装飾音 (agrément アグレマン仏)
装飾音は,上向きの小さな音符で記し、その小音符と主要音との間は slur
結ばれます (ときには slur のない場合もあります)。
古典派までの曲にしばしば見られる小さな音符で書かれた音は, harmony
と関係のない音なので,装飾音というよりは,それが非和声音(和声外音)であることを明らかにしたものです。
(和声音というのは、いわゆるドミソとかドファラとかの和音ですが、和声法という音楽理論の中では、曲は全て和音から成り立つとしています。しかし、すべてがすべて和音で表せるわけではありません。その為和音以外の物には、倚音、経過音、刺繍音など特別な名前が付されています。)
Bach 以前の前打音は、実際に奏される長さと関係なく小さな8分音符を用いていました。この時代の小音符は,主要音符と同じ長さか、あるいはそれより長い奏法でした。また,休符を無視したような奏法も当時は行なわれていました。
18世紀後半からは、実際に装される長さを小音符で記すようになりました。
その後間もなく普通の音符で正確に記すようになった。Mozart の時代は、ちょうどその過渡期にあったため、装飾の記譜法が混乱しています。きをつけてね。Bach 以降の記法と奏法は、このようなものです。主要音符と同じ長さか、あるいはそれより短くすることが多くなりました。
19世紀に入ってからは、★印以外の装飾記法は姿を消してしまいましたたが、いずれにしろ前打音の特徴は,小音符の非和声音に accent がつくことです。
演奏に生かしてみて下さい。
19世紀には、非和声音を短く奏する前打音が流行、やがて小音符に斜線が
ついて,装飾機能を持った短前打音に発展しました。
(長)前打音は、いかに短く演奏されるものでも小音符に アクセントがつくのに
対し,短前打音は,主要音に アクセント をつけるのが特徴です。奏法はとても
に短く,拍の上で演奏する(古典的)のが原則。拍 に先行する演奏法もあります (近代的)。
主要音の前が2個以上の音で装飾された音符のことです。この小音符は 拍
の上で演奏するのが原則であるが, 拍に先行する奏法もあります。いずれにしろ
アクセントは主要音にです。
検打合は前打音の一種で、前の音を長く延ばし、後の音をできるだけ短く
演奏することを記号化したものです。古典派までの作品には見られます。その後は トリルの締めくくりにのみ使われます。