この日はゲストにアーティストの山田悠さんをお迎えして干潟を歩きました。山田さんは太陽や月の動きを反映したインスタレーションや写真作品など、様々な場の環境に寄り添った制作で活躍されています。早速展示会場前のメダカに惹かれて観察する山田さん。※山田悠さんWebサイトhttp://harukayamada.net/
バスが着く干潟ゲートから前浜に出るまで500mほど湿地を歩きます。この干潟は潮が引いて現れる砂質の干潟と後背湿地の両方が残っているところに大変貴重な特徴があります。コースの序盤、川沿いのクリークでチゴガニを観察。チゴカニは音ではなく動作に警戒してすぐに穴に隠れてしまいますが、皆でじっとしていると再び姿を現し始めます。
以前は何か設置物があったのか、コンクリート瓦礫に遭遇。瓦礫を作品の材料とすることもある山田さんと元の形を想像しながら話しました。
発見の時点で瀕死の状態だった亀、皆で心配するも淡水の水辺は遠く、何もしてあげることができませんでした。干潟で生物の死に直面したり、生命の誕生に突如遭遇したりすることは少なくありません。
参加者の中にはアーティストも多かったため、自由散策の時間もとった回でした。
フラッグについて解説中。山田さんのアイデアで、途中で棒を拾って手にしています。棒(道具)を手に持つことで、地面を弄ったり、環境との接触が起こりやすかった気がしました。
山田さんはレジデンス経験も豊富で、地域の方と協力して何か作ることにも慣れています。作品を通した対話だけでなく、道中での丁寧なコミュニケーションが際立ちました。今度はぜひ実制作で訪れて欲しいと思っています。
Tour staff: Kanata Nagate(Photo)