セミナー予定

講師   小渕智之氏 (京大情報)

題目 関係性の有無を簡単な統計モデルで判断して良いのか?:逆イジング問題を雛形とした統計力学的アプローチ

日時 11月10(木) 13:30-   (サイバーメディアセンター豊中 6Fセミナールーム)

要旨

データ生成過程が自明でないとき,線形モデルのような簡単な統計モデルでとりあえず解析するということは実際多い.これに仮説検定やスパース正則化の手法を応用すれば重要な変数の選択も可能である.しかし,誤っていることがほぼ確 実な統計モデルを利用した変数選択は本当に信頼できるのだろうか?本講演では,逆イジング問題(ボルツマンマシン学習)を雛形として,演者らがこの問を考察した結果を紹介する.逆イジング問題とは,バイナリ変数が非線形な相互作用をしているモデル(イジングモデル)の相互作用変数を,データ(=バイナリ変数の列)から当てる問題である.このデータにあえて線形回帰を適用し結合推定を行う.その推定精度を統計力学的手法で解析した結果,上述の問いに対する肯定的な答えが得られたばかりでなく,変数の有無に関する推定精度は,より適切な統計モデルを用いた場合と遜色ないということが明らかとなった.講演では,これらの結果を概観すると共にデータ解析におけるその帰結を議論したい