集中講義「確率的な熱力学と情報幾何」

-Zoomによる集中講義です。

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【講師】   伊藤創祐先生(東大理学部 生物普遍性研究機構)

【題目】   確率的な熱力学と情報幾何

【日時】 2021年 1月12日(火)13:30  -  16:40

                                 1月13日(水)  8:50  -  16:40                          

                                 1月14日(水)  8:50  -  12:00

【概要】

確率的な熱力学とはマスター方程式で記述される確率過程において, エントロピー生成といった非平衡系の熱力学量を導入することにより, 熱力学第二法則などの熱力学法則を考察する分野であり, 細胞内での生化学反応やコロイド溶液中のブラウン運動などのメゾスコピック系のエネルギー論として考察されている. 今回の講義では確率的な熱力学を導入するとともに, 確率を用いた幾何学である情報幾何による手法を紹介する.

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【セミナー】

1月13日(水) 15:30-

Title: 情報幾何学を用いた情報熱力学第二法則の定式化


Abstract: 

集中講義では主に情報幾何学と確率的な熱力学の関係について講義を行う予定であるが、の集中講義内でのセミナーではその具体的な応用例として、相互作用する二体系に着目したときのケースについて紹介を行う。

相互作用する二体系は自律的なMaxwellのデーモンと呼ばれる文脈で様々な熱力学的な議論が行われており、

我々はこれまでに情報の流れの効果を含んだ熱力学第二法則(情報熱力学第二法則)を導出してきた(例えば[1,2])。

今回のセミナーではこの情報熱力学第二法則の導出も、情報幾何学の射影の観点からも理解できること、

また新たにエントロピー生成に関する相加性の破れがstochastic interactionと呼ばれる統合情報量の一種で特徴付けられたこと[3]を紹介したい。


[1] Ito, S., & Sagawa, T.  Information thermodynamics on causal networks. Physical review letters, 111(18), 180603 (2013).

[2] Ito, S. Backward transfer entropy: Informational measure for detecting hidden Markov models and its interpretations in thermodynamics, gambling and causality. Scientific reports, 6, 36831 (2016). 

[3] Ito, S., Oizumi, M., & Amari, S. I. Unified framework for the entropy production and the stochastic interaction based on information geometry. Physical Review Research, 2(3), 033048 (2020). 





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