アクティビティ

生かさず殺さず

今年度に実施したゼミ・輪読会・勉強会等の活動記録.

ゼミ

2024/04/11)15:30- |コラボ2 & Webex

論文紹介】ベイズ学習するエージェントによる繰り返し学習に基づく言語進化

発表者:岩村入吹


概要:囚人のジレンマでは、非協力者が協力者よりも高い利得を得るため、協力的な戦略は進化しない。一方、繰り返し囚人のジレンマでは、相手が協力言語は個体から個体へ,世代から世代へと繰り返し学習と通じて継承される.[言語の] 繰り返し学習とは,一度言語を学習した個体から言語を学習することである.本論文では,ベイズ推論する学習者が繰り返し学習した結果について分析する.ベイズ推論する学習者は推論バイアスと見做す事前確率と言語データという証拠を考慮して言語全体の事後確率分布を計算する,と考えている.1つ目のアイディアの分析結果が示すことは,学習者が事後確率分布から言語をサンプリングする場合だと,繰り返し学習の最終的な結果 [つまり,最終世代が学習する言語] は事前確率分布に完全に一致する.この条件だと,繰り返し学習をギブスサンプリングの一形態と見做せる(ギブスサンプリングはポピュラーなマルコフ連鎖モンテカルロ法である).[2つ目のアイディアの分析結果が示すことは] 学習者が事後確率が最大の言語を選択する場合だと,繰り返し学習 [の最終的な結果] は [前述のサンプリングバージョンと比べて][解析的に解くのが] 難しい.というのも,学習者の事前確率と世代間継承される情報の量の 2 つに影響されるからである.この条件だと,繰り返し学習を期待値最大化アルゴリズムの変種と見做せる.以上2つの結果は,繰り返し学習が言語普遍性を説明し,また言語獲得時に働く制約と外在化された言語を形式的に接続する.加えて,繰り返し学習を通じて継承される情報は究極的に(形式的・原理的に)学習者の心的性質を反映するようになることが示唆される.
書誌情報:Griffiths, T. L., \& Kalish, M. L. (2007). Language evolution by iterated learning with Bayesian agents. Cognitive science, 31(3), 441-480.URL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1080/15326900701326576
自分の研究で依拠する"繰り返し学習モデル"を計算論的/数理的に分析した研究です. 理解できていない部分が多々ありますが, せめて理解できるところまでは説明できたらと思います.また,現在作成中のILMの数理モデル教科書資料のリンクも貼っておきます.もしコメントなどがあれば是非お願いします.https://drive.google.com/file/d/1cs6cpPksgBdriRpix1Kqqiw0l2gByC6R/view?usp=drive_link
Speaker: Iwamura IbukiDate & Hour: Apr 11th (Thu.) 15:30-Place: Webex & Collaboration Room 2Title: Paper review "Language Evolution by Iterated Learning With Bayesian Agents"

輪読会・勉強会