この日は盤洲干潟をまもる会の3名の方々にご協力をいただき、ご案内する回となりました。盤洲干潟をまもる会は、環境保護NPO団体で、この盤洲干潟の保全活動に30年以上携わっています。観察会やゴミ拾いなど、年間の行事も企画されているので、案内にも慣れています。まずは代表である高槻さんが干潟の地形を解説。ツアーでは野鳥を中心とした観察の機会を与えてくださいました。高槻さんは中学の理科の先生でもあります。※盤洲干潟をまもる会→https://sites.google.com/view/banzu-tidalflat/
家族でご参加された方が多い回で、子供たちも虫取り網や魚をすくうタモをしっかり準備していました。50分という時間で生物を観察する時間が取れるか心配しましたが、もうすぐ前浜という塩分の強いクリークで湯谷さんがハゼを捕まえてくれました。湯谷さんは地元の高専の教授で、この干潟の本格的調査にも関わられています。
そして干潟ではマメコブシガニを。15種類を超えるカニが生息していますが、このカニは珍しく、横ではなく前に進みます。
陶さんは有機農法の新規就農者として10年以上前に木更津に来られた方とのこと。この方も研究者です。前浜に生えるコウボウシバについて解説されています。
様々な生物に魅了される中で私の作品についても解説。底生生物の在りかを示すゴルフフラッグのこと、土地を越境しながら浜辺へ導かれる形である伝統的なゴルフコース=リンクスのこと。起源としてのゴルフは耕作地と労働者という土地と人間の結びつきを忘れ、越境し、別の風景へと導かれる。そんな娯楽だったのかもしれません。ゴルフをモチーフにしたことには、干潟をそのような視点で見てみようという考えがありました。
広大な干潟の遠景は工場地帯、アクアライン、富士山、大型ホテルなど、見る方向によって様々。決して水平線にはなりません。こうした遠景の存在が、ここを思考を生み出す風景にしている。そう思っています。
素晴らしい専門家集団である干潟をまもる会の皆様、年に何度かの観察会やゴミ拾いの機会にまた参加させていただき、今後も何かと教えていただきたいです。
Tour staff: Kanata Nagate(Photo)