アート化された失敗。笑
アート化された失敗。笑
芝浦大学の学生
Category:美術作品
図の上段:〇現場で使うペンキを材料としている
図の中段:○塗装用品から観賞用に読み替えられている
図の下段:✕単体である上に、脈絡のある構造をつくっていない
「こぼれてしまったペンキがアート化されてしまった。単体であり構造を持たないことからブリコラージュとは認められない。」
この作品はブリコラージュではない。
こぼれたペンキがトラテープで囲われることによって、誰も触れてはいけない、美術作品と化している。ペンキ単体で作品となっており、また出来上がった作品に脈絡を持った構造がないためブリコラージュとは認められない。
この現象について石川初さんは「デュシャンがしめ縄を持って歩いている」と表現した(詳しくは近日公開のコラムにて紹介する)。「折られた腕の前に」や「泉」で取り上げたマルセル・デュシャンは身近にある物にサインを加え、それを美術館に飾ることで作品としてみなした。つまり身近なものにしめ縄をかけることでそれ以上は誰も触れてはならない神聖な領域として区別してしまうのだ。この作品も「デュシャンのしめ縄」の一例である。