Seminar
ゼミの方針
通年で研究室における研究活動を管理・運営し、かつ、経年的に持続可能にする仕組みの一環としてゼミを開きます。以下では修士課程、3年生後期、4年生前期・後期、修士課程までの流れを記載します。大学院まで進学を考慮した場合でも、すこしでも早い研究着手のメリットが大きいと考えています。したがって、早ければ3年生後期のゼミにおいて研究活動を開始できるようにします。将来的には大学院生を含めた有機的なゼミを通じて、研究テーマ、経験、技術、人的ネットワークなどを強固で多様性あふれるものにしていく計画です。
2024年度より修士課程の学生数が4名に増えるため、より具体的なゼミの時間帯を設定しました。学部生の積極的な出席も推奨します。
修士課程
修士課程の学生は「先端理工学基礎演習I・II」(先端理工学研究科)を前期・後期のゼミに設定します。修士論文を仕上げるために「環境科学特別研究(前後期・集中)」の登録も忘れずに。
修士課程では卒論時の研究を応用・発展させ、より専門的かつ主体的に研究を進めてもらいます。各自が研究の主役となり、実験、文献調査、対外的な連絡や交渉、共同研究者との協力、学会発表、論文執筆など多岐に渡る内容を積極的に展開してもらうことが求められます。
開講する曜日・時間、形式は以下を基本として設定します。2024年度は学部生のゼミの1時間前として試行的に運用します。
曜日・時間:火曜 10:00~11:00(前期)※、金曜 10:00~11:00(後期)
※火曜1Qに「先端理工学研究」があるためM1は12:30~13:00に変更
形式:対面、オンライン(状況に応じて)
4年生前期・後期
4年生は「セミナーII」を前期、「セミナーIII」を後期のゼミに設定します。基本的に3年生後期ゼミを、研究向けに延長・発展させた内容になります。
4年生は配属先研究室において「セミナーII(前期・集中)」、「セミナーIII(後期・集中)」を受講登録してください。また、卒業論文を仕上げるために「特別研究(通年・集中)」の登録も忘れずに。3年生後期で決めた研究テーマを具体化して、実際に研究を進めて行くフェーズに入ります。ゼミでは研究計画、研究実施、経過報告といった基本的な機能(進捗報告)と、学会発表の練習、個別での研究打合せなど臨機応変に対応する機能(個別ミーティング)とを両立して進めて行く予定です。
テーマによって進度が違います。「早い遅い」は「良し悪し」ではありませんので、それぞれの状況に応じて研究を展開していきます。プロジェクト付きテーマの場合、3年生後期から実験を始めているケースがあるため、最初からゼミでの発表では実験方法や結果の報告ができる状態にあります。一方で、個人テーマでは計画が具体化され、研究実施の目途を立てることが最初の目標になります。
開講する曜日・時間、形式は以下を基本として設定します。
曜日・時間:火曜2限 11:00~12:30(4年生前期)、金曜2限 11:00~12:30(4年生後期)
形式:対面、オンライン(状況に応じて)
4年生後期のゼミは3年生後期のゼミと可能な限り同時開催するようにします。後輩のゼミ発表の指導や貴重な交流機会となるため、同時開催のメリットが大きいと考えています。
3年生後期
後期は3年生が研究室配属されるため、以下の方針でゼミを運営します。以下で「見え消し」部分は旧カリの内容です。
3年生の研究室配属時の選択科目である「セミナーI(金2)」にゼミを開きます。3年生後期のゼミでは、準備、テーマ決め、文献調査、研究報告、まとめの各フェーズに分けて進めていく計画です。最低限の目標は研究テーマを決定することです。4年生のゼミと同時開催するので、3年生にとっては研究室の先輩とコミュニケーションをとる良い機会になると思われます。
研究活動自体の進め方は個々人の裁量に依存します(表現を変えれば「自由」です)。ただし、プロジェクト付きテーマの場合は、全体の計画に応じて実験が必要になることもあります。本人の知的好奇心や研究への姿勢に応じて、研究活動をサポートします。
曜日・時間:金曜2限 11:00~12:30
形式:対面、オンライン(状況に応じて)
※以下、( )内はゼミの回数の目安
準備(1-3):研究活動を始めるための準備として、実験ノート・白衣等の支給、必要書類の準備、研究を進める際の注意点、研究室の使用(鍵、Wifi、プリンタ等)について説明します。
テーマ決め(4-6):研究テーマを決めてもらいます。提供可能なテーマを提示します。選択するテーマは、進行中の研究プロジェクトから提示するテーマ(プロジェクト付きテーマ)でも、配属者本人が希望するテーマ(個人テーマ)でも構いません。研究室全体のテーマのバランスをみて設定していきます。希望が重複した場合は、同一テーマ内で扱う対象を変更する等して、できるだけ希望に添えるよう検討します。学外の実験をするテーマの場合は、保険加入や必要書類の準備を進めます(Tips参照)。
文献調査(7-10):自分が進める研究テーマに関する文献調査を進めます。文献の調べ方についてノウハウを教えます。調査結果をまとめてプレゼンテーションによる報告をしてもらいます。各回で2名発表を予定します。報告に対して出席者から質疑応答をします。
研究報告(11-14):研究テーマに関する実験や調査の進捗をまとめ、プレゼンテーションによる報告をしてもらいます。ゼミの研究報告は「途中経過」を報告するもので、一種のペースメーカーです。各回で2名発表を予定します。報告に対して出席者から質疑応答をします。
まとめ(15):研究テーマに関してゼミを通じて整理した内容をレポートとしてまとめる。卒論前の文章をまとめるトレーニングとして位置付ける(プレ論文)。レポート内容に関する質の優劣は、この段階では問いません。内容が優れている場合、4年生で学会発表や論文化を奨励することもあり得ます。
2021年度 3年生後期ゼミの進行例
2021年度の3年生後期ゼミの進行例を以下に記します。要点になる部分を太字で強調してあります。
上記準備事項ほかに集合写真を撮りました(2021/09/24)。
ゼミの代わりに課程全体の3年生を対象に開催された「安全講習会」を受講してもらいました(10/01)。この時点でテーマが確定した学生がいたため「学研賠」の加入や「依頼書」の準備を進めました。
個別面談を実施してテーマの具体的な希望を聴取しました(10/08)。プロジェクト付きテーマか個人テーマか、工学か生態かで区切った図を用意して興味あるテーマのカテゴリ分けをしました(個人2/プロジェクト4/両方2、工学7/生態1)。結果として大枠での研究テーマの方向性が定まりました。
文献調査のやり方について説明しました(10/15)。データベース、論文誌、論文のタイプ、保管方法などについてWebページを共有しつつ解説しました。今後は龍大のネットワーク経由での英語論文の入手を試みてもらうことにしました。学外からの接続方法が分かりました(10/19追記)。
学外から龍大のネットワークに接続するテストを実施しました(10/22)。論文の著者、文献引用の書式や引用ルールについて詳しく解説しました。今後は英語論文をひとつ入手し、その要約と文献リストの作成について周知しました。
個別面談2回目を実施して必要事項の伝達と今後の計画を調整しました(10/29)。安全講習会の修了証、保険の加入証明書、依頼書、謝金関連の書類などを個々に応じて配布・説明しました。11月は研究活動に取り組む期間としてもらい、途中で報告会を設ける予定としました。
各自で実験、文献調査、内容の検討など段階に応じて研究に関連する活動期間としてゼミ3回分を設けることにしました(11/12、11/19、11/26)。
「報告会」を実施しました(12/03)。初めてなのでプレゼン形式は自由とし、発表者・質問者を設けて議論の場を設けました。
文献調査能力の涵養を目指して英語論文を調査・精読し、プレゼンにまとめてもらう期間にゼミ3回分を充てることとしました(12/10、12/17、12/24)。
年明けに「英語論文報告会」を実施しました(2022/01/07)。英語論文を探し、読み込み、整理してプレゼンすることが第一の目的です。次に、ただ読むだけでなく自分の関心と連動した文献調査を意識してもらうため、読んだ論文から自身が得たフィードバックも発表してもらいました。最後に、論文執筆の上でとても大切な論文引用の書式について細部まで添削し、正しい引用ルールを学んでもらいました。2021年度のゼミのハイライトとなる発表になりました。
英語論文報告会で指摘した論文引用を修正した完成版のプレゼン資料を提出してもらい、ゼミ終了としました(01/14)。
2022/03/31追記 2021年度後期のゼミを終え、その後の研究活動で実験データを取得し、4年生に上がる段階で学会発表をすることになった学生が3名(8名中)います。いずれもプロジェクト付きテーマであるため、共同研究者の協力もあり比較的スムーズに研究の計画および実施ができたためです。個人テーマの場合、計画をきちんと立てることが最優先であるため、4年生が始まった時点で具体的な研究活動が始まるように進めて行きます。
2022年度 4年生前期・後期ゼミの進行例
2022年度の4年生前期・後期ゼミの進行例を以下に記します。要点になる部分を太字で強調してあります。後期ゼミは3年生も含めた内容としています。
前期
前期初回のゼミではゼミ運営の基本方針やスケジュールについて説明しました(2022/04/12)。学生主体の運営方針を掲げ、ゼミ係、研究室係、イベント係の役割分担を決めました。説明後、個別ミーティングを一人ずつ短時間実施し、今後の研究の進め方について相談しました。
研究活動に充てる1回分を設けました(04/19)。この間、プロジェクト付きテーマの学生の多くは学会要旨を作成しました。個人テーマの学生とは必要な物品を検討し、業者への見積・発注など随時準備を進めました。ゼミ係から発表に関するアナウンスがありました。
1回目の「ゼミ発表」を開催しました(04/26)。発表8分、質問4分とし、質問者を設けました。ゼミ係による司会進行、タイムキーパーの割当がありました。プロジェクト付きテーマの学生からは実験方法や結果、個人テーマの学生からは研究計画や準備状況に関して報告がありました。4月下旬のため、スムーズな研究実施に向けて研究に必要な物品の準備や補充をしました。
2回分を研究活動に充てる期間としました(05/10, 05/17)。
2回目の「ゼミ発表」を開催しました(05/24)。
3回分を研究活動に充てる期間としました(05/31, 06/07, 06/14)。一部の学生は学会発表がありました(06/14)。
3回目の「ゼミ発表」を開催しました(06/21)。この時点で、個人テーマの学生も準備・計画を終え本格的な研究活動に入る段階となりました。
2回分を研究活動に充てる期間としました(06/28, 07/05)。
4回目の「ゼミ発表」を開催しました(07/12)。
1回分を研究活動に充てる期間としました(07/19)。
前期最終回として「前期まとめ」のゼミ発表を行いました(07/26)。これまでの研究活動のまとめと今後の計画について報告してもらいました。卒業論文の完成を見据えたスケジュールについての共通認識を深め、文献調査および文章化を意識的に進めてもらうよう説明しました。
後期
後期初回のゼミは、3年生と合同開催とし研究紹介も兼ねてプレゼンおよび質疑をしました(09/30)。また、研究室メンバーで集合写真を撮りました。
藤森の事情(出張や実験等)で3回分は調査期間として空けました(10/07, 10/14, 10/21)。
4年生は進捗報告と卒論要旨や執筆計画について情報共有をしました(10/28)。3年生はゼミの時間に「安全講習会」を受講してもらい、希望者に対して午後の時間帯で個別面談をし、大枠の希望を把握しました(個人3/プロジェクト2/両方2、工学5/生態0/両方2、不明1→後日個人1)。
3年生を対象に個別面談をし、テーマの掘り下げを行いました(11/11)。4年生は予備審査会に向けた卒論要旨の準備を進めてもらいました(11/11, 11/18の2回分)。
研究テーマの具体化する調査期間を設けました(3年生: 11/18, 11/25の2回分)。
予備審査会直前の4年生を対象に発表練習および今後の卒論各章の提出期限について連絡しました(11/25)。1か月程度、研究調査および卒業論文の執筆期間にあてました(12/2から12/16までの3回分)。
現時点で可能な限り具体化した研究テーマについて報告会を開催し、3年生にプレゼンテーションをしてもらいました(12/2)。発表後、英語論文の調査方法や論文形式について簡潔に伝達し、年明けの報告会まで調査期間を設けることとしました(12/9から1/6までの4回分)。
4年生はゼミ発表をしました(12/23)。今後、研究の完成に向けて卒業論文の「結果と考察」を重点的に進めてもらいます。提出日まではゼミは開かず、発表会直前の2/1に発表練習を開くことにしました。
3年生を対象に「英語論文発表会」を実施しました(2023/01/13)。※3年生後期ゼミ(上記)を参照。
4年生に卒論発表会直前の発表練習をしてもらいました(2023/02/01)。内容の確認、質疑応答への準備など、本番に向けた最後の仕上げとしました。