Lab Diary

2024/03/15 卒業式(2023年度)

2023年度の学部(および大学院)の卒業式が挙行されました。龍谷大学の先端理工学部・環境生態工学課程から学士(工学)が授与されました。先端理工学部として入学した1期生の卒業です。当日は快晴に恵まれ、とても気持ちの良い式になりました。大学院への進学、企業などへの就職と新たな環境での活躍を期待しています。卒業後も、最寄りに来る際は気軽に遊びに来てください。

また、同日に卒業生を対象として各賞の授賞式も開かれ、当研究室から以下の受賞がありました。おめでとうございます!

2024/02/28 技術研修制度と消しゴム

産業技術研究所(産総研)という日本最大規模の国立研究機関では技術研修という制度があります。産総研に属さない外部の人材を受け入れてくれる制度で「産総研にある最先端の研究施設を利用したり、最先端の実験・分析技術などを習得したりすること」ができます。大学生であっても、産総研で受入可能であれば装置使用に限らず研究指導さえ受け入れてくれます。

当研究室では産総研の研究者との共同研究を進めており、そのテーマで研究するゼミ生は技術研修制度により産総研へ出向き研究をしています。2023年度は「フタル酸エステル類」に注目した研究を行いました。主に、ポリ塩化ビニル(塩ビ)でできた樹脂をやわらかくする目的で添加される、いわゆる「可塑剤」です。近年、フタル酸エステル類の子供への影響が懸念され玩具類などでの使用は規制されています(写真上)。

未規制の塩ビ製品であり、かつ、子供が使用するものとして消しゴムに着目しました。そこで、入手できる限りの消しゴムを収集し、消しゴム中のフタル酸エステル類の分析を産総研で実施することで含有実態を明らかにしました。この研究は、ゼミ生の桒原萌葉さん(B4)が熱心に進めてくれ、豊富なデータを基に消しゴムの使用によるリスク評価までをやりきることが出来ました(写真下)。この成果を2023年室内環境学会学術大会(沖縄)で口頭発表した結果、大会長奨励賞を受賞しました(太字: 藤森, 下線部: 指導学生)

龍谷大をハブとした産総研との共同研究を実現できる技術研修制度は、研究テーマだけでなくゼミ生の適性も考慮した上であれば、学部生では(あるいは大学院生でも)得難い研究体験をもたらしてくれます。

2023/09 学会ラッシュ

2023年9月は2つの国際会議の参加・発表(藤森、修士学生)と同時に国内学会の参加・発表(修士学生)があり、発表シーズンでした。また、講義や会議などが落ち着き、次年度以降の研究のアイディアや計画を練る時間でもありました。研究室のメンバーも9月末から3年生が7名配属され、修士2名、4年生8名とあわせてスタッフを含め17名を超える組織体制になりました。「成果の発表・今後の研究計画・新しいメンバー」―大学での研究・教育のサイクルの終点と始点が交わる面白いタイミングです。

ひとつめの国際会議(Dioxin2023, 09/10 - 14)はオランダのマーストリヒト(写真上)で開催され2件の研究成果を発表しました(太字: 藤森, 下線部: 指導学生)龍大の研究室を立ち上げて最初の修士1年生(M1)である村上君に初めての国際学会での発表を経験してもらいました。久しぶりのオンサイト開催となり、飛行機・宿の手配から参加までを久しぶりに体験しました。やはり、対面での交流に勝る情報交換はないな、と強く実感しました。

もうひとつの国際会議は「筑波会議2023」(9/26 - 28)で、こちらは招待されて講演しました(龍大ニュースも参照)。講演とグループディスカッションを通じて基礎科学、SDGs、環境研究、南北問題などとても包括的な内容について議論を深めました。普段は個別のテーマを考えている身からすると物事を俯瞰的に眺める貴重な機会になりました。

あいにくDioxin2023と会期が重なってしまった第64回大気環境学会年会(9/13 - 14)では、こちらも初代M1の片岡君が龍谷の森で得られた成果を発表しました(写真下)。会期中に研究内容に興味を持った研究者との議論を通じて今後の更なるテーマの発展につながりそうです。

2023/07/24 動画の公開

当研究室が所属している環境生態工学課程のYoutubeチャンネルで動画(直接動画にリンクされています)が公開されました。今年度から同課程で制作を始めた番組「ドラゴン環境科学〜リアル中高生が聞く!環境科学の楽しみかた〜」がZTV番組「じも×カル」(滋賀県版のみ、1週間毎日放送)で公開されています。この動画は、同番組の放送内容をYoutubeチャンネルにアップしたものになります。

藤森は初回を担当し「ダイオキシンを増やしてしまう意外なゴミの正体」というタイトルで研究を解説しています。裏では教員だけでなく、院生や学部生が中心となって活躍しました。企画、準備、撮影、編集など多くの作業を進めてもらいました。演者はしゃべるだけのお仕事でしたが、なかなか難しいですね。

課程内で議論されているこれらの想いを伝える方法として、とにかく作ってみた動画です。人気Youtuberや配信者には到底敵いませんが、気軽に興味を持ってもらうきっかけになればと思います。

2023/05/30 - 06/02 第2回環境化学物質3学会合同大会

第2回環境化学物質3学会合同大会あわぎんホール徳島)に参加し、招待講演を含めた計4件を発表しました(太字: 藤森, 下線部: 指導学生)。久しぶりの本格的な対面形式での学会大会は、多くの研究者、学生、専門家、企業の方々を交えた活況ある場となりました。

発表の内1件(*印の発表)で村上太一龍谷大学、M1)が優秀発表賞(SETAC JAPAN AWARDを受賞しました(写真下)。PFOAに始まった焼却分解の研究を、より炭素鎖の長い物質に展開した内容を発表しました。基本的に「焼却で分解するのは当たり前」ではあるため、焼却後のサンプリング箇所を詳細化したり、分解特性を評価したりと、考察の工夫を加えて準備してきたものの、思いがけない受賞となりました。うっかり授賞式を間違えてしまうハプニングもありましたが、会期を通じて大雨のなか気分の晴れる良いニュースとなりました。

また、プロジェクト型テーマに取り組む古賀瑞基君には、3年生の後期から実験に着手してもらい4年生になった段階で学会発表をしてもらいました。内容自体は、これまでの焼却研究のなかでは工夫を凝らしたものであり、個人的にはアイディア次第で大きな発見につながるかもしれないと思っています。

藤森はランチョンセミナーでの招待講演1件、代理でのポスター発表1件を発表しました。それ以外に、セッション座長実行委員として、会場の運営やとりまとめに携わりました。2022年度と同様、環境化学会、環境ホルモン学会、環境毒性学会の合同大会の第2回目であり、その内環境化学会の評議員の立場として参画しました。

2023/03/17 卒業式(2022年度)

2022年度の学部(および大学院)の卒業式が挙行されました。龍谷大学の理工学部・環境ソリューション工学科から学士(工学)が授与されました。ゼミ生からは7名が巣立ちます(写真)。研究室発足から正式な4年生として卒業研究に取り組んだ1期生となります。次年度からは先端理工学部・環境生態工学課程の所属学生が主となるため、藤森研としては環境ソリューション工学科からの最初で最後といってよい卒業生です。嬉しいことに、卒業生のうち2名は同大学院へ進学し、引き続き一緒に研究活動を進めます

また、同日に卒論審査会での優秀プレゼンテーション賞の受賞者が発表され、当研究室から2名が受賞しました(下記)。

2022/12/28 大気環境学会近畿支部での発表など

龍谷大学に着任してから始めた研究スタイルのひとつに「個人テーマ」があります。これはゼミ生自身の希望を実現可能な研究テーマに落とし込んだものです。外部予算の付いたプロジェクト型の研究と異なり自由な発想で進めることができます。

ゼミ生の片岡是宗君(B4)は、個人テーマを選択し研究を進めています。龍谷大学瀬田キャンパスに隣接した里山林(龍谷の森)において光化学オキシダントの一種であるオゾンを測定しています。オゾンの生成に関与する気象因子との関係性を理解するために、頻繁に森の中へ出かけて地道に調査をしてきました。

ある程度データがまとまってきたことや、今後も修士課程で研究を発展させていく計画であることから、大気環境学会近畿支部・第11回研究発表会での発表をしてもらいました。とても緊張したとのことですが、成果を人前で発表する貴重な機会になったようです。

個人テーマでは、外部予算などによる学会発表の補助はできません。しかし、龍谷大学の理工学会から学生による研究発表補助が受けられます。本件では、この制度を活用しました。補助を受けた学生は、理工ジャーナルに掲載される原稿を書く必要がありますが、それも含め研究成果を公開するとても良い訓練になったのではないでしょうか。

このように特定のプロジェクトに限らず、自由な発想で取り組む個人テーマを設けることでResearch Policyで述べている幅広いスペクトルで研究できる体制が実現できるようになりました。

2022/10/25 制御炉の龍大設置

焼却による分解試験を実施する上で、焼却温度と滞留時間を精密に制御できる制御炉が研究室の実験スペースに導入・設置されました(写真)。これまで、京都大学において同じ炉を利用させて頂き研究をしてきましたが、今後は龍大で実験を進めることができます。

装置の発注から10ヶ月程度かかり待望の納品となりました。装置本体以外にも、スペースの確保、焼却に使用するガスボンベの用意、必要な物品の準備など、いくつかの部局との調整を経て使えるところまで漕ぎ着けました。

設置直後は、動作確認や温度校正、試験運転などきちんと使える状態にもって行く助走期間になります。ひとつずつ丁寧に進めて万全の態勢で本格使用を迎えたいと思います。

2022/10/09 - 14 Dioxin 2022

第42回ハロゲン化残留性有機汚染物質に関する国際シンポジウム(Dioxin 2022New Orleans、USA)に参加し、3件を発表しました(太字: 藤森, 下線部: 指導学生)。会期直前に諸事情により藤森は現地での参加が叶わず、ポスターの掲示を同行者にお願いしました(写真上)。

この内1件(*印の発表)で伊藤健登君(京都大学、M2)がOtto Hutzinger Student Awardを受賞しました(写真下)。6月の国内学会で受賞対象となったテーマと同じ内容ですが、国内では塩素、米国では臭素に関してまとめた発表です。底質コアの採取、年代測定、化学物質の分析、そして我々が担当したハロゲンの分析と、複数の専門領域が繋がることで得られたデータに対する評価として、これ以上ない奨励を頂いたと感じています。

2022/06/14 - 16 環境化学物質3学会合同大会

環境化学物質3学会合同大会(富山国際会議場、富山)に参加し、共同研究を含めた計10件を発表しました。そのうち、写真の龍谷大学の研究室メンバーによる以下3件を無事発表することができました(太字: 藤森, 下線部: 指導学生)

下線部(指導学生)が多いのは、先輩・同期のつながりを活かした技術継承で3年生の後期から研究活動に着手できた経緯によります。実験の結果に関して、学会発表に出せる内容であったため、短期間で発表の準備から本番までを走り切ってもらいました。はじめての経験で不安もある中での学会発表でしたが、対面での議論を通じて貴重なフィードバックを得られたと感じています。

また、京都大学の指導学生である伊藤健登君(M2)はひとりで3件もの発表をこなし、その内1件で優秀発表賞(RSC賞)を受賞しました(写真)。受賞対象となった発表は以下です。

科研費・基盤研究Aのプロジェクト20H00646)の分担者として研究してきた底質コアを用いたハロゲンの分析結果を丁寧に議論した内容に対して評価を頂き、頑張りが報われたのではないでしょうか。

藤森は1件の発表、セッション座長、そして昨年度の大阪に引き続き実行委員として、会場の運営やとりまとめに携わりました。今回は環境化学会に加え、環境ホルモン学会、環境毒性学会の合同大会であり、その内環境化学会の評議員の立場として参画しました。

2022/03/18 - 21 KEK-PF(BL-11B, BL-12C)での放射光実験と今年度振り返り

放射光実験:高エネルギー加速器研究機構(KEK)内のフォトンファクトリー(PF)で放射光実験を行いました。10月で測定した内容と関連するデータだけでなく、北海道大学(獣医学研究院)の中山翔太准教授および銅谷理緒学術研究員らと共同で進めている生物試料に対するXAFS測定も進めることができました。

実験は2つのビームライン(BL-11BおよびBL-12C)を同時並行で利用して進める、ちょっと珍しい形で行いました。写真はBL-11Bにおいて試料を貼り付ける作業をしている風景です。対象とした元素は鉛(BL-12Cにて測定)と塩素・硫黄(BL-11B)です。生物試料の測定は、臓器試料を事前調整の上、凍結乾燥をして対象元素の濃度を上げる「工夫」をして、良いデータが取れるようにしています。データを測定する前の準備で、得られるデータの質が変わるので、地味ですがとても大切な研究要素です。

今年度振り返り:年度末ということもあり、出張申請など事前の調整が必要でしたが、無事測定を終えることができ、興味深いデータを得ることができました。龍谷大学での最初の1年間で、研究環境の構築は発展途上とはいうものの、外部との共同研究を含め継続的に複数の研究課題を進めることができました。論文執筆の宿題があることも忘れないようにしないといけません…。

ともあれ新しい環境で1年分の経験値はストックできました。次年度は配属された3年生が4年生に学年が上がり、これまでのゼミで具体化した研究テーマに着手します。得られた結果を学会発表や論文化すること念頭に、頭で考えていることを図表化・文章化し、伝わるようにプレゼンテーションができるようなゼミ運営をしたいと考えています。

2022/02/15 USBマイクロスコープ

USBで接続して拡大した顕微鏡像を観察することができるUSBマイクロスコープを導入しました。Dino-Lite(DINOAF4915ZT、オプトサイエンス社製)を精密スタンド(RK-10)にセットして、専用のソフトウェアDino Capture 2.0をインストールすれば、あとはUSBを接続するだけで写真のような観察が可能です。20~220倍まで拡大できます。

Wifi接続モジュールを使うとスマホとワイヤレス接続ができる点も現代的です。偏光フィルターが搭載されていて乱反射を抑えられるため、直観的な操作のみでクリアな拡大像を得られるところもポイントが高いです。

今後、多様な目的で研究データの画像化への活用が期待されます。

2022/02/03 2021年度卒論審査会

2021年度の特別研究(卒業論文)の本審査会が開催され、当研究室から1件発表しました。

本発表をした齋藤直也君(B4)に対して優秀プレゼンテーション賞が内定しました。学部生最後の1年間にゼロから始めた研究でしたが、外部機関や共同研究先の専門家の協力のもと実りある経験を積むことができたのではないかと思います。

※本投稿時点で受賞は内定したものです。誤情報ではありませんが、次年度以降は正式な受賞発表の後に公開します。

2021/11/08 - 11/11 Dioxin 2021

第41回ハロゲン化残留性有機汚染物質に関する国際シンポジウム(Dioxin 2021、天津・中国)に参加し、共同研究者が以下の3件を発表しました(太字: 藤森, 下線部: 指導学生)

この内1件(*印の発表)で寺田彩乃さん(京都大学、M2)がOtto Hutzinger Student Awardを受賞しました(写真上)。同賞は若手研究者(近年では博士後期課程までの学生)を奨励する目的で創設されたもので、POPs研究分野では象徴的な賞といえます。受賞対象となった「プラスチック焼却によるダイオキシン類の非意図的生成」に対して今後も研究に励みたいと思います。

一方、京都大学の高岡昌輝先生との共著で「XAFSを利用したダイオキシン類生成メカニズム研究の進展」について依頼講演をしました(写真下)。2000年代以降から現在に至るまでの、我々の研究グループによる一連の成果を概観し、これまでの知見を整理する貴重な機会となりました。

2021/10/31 - 11/02 KEK-PF(BL-12C)での放射光実験

環境試料中のハロゲン量測定と、有機物か無機物かを識別する化学種同定を組み合わせた定量的スペシエーション研究の一環で、高エネルギー加速器研究機構(KEK)内のフォトンファクトリー(PF)で放射光実験を行いました。

KEK-PFでは利用申請が受理された上で、限られたビームタイム配分時間で効率よく測定をする必要があります。48時間を配分された今回は、海水・淡水環境から採取した底質コア中の臭素(Br)のX線吸収微細構造(XAFS)をビームライン12C(BL-12C)で測定しました。

写真は底質試料の測定風景です(Br K-edge XANES、蛍光法、7素子SDD)。測定には藤森の他に、京都大学から3名(敬称略:伊藤、田中、塩田)が共同実験者として参加し、目的のデータ取得に励みました。今後は、龍大生が本研究関わることができるように学内手続き(RI新規教育訓練の受講、ガラスバッジの発給など)について検討していきます。

2021/10/25 - 10/27 第32回廃棄物資源循環学会

第32回廃棄物資源循環学会研究発表会岡山コンベンションセンター、岡山)に参加し、以下の5件を発表しました(太字: 藤森, 下線部: 指導学生)。

現地およびオンラインによる参加がどちらも可能なハイブリッド開催となりました。学会前の発表練習を経て、無事会場での発表を終えることができました。質疑応答や関連研究者との議論、今後の展望など、有益な情報交換もあり、実際に会って対話する重要性を再認識しました。

また、単独での講演機会を頂き、物質フロー研究部会の企画セッション「POPsの汚染実態と制御方策」にて、これまで取り組んできた新規POPsの分解処理に関する話題を提供しました。

2021/07下旬 - 08上旬 学会発表の原稿

第32回廃棄物資源循環学会研究発表会(10/25 - 10/27予定)で発表するために、2021年度から始めたPFOAの焼却試験の初報を原稿にまとめました。龍谷大学に着任して最初の研究成果のひとつです。半年に満たない期間で研究系の立ち上げ、実施、データの測定・解析までを想像以上のスピード感で進めることができました。

龍谷大学(齋藤直也君、藤森)が主となって京都大学での焼却試験、前処理操作、国立環境研究所でのPFOA等の機器分析までが連動して出すことのできた成果です。本サイトのResearch Policyで述べているハブとしての研究方針が活かせたと感じています。

同学会の発表会では他に「PFOAの分析法」、「プラ焼却によるダイオキシン類生成」、「ボイラ灰中の重金属と腐食の関係」についての発表も予定しています。

2021/07/16 焼却試験

本年5/13よりPFOAの焼却試験を進めています。実際の焼却処理を模したラボスケールの電気炉を使用します。

単純に熱をかけるだけと思われがちですが、精密に試料を炉内へ導入し、炉内の反応ガスを制御しています。また、焼却によって発生する残渣、粒子状・ガス状で炉内や配管に付着する成分(付着分)、排ガスなどに分けて試料を採取する必要があります。

写真は高純度のPFOA試薬を用いた実際の焼却試験の風景です。この試験後に、残渣、付着分、排ガスを拭き取り、フィルター、吸着剤、溶液などで計11種類の試料に分けて回収し、冷蔵保管します。

このような焼却試験を経た各種試料に対して先日紹介した前処理操作を行っています。

2021/07/12 - 07/13 前処理操作

2021年度から、フッ素系の残留性有機汚染物質であるペルフルオロオクタン酸PFOA: Perfluorooctanoic acid)の焼却による分解試験を進めています。

京都大学大学院工学研究科のある桂キャンパスCクラスター内の実験設備にて、PFOA焼却処理後の各種試料に対して、機器分析を実施するための前処理操作を実施しました。

国立環境研究所の松神秀徳主任研究員の指導の下、液体や固体試料の前処理フロー全般を習得することができました。

写真は分析の目的成分であるPFOAをカートリッジへ吸着させる実験操作の風景と、PFOAを含む粗抽出液をカートリッジに通過させる際に使用する固相抽出用吸引マニホールドの上部を拡大したものです。

2021/06/01 - 06/03 第29回環境化学討論会

第29回環境化学討論会(千里ライフサイエンスセンター、大阪)に参加し、以下の5件を発表しました。主に京都大学で指導している学生さんとの研究について発表しました(太字: 藤森, 下線部: 指導学生)。

この内1件(*印の発表)で伊藤健登君(京都大学、M1)が優秀発表賞(ウェリントンラボラトリーズジャパン賞)を受賞しました。写真はハイブリッド発表におけるZoom画面および授賞式の様子です。

藤森は本討論会の実行委員として、会場の運営やとりまとめに携わりました。会場とWeb両方で参加可能なハイブリッド形式での学会運営は本討論会初の試みでした。