Collaboration Room 2 &webexTitle: Humanity of robots by concept blend

2021/7/16(金)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】制約ベースのフレームワークの下でのスカラー含意のウォーターディスペンサー図実験--3つの手がかりは、数えられない物の水に同じように影響しますか?

発表者:レン セイジ


概要: J.DegenとM.K. Tanenhausはガムボール図実験によって、スカラー含意のプロセスは制約ベースのフレームワークの下に起こることを提出しました。彼ら提出したフレームワークの頑丈性を確認ため。彼女らの実験1をウォーターディスペンサー図で再現することが計画しています。
Speaker: Qingxi LianDate&Hour: 16 Jul.(Fri) 15:30-Place: Collaboration Room2&WebexTitle: Water-dispenser diagram of scalar implicature under constraint-based framework: do the three cues affect the uncountable object -- water in the same way?

2021/7/8(木)15:30- |コラボ2&Webex


【過去研究の紹介】営業時間短縮をめぐるコンビニ本部と加盟店のコンフリクト分析

発表者:石森 宥佑


概要: コンビニ業界の営業形態の特徴として、24 時間営業が挙げられる。24 時間営業は、深夜の時間帯の売り上げの伸び悩み、人件費の高騰やそれに伴う人手不足、オーナーの長時間労働など実店舗の負担が大きい。このような状況を踏まえセブン-イレブン・ジャパンは、24 時間営業の営業形態を見直すため 2019 年 11 月から一部直営店とフランチャイズ加盟店での時間短縮営業実験を開始した。これによりコンビニの時間短縮営業は広まりうるだろうか。 本研究の目的は、営業時間短縮をめぐるコンビニ本部と加盟店のコンフリクトを GMCR を用いてモデル化し、どのような状況に落ち着きそうであるかを分析することである。 
Speaker: Ishimori YusukeDate & Hour: 8 Jul.(Thu) 15:30-Place: Collaboration Room 2&WebexTitle: Graduation Research —Analysis of Conflicts between Convenience Store Headquarters and Member Stores over Shortened Business Hours—

【過去研究の紹介】航空機の操縦技術評価

発表者:大友 和幸


概要: この研究を始めた当時、航空会社はパイロットの育成に力を入れており、操縦技術が高いパイロットを多く育成したいと考えていた。航空機のパイロットの技能評価において、実際のフライトにおいて操作技術を客観的に計測する手法は確立されていない。そのため、実際の現場における飛行ログデータに基づいた客観的な評価指標を提案することにより、パイロットに対してより効率的な効果測定をしようと考えた。評価に際してはベテラン群と新人群との飛行状況の違いを計測し、新人群のパイロットがどの程度ベテラン軍の操縦に近づいているかを評価することで評価手法を確立しようと考えた。 
Speaker: HUANG WenlianDate & Hour: 8 Jul.(Thu) 15:30-Place: Collaboration Room 2&WebexTitle:  From the change of "ヤバイ" to see the semantic misuse in Japanese

【過去研究の紹介】「ヤバイ」の変化から見た日本語語義の乱れ現象

発表者:黄 文蓮


概要: 日本社会の発展とともに、日本語の「乱れ」現象は現代日本社会の問題の一つになっている。その発生は言語発展の必然産物として避けられず、または日本社会の発展とともに絶えず変化していく。その中で、若者がリードしている「語義の乱れ」の現象のブームは、日本社会の発展に伴ってエスカレートしている。先行研究から見ると、基本的には日本語の乱れ現象とある具体的な言葉と別々に紹介したものであり、日本語の語義乱れ現象と具体的な言葉を併せる先行研究はまだ見つからない。本稿は先行研究を踏まえて「小見大」という形式で、ヤバイの具体的な説明から日本語の乱れ現象の考察に至るまで、乱れの原因も分析し、日本語学習者への啓発も得られる。まずは「ヤバイ」の由来、変化、活用、使用について重点に分析する。「ヤバイ」は現代日本社会でよく使われる言葉故に、「ヤバイ」を例をとするのは代表性があると考えられる。「ヤバイ」は俗語として、時代の変化によってその語形や意味などが移り変わっていくことが分かってきた。次に日本語の乱れについて紹介する。日本語の乱れ現象は昔からの現象で、今はまだ発展の段階である。最後は日本語語義の乱れ現象から原因を分析し、日本語学習者の日本語の勉强方法の探求を目的とする。日本語学習者の立場から見ると、日本語が上手になりたいなら、日本語に関する知識能力を高めなければならない。日本語の知識能力の強くさは日本語の勉強にとって積極的な影響を与える。日本語の乱れ現象が分かれば、日本の歴史、文化と社会背景はもっと深く理解できる。日本語の乱れ現象から日本語学習者はの日本語勉強の啓示がもらえる。そうしたら、日本語の学習を促進することができる。これは日本語の教育に対しても一定の意義があると考えられる。
Speaker: HUANG WenlianDate & Hour: 8 Jul.(Thu) 15:30-Place: Collaboration Room 2&WebexTitle:  From the change of "ヤバイ" to see the semantic misuse in Japanese

2021/7/1(木)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】オフレコードモデルの結果の検討

発表者:甲斐 靖章


概要: 前回のゼミを基に、長期的な関係を考慮した関係交渉モデルに変更しました。そのため新たな利得表を説明し、シミュレーション結果をみんなで考察できたら嬉しく思います。今回のゼミで修士論文の大体の方向性を決まることを目的としております。よろしくお願い致します。

Speaker: Yasuaki KaiDate&Hour: 10 Jun.(Thu) 16:30-Place: Collaboration Room2&WebexTitle: Examination of the results of the off-record strategy model

【過去研究の紹介】日本人論再考 ──『菊と刀』と『武士道』を中心に

発表者:徐 蘭欣


概要: グローバル化に伴い、日本や日本の文化に興味を持つ外国人が増えてきた。筆者もそのうちの一人で、日本人と日本文化に対して関心を持つようになり、日中関係史から離れて日本人と日本文化を正しく評価するにはどうしたら良いかを考えるようになった。第二次世界大戦の終わりに、アメリカの人類学者Ruth Benedictは、アメリカ政府の依頼により日本人と日本文化についての研究報告を書いた。また、日本の思想家、新渡戸稲造が、外国人に向けて日本の武士道を世界に紹介する本を書いた。これらの二冊の本には歴史的な限界があり主観的であるという欠点はあるが、後の世代も含め日本人と日本文化の研究にとっては重要な資料である。筆者は第三者の視点から、アメリカ人の日本人観と日本人の自己評価を観察し、両者の視点を整理した上で、自分なりに日本人と日本文化について、より客観的で理性的に解き明かすことを目指した。そして、同時代としての歴史的背景における日本とアメリカの状況を紹介したうえで、二冊の本に書かれた日本人論の観点を抜き出し、比較対照することによって、二冊それぞれの長所と短所について分析し、両方の観点における評価、共通点と相違点についてまとめた。

Speaker: XU LANXINDate & Hour: 1 July.(Thu) 15:30-Place: Collaboration Room 2&WebexTitle: Reconsidering the Theory of the Japanese: Focusing on "Chrysanthemum and the Sword" and "Bushido"

【過去研究の紹介】C言語による深層学習への試み

発表者:笠野 純基


概要: 近年、深層学習(DL)は様々な分野で応用され、画像認識の分野においても、畳み込み神経網(CNN)が注目を集めている。CNNの論理的構造は、コンピュータ上で人間の視覚野の神経細胞同士が結合したネットワークシステムの働きを基礎にしている。例えば、私達がコンピュータに画像の分類処理を行わせる際、まずCNNに教師あり学習を十分に行わせることでモデル化構築でき、人間の認知機能と類似の画像分類器として私達は利用することができる。本研究は実際にC言語を用いて事前に分割した画像の画素パターンを認識するプログラムを作成・実行し、DLの理論的理解を深めると共にその発展性を探ることを目的とする。具体的には、数字の0と1の分類をするために、手書きの4x3画素による64枚分の教師あり学習を利用した隠れ層1層を持つ階層型ニューラルネットワーク(Multi Neural Network: MNN)で画像認識プログラムを作成し、その有効性を探る。 

Speaker: Kasano JunkiDate & Hour: 1 July.(Thu) 15:30-Place: Collaboration Room 2&WebexTitle: Graduation Research: An Attempt at Deep Learning in C

2021/6/10(木)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】先行研究との差分を通したオフレコードモデルの説明

発表者:甲斐 靖章


概要: 次回のゼミではシミュレーション結果を提示して議論する予定である。そのため、議論の共通基盤を構築することを今回のゼミ目的とする。 また前回のゼミではモデルを上手く理解してもらうことができなかったことも原因の一因である。 ピンカー等の先行研究(Pinker, S. (2007)、Pinker, S., Nowak, M. A., & Lee, J. J. (2008)、Lee, J. J., & Pinker, S. (2010)、Pinker, S. (2011))を基に自身のモデルを構築した。そのため、それらの先行研究と対比して自身のモデルの説明を試みる。先行研究との大きな違いとして、具体的には想定されるインタラクションの時間スケールが異なることを考えている。その違いの理解を、自身を含めて、深めていきたい。

Speaker: Yasuaki KaiDate&Hour: 10 Jun.(Thu) 16:30-Place: Collaboration Room2&WebexTitle: Explanation of  the Off-Record Model through the difference with previous studies

2021/6/4(金)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】人とロボットの共有様式のための、ロボットの感情表出と性格特性について

発表者:齋藤 宗一郎


概要: 人が自然と関わりたくなるような関係にするためにはかけがえのない存在だと感じられる必要があると考えている。そのために本研究ではかけがえのない関係性を構築することのできるロボットの性質およびインタラクションについて調査することを目的としている。現在、親密さがかけがえのなさに繋がるのではないかと考えており、人とロボットが多様な内容を共有する(共有様式が多様になる)ことで人とロボットの間で親密さが高まり,それによって人はロボットにかけがえのなさを感じるようになるのではないかと考えている。本報告では、人とロボットの共有様式のうち「気持ち」と「感性」の共有の仕方について、関連する先行研究を紹介しながら、自分の研究の中でどのように人とロボットの共有様式を実現しようと考えているかについて説明する。

Speaker: Soichiro SaitoDate&Hour: 4 Jun.(Fri) 15:30-Place: Collaboration Room2&WebexTitle: Robot emotional expression and personality traits for human-robot sharing style

2021/5/31(月)15:30- |コラボ3&Webex

【発表練習】記号および身体動作を用いた人間のコミュニケーションにおける大域的脳波解析

発表者:藤原 正幸


概要: 人間のコミュニケーションは、身体的な動作や記号などを用いたやりとりなどを通じて,内外の多種多様な情報を処理することで,他者との相互作用を可能にしている.本研究では,身体動作および記号のやり取りによる人間のコミュニケーションの基礎となる神経メカニズムを明らかにすることを目的とする.具体的には,脳波(EEG)の神経同期現象の観点から,2つのコミュニケーション課題について関連する大域的な神経活動をそれぞれ調べた.一方は「記号的コミュニケーション課題」であり,二者がはじめは意味を持たない図形をやりとりする中で,お互いの意図を理解しコミュニケーションを成立させる過程に焦点を当てたものであり,相手からのメッセージ(記号)を理解する際の大域的な神経活動を調べた.他方は「身体的コミュニケーション(あっち向いてホイ)課題」であり,「じゃんけん」という身体動作の後に,協調的な動作や競争的な動作を行う必要がある「あっち向いてホイ」を行う際の協調パターンの切り替えに焦点を当てることで,運動意図に関する大域的な神経活動を捉えた.解析結果として,前者の課題ではコミュニケーションの成功にはガンマ帯振幅および前頭―頭頂部間の位相同期が重要であること,後者の課題では3つの条件(スクランブル、協調、競争)の間で,特に協調条件と競争条件の間でアルファ帯およびガンマ帯パワーに有意な差が観察された.本発表の最後には,これらの結果から関連する脳部位や周波数帯を整理し,身体動作および記号を用いたコミュニケーションの神経システムに関する仮説を提供する.また今後の課題として,本研究の対象ではなかった,身体的な動作や記号を用いたコミュニケーションの中間に位置するジェスチャー的コミュニケーションに着目し,3つのコミュニケーション様式の変遷を検討すること,コミュニケーションにおける計算論的な神経モデル,そして人間と認知神経モデル間の相互作用による因果関係の検討,などについて提示する.予備審査の発表練習ということで通常より長い発表時間になりますが,良い発表となるよう御指摘頂けますと幸いです.
Speaker: FUJIWARA, Masayuki Date&Hour: 31 May (Mon.) 15:30- Place: Collaboration room 3Title: Global EEG analysis on human communication with symbols and body motions.

2021/5/27(木)15:30- |Webex

【進捗報告】正式調査向かうために二回のパイロット調査とその結果

発表者:QIN Shubin


概要: 世界中の多言語使用社会は2言語使用社会だけではなく、3言語以上の多言語使用社会もある。経済の発展やグローバル化につれて、多言語使用社会の言語使用状況も変化していく。2言語使用社会の研究はすでにたくさんあり、バイリンガリズムとダイグロシアを提出していた。しかし、3言語以上の多言語使用社会についての研究はまだ足りない。本研究は中国・広西チワン族自治区南寧市上林県を例として、多言語使用社会の言語使用状況の変化についてさらに解明し、実証的知見を提示する。現在迄、2回のパイロット調査を行い、第一回パイロット調査はアンケート調査、第二回は半構造化インタビュー調査で行った。2回の集計と分析の結果は作業報告会でそれぞれに報告したが、一部の人しか聞こえなかった。今回のゼミは2回のパイロット調査および最新の調査用紙(第3回パイロット調査か正式調査に)のデザインのプロセスを示す。今の時期で、橋本研も黒川さんのような私の研究が分からない新入りが入ったので、今回のゼミは一から説明します。どなたが質問やコメントがあれば遠慮せずに提出しても構いませんなお、調査のために中国へ帰ったすでに半年なので、日本語がどこまで退歩してしまったか自分もよく分かりません。今回のゼミで研究の議論および日本語の復習するを頑張ります。
Speaker:QIN ShubinDate&Hour:5/27(THU.)15:30-Place:Collaboration Room 2 & webexTittle:Analysis and results of 2 preparatory surveys for the formal investigation

2021/5/20(木)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】会話含意理解の関連性理論からの解釈ーインファレンスかく要因と関係具体化できるか

発表者:Qingxi Lian

概要: 人々が会話する時、相手の言明ではない発言も理解できる。例えば、(Aさん)コーヒーをのみますか?(Bさん)今日は早寝しなければならない。ここで、Bさんは「はい」「いいえ」で答えなくでも、Aさんは「いいえ」は答えのことが分かる。人々がどうの計算をして、相手の意図を理解できるかの問題に対して、様々な語用論の解釈がある。その中、Dan SperberとDeirdre Wilsonの関連性理論が最大の関連性と最小認知労力の原則で働く解釈をしている。インファレンス(Inference)で結果が推理されたと言う。実際会話する、人が周りの環境や背景知識と言語総合的の情報からインファレンスをしている。ここの要因が具体化して、明白に明らかしたい。明白とは、原則だけでなく、何にか公式のようなものができればいいと思います。(構成論アプローチが可能?)皆さんから、どこからやってすれば可能のアドバイスが頂ければ嬉しいです。
Speaker: Qingxi LianDate&Hour:5/20(Thu.)15:30-Place:Collaboration Room 2 & WebexTitle: The explanation of conversational implicature from the perspective of relevance theory -- is it possible to make clear the factors and their relations during inference process?

【進捗報告】互恵性の進化に与えるグループサイズの影響

発表者:黒川 瞬

概要:  協力行動は、自分の適応度を下げて相手の適応度を上げる行動であると定義される(Nowak, 2006)。協力行動は自分の適応度を下げる行動であるため、協力行動が存在することは、自然選択の観点から考えると、不思議であるといえる。 協力行動の存在を説明するメカニズムは先行研究により、いくつか提示されたが、その内の一つは、互恵性である(Trivers, 1971)。互恵性は、「相手が協力してくれたら協力する一方で、相手が協力してくれなかったら協力を差し控える」というメカニズムである。協力者が無条件に協力をするわけではなくて、互恵的に協力をする場合、協力者と非協力者ではどちらの方が得であるかを考えてみよう。過去に相互作用をした互恵的協力者と再び相互作用をする場合、協力者は協力をしてもらえる一方で、非協力者は協力をしてもらえない。このように、協力は、その時間だけを見たら、非協力者が支払わないコストを払ったわけなので損であるが、後で、協力にかかるコストを回収でき、全体としてみた場合、協力者が非協力者よりも得をする可能性がある。これが、互恵性が進化しうる「からくり」であり、互恵性は協力行動の進化を説明する主要な仮説の一つであり続けた。 ヒトは2者間の相互作用に限らず、大きいグループにおいても協力をすることが指摘されている。大きいグループにおける協力行動の存在は互恵性で説明できるだろうか?Boyd & Richerson (1988)は、互恵的協力者と無条件非協力者の2戦略を考え、より多い利得を獲得した戦略が確率1で頻度を増やすレプリケーターダイナミクスを考えた。そして、このように戦略の頻度変化が決定論的モデルに従う場合、グループサイズが大きくなるほど、互恵的協力者の進化が難しくなることを示した。これは、互恵性では、大きいグループにおける協力行動の進化を説明できないことを意味する。しかし、Boyd & Richerson (1988)は、「現実には、偶然によって、低い利得を得る個体も頻度を増やしえる、遺伝的浮動の効果があるが、この効果を考慮できない決定論的モデルを用いている」という問題点を抱えていた。 Nowak et al.(2004)は、遺伝的浮動の効果を考慮した確率論的モデルを構築し、一般の利得行列が与えられた場合の進化の条件式を求めた(one-third ruleと呼ばれる)。しかし、Nowak et al.(2004)の枠組みは、2人ゲームであり、これでは2者間での相互作用しか取り扱うことはできず、大きいグループにおける協力行動の進化を考えることはできない。 今回のゼミでは、Nowak et al.(2004)を拡張して求めた、n者間での相互作用における進化の条件式をまずは紹介する。続いて、この進化の条件式を用いて、Boyd & Richerson(1988)と、同様の互恵的協力者と無条件非協力者の2戦略モデルを解析することにより、「グループサイズが大きくなるほど、互恵的協力者の進化が難しくなる」という決定論的モデルから得られる結果が、確率論的モデルでは成り立たないことを示す。 Boyd & Richerson (1988)の「大きいグループにおける協力は、互恵性では説明できない」という結果を踏まえて、罰などの、大きいグループにおける協力行動の進化を説明する別のメカニズムが提唱されてきた(Boyd & Richerson, 1992)。このようなこれまでの研究の歴史を踏まえると、「互恵性で大きいグループにおける協力行動の進化を説明できる」という今回の研究は意義深い。 この研究は、Kurokawa & Ihara (2009)の内容(添付ファイル)であり、既に出版されているという意味で終わった研究ではある。しかし、大きいグループにおける協力行動の進化の説明は、依然として、黒川の関心の一つである。次の論文のネタにつながるようなコメントがもらえたら幸いである。
Speaker: Shun KurokawaDate&Hour:5/20(Thu.)15:30-Place:Collaboration Room 2 & WebexTitle: The impact of the group size on the evolution of reciprocity

2021/5/13(木)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】概念融合理論と概念結合モデルの区別、Prototype とExemplarにめぐって

発表者:周 豪特

概要:  概念は思考やスビーチ、知識を抽象化したものである。概念融合理論は人間が融合という操作で新概念を生成する。概念の結合を機械(AI)にも扱うように、COCOSが提出された。しかし、説明原理と実現原理と違いがあって、今回の発表はPrototype とExemplarにめぐって、その区別を説明する。 今回のゼミは問題にめぐって、博士論文の一部(3章)を説明しながら、議論しできればと思います。
書誌情報:Antonio Lieto(2012)Non classical concept representation and reasoning in formal ontologies, Dissertation Università Degli Studi di Salerno
Speaker: Zhou HaoteDate & Hour: 13 May(Thur.) 15:30-Place: Collaboration Room 2 &webexTitle: Distinction between concept blend theory and concept combination model--About Prototype theory and Exemplar theory

【進捗報告】オンライン上における二者関係道徳

発表者:清水 あおぐ

概要: サイド・テイキング理論(DeScioli, 2016)では、道徳判断は規範違反者に対して、傍観者が協調して非難を行うよう設計されている。 この具体例として炎上が考えられる。炎上も規範違反(田中・山口,2016)をした個体に対して、傍観者が協調して非難を行っているからである。 しかし、Sawaoka & Martin(2020) の実験では、炎上において大勢の傍観者が規範違反者を非難している場合、実験参加者は規範違反者に対してより共感する傾向にあったことが示唆されている。 この問題は、二者関係道徳理論(Schein & Gray, 2018)によって説明可能である。二者関係道徳理論によれば、道徳の認知的テンプレートは意図的な主体と脆弱な客体によって構成されている。そのためSawaoka & Martin(2020) の実験結果は実験参加者が規範違反者を脆弱な客体、大勢の傍観者が意図的な主体として知覚されたことによって説明することができる。
Speaker: Aogu ShimizuDate&Hour: 5/13(Thu.)15:30Place: Collaboration Room 2 & WebexTitle: Dyadic Morality Online

2021/4/27(火)15:30- |コラボ3&Webex

【論文紹介】‘But’ Implicatures: A Study of the Effect of Working Memory and Argument Characteristics

発表者:レン セイジ

概要:  含意を処理する時、弁駁と削除操作が認知資源を消費する。スカラー含意の実験の先行研究は合意的な結果はない。本研究は「but」と言い含意を処理する時のワーキングメモリーを何にかの影響を受けて、実験で解明した上含意の認知上のメカニズムを討論する。 人間は言語に含まれていない意味も分かる原因を解明したい時、メモリーの消耗は何にかの計算があることがまず見なすだろう。

書誌情報:Janssens, L., & Schaeken, W. (2016). ‘But’ Implicatures: A Study of the Effect of Working Memory and Argument Characteristics. Frontiers in psychology, 7, 1520.https://doi.org/10.3389/fpsyg.2016.01520
Speaker: Lian QingxiDate & Hour: 27 Apr.(Tue) 15:30-Place: Collaboration Room 3 &webexTitle: (Report)‘But’ Implicatures: A Study of the Effect of Working Memory and Argument Characteristics

【論文紹介】Sketching Muslims: A corpus driven analysis of representations around the word ‘Muslim’ in the British press 1998–2009.

発表者:星住 弥里

概要: 本論文では、コーパスに支援された談話分析(Corpus-Associated Discourse Studies:CADS)の手法を用いて、イギリスの新聞における「Muslim」という単語のふるまいを、従来の質的な分析と、コーパス言語学の手法を用いた量的な分析を組み合わせて使用した。「Muslim」という単語の共起語(名詞に限る)を分析することで、いくつかのカテゴリーに分類可能な語彙がよく出現していること・「紛争」という話題は様々な記事に出現していることが明らかになった。続いて、「Muslim community」、「Muslim world」という連語がどのような記事に出現しているのかを分析したところ、「Muslim」は、容易に攻撃的になり、「非イスラム教徒」から疎外された存在として扱われており、「非イスラム教徒」と対立する存在であるとされていることがわかった。そして、新聞が偏った見方を掲載することで、その偏った見方を拡散してしまう危険性があることが分かった。 本論文を紹介する動機:1,修士論文でも、CADSの手法を使用しようと考えており、質的な分析と量的な分析を組み合わせる際の手法・ステップを理解したいためです。2, 本論文が分析対象としている人たち(Muslim)は、イギリスにおいてはマイノリティであり、なおかつ先行研究より不利益を被っていることが予想されます。修士論文では、「差別語」を対象としようと考えており、こちらもマイノリティかつ、不利益を被っていると考えられる。両者は、マイノリティと不利益を被っているという点が共通している。そのような人たちを表す単語のふるまいの分析をする際に、着目すべき点・修士論文に使用できるような考え方などを学びたいと考えたためです。3, 本論文では、「Muslim」という単語の談話的韻律も明らかにしようとしており、この談話的韻律が、私のいう「単語の非辞書的意味」と近いかもしれないと考えているためです。談話的韻律は、いくつかの談話(=新聞記事、オンラインの記事など、何かしらの一塊の文章をイメージしていただければいいかと思います)を比較することで明らかにできる。。その比較に際しては、各談話ごとの共通点や傾向を見つけることが大切であると考えられるため、それらを見つける手立てを学べれば、修士論文で使用できるのではないかと思っている為です。  本論文を紹介することで、はたしてコーパス言語学の手法を批判的言説(談話)分析に取り入れることは有効なのか・これらの手法が、私の修士論文に対しても有効なのかという点について議論していただきたく思っています。

書誌情報:Baker, P., Gabrielatos, C., & McEnery, T. (2013). Sketching Muslims: A corpus driven analysis of representations around the word ‘Muslim’in the British press 1998–2009. Applied linguistics, 34(3), 255-278. URL: https://doi.org/10.1093/applin/ams048
Speaker: Misato HOSHIZUMIDate & Hour: 27th Aip. (Thu.) 15:30-Place: Collaboration Room 3 & WebexTitle: Sketching Muslims: A corpus driven analysis of representations around the word ‘Muslim’ in the British press 1998–2009.

2021/4/22(木)15:30- |コラボ3&Webex

【論文紹介】Sketching Muslims: A corpus driven analysis of representations around the word ‘Muslim’ in the British press 1998–2009.

発表者:星住 弥里

概要: 9.11の同時多発テロ以降、世界各国の新聞において、「Islam」という単語はネガティブな文脈・先入観を持っで使用されてきた。この事実はイギリスにも当てはまる。では、そのようにネガティブに使用されてきた「Muslim」という「語のふるまい」を明らかにすることで、どのようなことが分かるのであろうか。これが本研究のリサーチ・クエスチョンである。本研究では、「イスラム教徒」という語のふるまいを明らかにするために、1998-2009年にかけてイギリスにおいて発行された、「イスラム教」に関連する記事新聞を収集した。分析に際しては、質的な手法をとる批判的言説分析(CDA)に、研究者のバイアスを軽減させるとされる、量的な手法をとるコーパス言語学の手法を組み合わせて使用した。量的分析の結果、「Muslim」は一様な集団であり、紛争に関連していると描かれていることが多いことが分かった質的分析の結果、「Muslim」と共起する回数が多い「Muslim World」と「Muslim community」という連語は「イスラム教徒」を①集団化し、②一様性を強調し、③「非イスラム教徒」とは異なっていると強調し、④彼らを紛争と関連させていることが分かった。また「イスラム教徒」は1, 容易に攻撃的になり、2, 「非イスラム教徒」から疎外された存在として扱われており、3, 「非イスラム教徒」と対立する存在であるとされていることが分かったそして、新聞社が「イスラム教徒」という単語をネガティブな文脈で使用しつつげることで、そのイメージが世間に広められてしまうことがあると考えられる。さらに、新聞社の報道は読者によって誤解され、誤解が広められることもあることが分かった。そこで新聞は、その記事を目にする人々に対して大きな力を持っており、報道する側は掲載する文面に対して責任を持たなければならないという提言を行う。また、今回の分析では、分析者の先入観を完全に排除したとは言えず、読者が新聞の中で繰り返し報道される「イスラム教徒」のイメージをどのように内面化するのかについての分析まではできなかった。そして今後は、インターネットやソーシャルメディアが発展することが想定される。これらの媒体は、物議をかもすような記事に対して批判的な読みの可能性を読者に提示できると考えられる。そのため、今後はそのような媒体が、「イスラム教徒」に対して影響を与えるのか否かについて観察するのも興味深いと思われる。
書誌情報:Baker, P., Gabrielatos, C., & McEnery, T. (2013). Sketching Muslims: A corpus driven analysis of representations around the word ‘Muslim’in the British press 1998–2009. Applied linguistics, 34(3), 255-278. URL: https://doi.org/10.1093/applin/ams048
Speaker: Misato HOSHIZUMIDate & Hour: 22nd Aip. (Thu.) 15:30-Place: Collaboration Room 3 & WebexTitle: Sketching Muslims: A corpus driven analysis of representations around the word ‘Muslim’ in the British press 1998–2009.

【研究紹介】自己紹介と研究の概要(協力行動の進化に関する進化ゲーム理論に基づく数理解析的な研究) 

発表者:黒川 瞬

概要: 今回のゼミの目的は、黒川瞬との共通点や関心が近いことを各々のメンバーに発見してもらい、今後話しかけてもらいやすくすることである。そこで、自分の経歴、ならびに、研究を含むが研究に限定されない興味・関心を伝える。特に、研究内容についてであるが、二者間での相互作用における協力進化に関する理論研究についてまずは話す。続いて、ヒトは「大きいグループでも協力をする」「一度しか出会わない相手に対しても協力をする」といった他の動物には見られない特徴を持つが、「大きいグループでも協力をする」性質に関する理論研究を紹介する。
Speaker: Shun KurokawaDate & Hour: 22 April, 2021 (Thursday) 15:30-Place: Collaboration Room 3 & webexTitle: Self Introduction & Research Outline (Mathematical study based on evolutionary game theory with respect to the evolution of cooperation)

2021/4/14(木)15:30- |コラボ3&Webex

【進捗報告】認知科学会アブストラクト「人がかけがえのない存在だと感じるロボットとはどのようなものか」についての検討 

発表者:齋藤 宗一郎 

概要:人が自然と関わりたくなるような関係にするためにはかけがえのない存在だと感じられる必要があると考えている.そのために本研究ではかけがえのない関係性を構築することのできるロボットの性質およびインタラクションについて,人とロボットとのインタラクション実験を通して調査する予定である.そして本研究を通して共有様式,親密さ,ロボットに対するかけがえのなさの間の関係を明らかにし,それにより人と関わるためのロボットに求められる性質を検討することができると考えている.
来週のアブストラクト提出に向けて,皆様から内容や書き方について意見や提案をいただきたいと考えております.よろしくお願いします.
Speaker: Soichiro SaitoDate&Hour: 14.Apr.(Thu) 15:30-Place: Collaboration Room3&WebexTitle: Cognitive Science Society Abstract Meeting to Consider 

【進捗報告】プレイ行為が創造性を促進するメカニズムの分析(仮) (日本認知科学会のアブスト検討会) 

発表者:成 太俊 

概要: 現代社会では1人よりも複数人で問題解決を重要性が高まっている.複数人で行うと,他者とのインタラクションにより創造性の高いアイデアが生まれる.LEGO Serious Playメソッド(以降LSP)は複数人による問題解決に高い効果のあり,中でもレゴブロックを用いて課題に沿って直感的に作品を作るというプレイ行為(以下プレイ行為)が創造性を高める効果があると言われる.しかし,このプレイ行為の創造性の促進効果はどの程度一般性あるだろうか.それを調べるため,本研究はそのプレイ行為をLSPから分離し,そのプレイ行為が創造性を促進するメカニズムを検討する.石井・三輪(2001)の研究に基づき,著者はプレイ行為が創造性を促進するメカニズムの一端として,プレイ行為が個人間のインタラクション行為に影響することで,創造性を高めるのではないかと考えている(大きな仮説).
 今回は日本認知科学会に提出するためのアブストを皆さんに共有し,全体的なロジックのほか,表現が曖昧であるとか,初めて聞く人にはわかりにくいとかについてもコメントやアドバイスをいただければと思います.
Speaker: Cheng TaijunDate & Hour: 04/15 (Thur.) 15:30-Place: collaboration room 3 and WebexTitle: Analysis of mechanism of play to promote creativity

【進捗報告】原型概念結合によるロボット

発表者:周 豪特 

概要: インタラクションにおいて接続詞のような融合した原型概念は頻繁に現れている。人間は簡単に現有の原型概念を融合し、新しい原型概念を生成できる。一方、ロボットの活用こともロボットのインタラクション能力を求めている。そこで、本研究はロボットのインタラクション能力をあげるため、ロボットを現有原型概念から、融合した概念についての典型性を表出できるにすることを課題にする。  今回ゼミは概念結合の対話構造について議論できればと思います。よろしくお願いします。
Speaker: Zhou HaoteDate & Hour: 15 Apr.(Thu) 15:30-Place: Collaboration Room 3 &webexTitle: A robot with prototype concept combination system 

2021/4/8(金)15:30- |コラボ2&Webex

【進捗報告】関係交渉的相互作用における複数解釈可能な言語行為の文化進化に関する研究

発表者:甲斐 靖章

概要: 間接的に表現することは非効率で誤解を生じやすく不必要に思われるのに関わらず、広く使用されている。ピンカー等は、オフレコード戦略(間接的に表現すること)の機能は、もっともらしい否認による関係交渉であると、主張した。そして、それは想定している関係性が互いに確定できない状況においてであるとした。しかし、オフレコード戦略のコストを考慮すると、あからさまに行う戦略を取ることやオフレコードに対して望ましい反応をせず、結果としてオフレコード戦略が広く使用されないあるいはされたとしても一時的な可能性が考えられる。そのためピンカー等の想定した状況からオフレコ―ド戦略が文化進化する条件を同定する必要がある。 背景や研究全体の流れや、シミュレーション結果に対する考察に関するアドバイスを頂けたら幸いです。よろしくお願い致します。
Speaker: Yasuaki KaiDate&Hour: 8 Apr.(Fri) 15:30-Place: Collaboration Room 2Title: Research on the cultural evolution of multiple interpretable spech acts in relational negotiative interaction

【進捗報告】無意味語を用いた語の面白さ要因分析

発表者:細間 萌 

概要:人が言葉を使用する理由は何であろうか?一般的には意図の伝達や共有といった実用のためといった意味を前提とした理由がまずは考えられるだろう。しかし、人の使用する語の中には例えばマザー・グースのように音を重視したりするもの、キャッチコピーなど言葉の印象などからイメージを広げさせることを目指すような意味の伝達を果たすことができそうに思えないものが多く存在している。これらに共通するのは人が語に感じる面白さがあるのではないか。本研究ではこの問いに答えるべく、人が語に感じる面白さとはなんであるかを形式のみで意味の存在しない語(以下無意味語と呼称する)を用いたアンケート調査とその分析により考察する。アンケート調査に伴い、4つの連なる仮説を立て、それに対応した設問を作り分析を行った。4つの仮説は以下の通り、仮説①無意味語を面白いと感じる人は一定数存在する。仮説②無意味語を面白いと感じた人たちの答える面白さの理由には音や文字のほかに、それらから人が自発的に発想したイメージ(以下自発的意味)がある。仮説③無意味語よりも、意味づけされた語の方が人が感じる面白さは増加する仮説④意味づけされた語の中でも、被験者自身が意味づけを行った方が意味を実験者から与えられるよりも感じる面白さが増加する調査の結果、仮説①は無意味語6語、各20人からの計120の回答のうち面白いと感じた人と面白いと感じなかったと答えた人の数は面白いと感じる人が有意に多かった。仮説②はまだ統計的で客観的な分析ができておらず、主観的に面白さを感じた理由を収集した結果音や語感・形式についての回答以外に自発的意味について言及する回答が数多く存在した。仮説③、仮説④は分析の結果有意な差は見られず、これらの仮説は棄却された。以上のことを踏まえると無意味語を面白いと感じる人は確かに存在し、その理由には被験者独自の発想による自発的意味が存在する。ただし、無意味語・意味づけされた語で面白さを感じた人数や意味づけを誰がするかということは面白さに関わっていないようである。つまり、人が感じる面白さは音や文字と同じように、(無意識かもしれないが)自発的意味に感じる面白さがあると考えられる。
今回のゼミでは一連のストーリーのつながり(背景のあたりにまだ無理がある・詳しい文献がまだ欠けている)や結果の分析が足りていないところ(仮説②に関して客観的に理由を分析・深掘りがまだ)、無意味語を使うかどうかの分析結果がまだと分析が今一つ終わっていないのですが、特に一連のストーリーのつながりや結果からの考察にアドバイスをいただければありがたいです。概要が長くなりましたがよろしくお願いいたします。
Speaker:Moe HOSOMADate&Hour: 19 Apr.(Fri) 15:30-Place: Online Meeting (Webex)Title: Factor of Interest in Words : Analysis Using Nonsense Words

輪読会・勉強会

2021/2/2-3/28 

【輪読会】『認知意味論(シリーズ認知言語学入門 3)』、松本曜 (編)、大修館書店、2003


ホスト:黄 文蓮
参加者:大友 和幸、秦 慕君
オブザーバ:橋本 敬


2021/7/13-8/10

【輪読会】『論文を書くための科学の手順』,山田俊弘,文一総合出版,2018

ホスト:笠野 純基
参加者:大友 和幸、石森 宥佑、黄 文蓮、徐 蘭欣
オブザーバ:成 太俊