2023.06.24
この干潟は東京湾口西側、正確には東京湾から外れるのだが、遊漁船で賑わう三浦半島の漁港の端に位置する。観察目的と思しき方と少し時間を共有。みんな干潮の時間を調べて訪れる。澪筋と言われる川の筋を遡ってみることに。季節柄、相当背丈が高くなった葦の間を30mほど遡ると進路を阻まれ、引き返す。TF01よりは干潟が柔らかいが、埋まって抜け出せないというほどではない。生き物はまずおなじみのウミニナ。干潟を歩くとどうしても踏んでしまうことに気を遣いつつ歩く。そしてここのアシハラガニは比較的小さいが、揃って穴から出てきて一斉に爪を振りかざす(縄張りを主張する行動らしい)。 人工物は牡蠣の付着したコンクリート杭や塩ビパイプ、金属パイプ等。何かの目的で設置された棒状のものが多いが、この干潟も保全のためのNPO活動がしっかりとあるようで、ゴミは少ない。NPOのサイトを参照すると、なるほど、川からの土砂の堆積で約50年間で数十メートルほど満潮線が海側に延びているとのこと。そして50年前の写真では葦のすぐ奥に小さな水田が見受けられ、小さな谷戸のようだ。葦などの植生が、その境界を保護しているのか、これだけ海水と至近距離の水田は初めて。ところで海岸沿いの陸地はどこから算入されるのだろうか。と今更気づいて調べてみると、干潟は陸にも海にも属していないということになるのか‥
(以下、海上保安庁サイトより)私たちが住んでいる市町村、都道府県や国の間に境界があるように、海と陸の間にも境目があり、海岸線と呼んでいます。海岸には常に波があり、潮が満ちたり引いたりしますので、絶えず、その海岸線の位置は変わります。そこで日本の海図では、海面が満潮時の「最高水面」と呼ばれる海岸線を、海と陸との境界と決めております。「最高水面」というのは、その場所において年間通じて、満潮の高さや時間を観測した結果、もうこれ以上には海水が上がってこないであろうと考えられる海面のことです。ところが、わが国では、重要な領域(領海など)を決める基準となる線は、満潮とは反対の干潮(低潮)の時、すなわち、もうこれ以上には海水が引かないと考えられる海面(最低水面)を基準とした線で(領海など)決定しています。これは海岸線とは呼ばず、低潮線と呼んでいます。この低潮線と海岸線との間には、高潮時には海になり、低潮時には陸になる干出(かんしゅつ)と呼ばれる部分があり、干潟(ひがた)と呼ばれる場所もそのひとつです。また、このような大切な基準を決めるため、海上保安庁では全国の海岸に験潮所を設置して、潮の満ち引きの観測を行っております。