第5回 舞台探訪さみっと IN 竹原

B T S 2 0 1 2

= D A T A =

  • 2012年07月14日(土)15日(日)
  • 参加者:55名
  • 場所:広島県竹原市町並み保存地区
  • 第1部会場:旧笠井邸
  • 宿泊場所:ホテル大公苑
  • オプショナルツアー:竹原市内・大崎下島(たまゆら)・尾道市内
  • 運営形態:中四国支部主導の運営チーム

舞台探訪者コミュニティ(以下、BTC)では年に一度、全国のメンバーを一堂に会した「サミット」が開催され、有志による活動報告や年間を通じて優秀な活動をされたメンバーの功績を讃えるアワードの授賞式が行われます。

初年度(2008年)は木崎湖(おねがい☆ティーチャー、おねがい☆ツインズ)。翌年は白川郷(ひぐらしのなく頃に)。2010年は鷲宮(らき☆すた)。2011年は京都(けいおん!他)といったように、舞台探訪者の集まりに相応しくアニメや漫画の舞台背景となった地域で開催されるのが特徴で、5回目となる今年は2012年7月14日(土)~15日(日)の2日間に渡って安芸の小京都、広島県竹原市にて開催されました。

竹原はOVA「たまゆら」、TVアニメ「たまゆら~hitotose~」で主人公ぽって(沢渡楓)達の暮らす町として登場しました。江戸時代中期に製塩業と酒造業で栄えたこの町には、当時の商家の面影を今に伝える「町並み保存地区」があり、サミット第一部の会場はそれらの伝統的建築物の一つである旧笠井邸の二階を借り切って開催されました。「たまゆら~hitotose~」の第12話で、ぽってたちが手作りの展覧会「私達展」を開いた場所がここです。

7月14日土曜日。全国から竹原を目指してやってきたBTCメンバーが旧笠井邸に続々と集まってきます。今回の参加者は全部で53名。旧笠井邸二階の床面に特設の長椅子を設置し、プロジェクターやマイクをセッティングして、サミット第一部の準備を整えます。詰めかけた大勢の人で熱気は上がる一方。旧日本家屋である旧笠井邸の二階には空調設備がないため、扇風機を回し、窓から風を入れて、熱中症に気をつけて水分補給を欠かさないで下さいと注意を呼びかける声が飛び交います。

開始時刻の13:00になりました。

司会進行役を務める中国四国支部のRONさんの開会宣言に続き、都合により第一部には参加できない本部長ハブさんに代わって、副本部長のMinkyさんから諸注意事項の連絡と、当サミットの準備を半年以上も前から進めてこられた中国四国支部メンバーの紹介があった後、いよいよ「第5回舞台探訪サミットin竹原」が始まりました!

最初のコーナーは「活動報告会」です。

今回は4人の発表者の方々に、舞台探訪に関連するご自身の活動内容や得意分野のノウハウについて発表して頂きました。

発表の一番手は、まほろんさん。テーマは「舞台の特定方法」

作中に隠されているヒントから舞台を特定する具体例や、画像ファイルを種類別(公園別、建物別、神社別etc.)に保存しておいて、いざという時にすぐ検索できるような効率的な情報整理の仕方など、作品の舞台をいち早く特定するためのテクニックのあれこれをご紹介頂きました。

二番手は、せのたさんの登場です。テーマは「海外探訪のすすめ」。海外部会の発表ということで、たちきちさんもヘルプで登壇されます。

せのたさんからは、アニメに登場した海外舞台の作品の歴史を辿りながら、海外を探訪する際のホテルや航空券を予約する上での裏ワザなど、今すぐ参考にできるノウハウを語って頂きました。そして現在、鋭意準備中の「BTC海外支部」発足に向けて『いまや舞台は地球規模に拡大しています!』との力強いメッセージが添えられました。

続いて、くまたかさんの「舞台探訪と写真撮影」の発表です。

カメラの機構やレンズの特性を上手く活かした探訪写真の撮り方について、プロフェッショナルなテクニックを幾つも紹介して頂きました。キーワードは「光と影」「露出をあやつろう」。ヒストグラムでの確認の仕方など、普段なかなか知る機会のない専門知識の数々に誰もが食い入るように聞き入っています。

最後の発表は、tankさんの「舞台に移り住むということ ~とある代表の経験~」です。

今年の春に故郷の京都から「true tears」の舞台である富山県南砺市城端へ移住されたばかりの有志会代表であるtankさんに、移住に向けての決意から実行に至るまでの興味深いエピソードを語って頂きました。

さて、ここからは「舞台探訪アワード2011」の発表です。

アワードは、事前にmixi舞台探訪者コミュニティのサイト内で募集されたメンバー投票の集計結果に基づいて表彰されるものです。

さて今年は一体誰がどの部門を受賞するのでしょうか?

まずは「舞台作品ランキング」の発表です。詳細はこちら参照

これは2011年1月~12月の期間にTV放映や劇場公開されたアニメ作品、あるいは同期間に発表された漫画・ゲーム・ラノベ等の中から、とりわけ印象深い舞台背景が登場した作品をメンバーの投票によって選んだものです。単純な作品投票にならないところが、BTCらしいと言えるでしょう。

そして今年、1位に輝いたのは「あの花の名前を僕たちはまだ知らない。」でした。

作品内容の素晴らしさもさることながら、秩父の町並みを丁寧に描写したこの作品は舞台探訪者の大きな関心と注目を集め、放映直後から多くの人が秩父の町を訪れました。

ちなみに2位は「たまゆら」、3位は「花咲くいろは」という結果でした。

→詳細についてはこちらを参照してください。

続いて「地域貢献・作品賞」の発表です。

この賞は、舞台探訪者の視点から作品を使った町おこしや地域振興に特に尽力されたと思われる地域と作品を選出するもので、今回の投票では、

・「たまゆら」の舞台となった広島県竹原地区・神奈川県横須賀地区

・「花咲くいろは」の舞台となった石川県金沢市湯涌温泉・能登半島地区

の2地域が選ばれました。

表彰に当たっては両地域を代表する適任者・団体に授与するという趣旨の元、「花咲くいろは」については、北陸で数々の”伝説”(笑)を作ってきたゲストメンバーのひよこ軍さんに、「たまゆら」については、竹原で作品と協力した町おこしに取り組んでこられたNPO法人ネットワーク竹原の方にそれぞれ手渡されました。

「新人賞」を受賞されたのは、天狼星さん。

コミュニティ加入以前から積極的にネット上で活動されてきたキャリア充分の天狼星さんが新人賞!?という意外性にメンバー全員から笑いと容赦ない突っ込みの声が(笑)。でもその長年に渡る充実した活動の素晴らしさに誰もが惜しみない拍手を贈ります。

そして栄えある「大賞」を受賞されたのは、よしさんでした。

全国を駆け巡って舞台特定と現地取材を続けておられる姿はまさに獅子奮迅のごとき活躍ぶりで、強者ぞろいの舞台探訪者の中にあってもその成果は目覚ましいものでした。ブログに発表された記事の充実ぶりも含めて日々の功績が高く評価された結果でした。当日はお仕事の都合で不参加だったよしさんには後日、表彰状と副賞が贈られる旨の発表がありました。

よしさんの代わりに、ももねこ様が表彰状を授与されるというハプニングが(笑)。

次に各支部長が独断と偏見で選ぶ「支部長賞」の発表です。

これは各支部管轄の地域が舞台となった作品を積極的に取材し情報発信された舞台探訪者に贈られる賞で、今回受賞された方々は次の通りでした。


・北海道支部長賞 ゆとにゃんさん

・首都圏本部賞 めぐめぐ♂さん

・中部支部長賞 のぶさん

・関西支部長賞 ひでさん

・中四国支部長賞 まつやまさん


アワードの最後の発表は「個人賞」です。

この賞はBTCメンバー各人が個人的に賞をあげたいと思う人にお互いにエールを贈りあう目的で、勝手に賞を作って表彰してしまおうという企画です。中には舞台探訪とはまったく関係のない賞もあって、受賞理由と共に受賞者の名前がプロジェクターに映し出される度に笑いが起こります。爆笑につぐ爆笑に場内がどっと沸き返る中、「舞台探訪アワード2011」の受賞式は無事に終了の時を迎えました。


少しの休憩を挟んだ後、執行部からBTCメンバーへの周知事項ということで、関西支部長のセキさんから昨年度の会計支出報告と、関西支部で実施したフォトラリーイベントの結果報告。リジスさんの中国四国支部長の就任発表がありました。


続いてMinkyさんから舞台探訪に際してBTCのメンバーが留意すべき心構えについてのお話です。


ある植木職人が作業を終えて木から降りる時、屋根ほどの高さまで降りてあと少しで地面というところで、木登りの名人が呼び掛けた「注意して降りよ」という言葉。「目が眩むほど高い枝の上では人は自ら注意するので心配はいらない。うっかり落ちるのは、もう安心という高さになってからだ」という「徒然草」(第百九段)の教訓を引き合いに出しながら、舞台探訪というサブカルチャーの領域においてはトップランナーであるBTCメンバーが守るべき行動規範と情報発信のルールについて、今一度の注意喚起を行います。

「舞台探訪ルールの再確認」

・舞台を荒らさない

・住民に迷惑をかけない

・現地の行動は慎重に


「舞台のネット公開について」

・住宅地の写真については出来るだけ控えること

・故人が写真に写っている場合はモザイク修正

・対象地区の住民からの苦情には速やかな対処を

舞台発見の興奮に浮き足立ってBTCの存続を危うくするような非常識な行為をしたりしないように、あらためて自分の行動を振り返ってほしいというメッセージです。メンバー一堂、気の引き締まる思いで熱心に聞いています。

そしてサミット第一部最後のコーナーは、次回第6回サミット開催地のプレゼンテーション&投票です。次回サミット開催地の誘致を申し出た4人のプレゼンテーターに候補地のプレゼンをしてもらい、サミット参加者全員の投票で決定します。


エントリーされた候補地は、北陸・吉野山・九州・北海道の4地域。いずれも過去のサミット開催地とダブらない初めての場所で、BTCメンバーの期待も否応なく高まります。プレゼンは以下の順で発表されました。持ち時間は3分。

九州(Minkyさん)

・他の候補地がいずれも強敵ばかりというハンデの中、それでも舞台作品の豊富さと観光地としての九州の素晴らしさをアピールされました。


吉野山(ひでさんが本日欠席につきセキさんとUSO9000さん)

・動画を作成してのプレゼンです。「咲-saki-阿知賀編」のOPテーマ曲に乗せて吉野山の魅力をビジュアルで訴えかけます。


北陸(tankさん)

・数々の舞台に選ばれた実績に加え、北陸の海と山の幸を存分に堪能できるモデルプランをアピールされます。


北海道(ペディグリーチャムさん)

・トリを務める北海道も、北陸に負けじと舞台作品と観光・食の魅力を訴えかけます。


四者四様のプレゼンテーションが終わった後、メンバー全員に記入用紙が配布されて投票が始まります。開票の結果は夕食の宴会の席上で発表されるとアナウンスがありました。さて、来年のサミット開催地はどこになるのでしょうか?


こうして「第5回舞台探訪サミット」の第一部は盛況の内に幕を閉じたのでした。


この後、参加メンバー全員で旧笠井邸からの撤収作業を行い、当日の宿泊地であり、かつ第二部の分科会開催場所であるホテル「大広苑」へと移動します。チェックイン後は風呂に入る者、あらためて名刺交換し合う者。各人各様に時間を過ごしながら、やがて夕食の時間を迎えました。


会場は結婚式の披露宴などでも使われるホテル1Fの大宴会場です。10人程度で囲む大きめの丸テーブルがずらりと並んでいます。天井からは豪華なシャンデリア。そして前方のステージには…ああ、なんということでしょう(笑)、そこには「たまゆら」のメインキャラクター4人の等身大パネルが仲良く並んでいるではありませんか!

「うおあっっ!どこから調達したんだー!(笑)」

メンバー歓喜の絶叫が響き渡ります。会場に集まった誰もが我先にとステージに押し寄せ、カメラやスマホを向けています。正面左から右に向かって、かおたん→ぽって→麻音ちゃん→のりえちゃんの順番。これはいったいどういう趣向なのか!?


それは宴たけなわとなった頃、サミット開催地発表の段になって分かりました。4人のパネルの足元にはそれぞれ次回サミットの候補地の札が立て掛けられています。左から九州(かおたん)→吉野山(ぽって)→北陸(麻音ちゃん)→北海道(のりえちゃん)。

やがて会場の照明が落とされ場内が暗転します。司会進行のセキさんのドラムロールを模した声の中、光の矢のようなスポットライトが縦横無尽に駆け巡り、そして狙いを定めて最後に捉えたその人は…

北海道(のりえちゃん)!!!

そうです。第6回サミットの開催地は「北海道」に決定しました!!!

プレゼンテーターを務められたペディグリーチャムさん、北海道副支部長のぱふぇさんからそれぞれ喜びのコメントがあった後、支部長のおおいしさんには壇上の「のりえちゃん」と2ショットで次回開催に向けての抱負を語って頂きました。

宴の最後には本部長ハブさんも無事合流して、サミット参加者全員でたまゆらパネルと一緒に記念写真の撮影です。こうしてBTCメンバーの大宴会は盛況の内にお開きとなりました。


ここから先、各部屋での分科会形式の第二部が始まり、大広苑の夜はエンドレスで更けていったのですが、これはまた別のお話です。


(了)

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