交配から1年ほど経つと実が熟すので、実から種を取り、播種します。みかんは発芽率が高いので、特に工夫せずまいてもまったく問題はないのですが、種を包んでいる皮を取り除くことにより発芽率がより高くなります。その方法を以下では紹介します。
みかんの種はよく見ると二重の皮に覆われています。一番外側のごつごつとした皮は種皮、二番目の皮は内種皮と呼ばれています。必ずしもこれらを取り除く必要はありませんが、種皮には果肉がついており、そこから種が腐敗することがあるため、私は取り除くようにしています。種皮を取り除くことによって、発芽までの時間も少し短くなります。種皮は簡単に取れますが、内種皮はぴったりくっついているため取るのにやや手こずります。小さなカッターなどを使うと少しは取りやすくなると思います。このように種子の皮を取り除くことができたら、濡れたティッシュの上に置き、発芽を待ちます。2週間もすると根が伸び始めます。ここで来るともう腐る心配はなくなるので土に移植をし、発芽を待ちます。植える時は、全部を土に埋めるのではなく、少しだけ種の表面が出るように埋めるようにし、種が腐敗するのを防ぎます。
種をまく鉢はなんでもよいのですが、後々に接ぎ木をすることを踏まえると、小さな鉢に一つずつ種をまいた方が効率的です。大きな鉢に複数まくと、接ぎ木の際、移植しなければならず、木を疲れさせてしまいます。私は、色々試した結果、紙コップの底辺に穴を開けたものを鉢代わりに使う方法にいきつきました。夏場は水やりが少し大変ですが、重くもなく、また大きすぎないので作業効率がとてもよくなります。