M・デュシャン

Category:美術作品

図の上段:〇既製品の小便器を資材としている

図の中段:○小便器が道具から観賞用に読み替えられている

図の下段単体である上に、脈絡のある構造をつくっていない

違反事項

「美術館にサインした小便器を置く、ただそれだけで美術作品に。単体オブジェはブリコラージュじゃない。」


この作品はブリコラージュではない。

デュシャンの有名な作品である「泉」だが、小便器にサインをして美術館に置くことで、同じく水を思い浮かべる泉に見立てているかのような作品。要素が小便器のみとなっていて、単体・サイン」禁止にあたる。加えて、つくる構造の脈絡のなさを作品性としている側面もあり、これは「脈絡のない構造」禁止にあたる。これら二重の違反によって、この作品はブリコラージュと評価できない。

例えば、読み替えが起きていなくてもいいので、「トイレ」など同じ資材集合の中の他の資材と組み合わせ脈絡のある構造をつくり上げることができたらブリコラージュになるしれない。

しかし置く場所を変えるだけで小便器を道具から観賞用に読み替えていること(レディメイドのやり方)はブリコラージュの一側面としては評価できる。

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