とは、スケール(音階)をつくっている音の相互関係のこと。 音楽で使う「音」と音の幅関係を, 音響的・数学的に決めたものを「音律」 ( music temperament ) と呼びます。( 規定された音を鍵盤に並べた楽器がピアノ, 楽曲を規定された音を 使って記録したものが楽譜。) 「音律」では, 各音の絶対の音の高さではなく相対的な音の高さが基礎となっています。つ まり, 音の振動数そのものより音の比率が問題になるのです。
実際の楽曲は, 音律からさらに幾つかの音を選び出して, それを主に使う。使われてい る主要な音を, 1オクターブ内に音の高さの順に階段的に並べたものを「音階」 ( scale ) と呼びます。
1.純正律
音律は、B.C.6世紀ころにピタゴラスによってうみだされたピタゴラス音律なるものがありました。いい響きをもとめて純正律というものが考え出されたのです。様々な音律については、記譜法歴史の時に、さらにくわしくご紹介します。
しかしピアノのようなピッチが決まった楽器が、転調や移調ができなくなるので、今では、高さ低さが自由になる人声や楽器での目安としてつかわれています。
2平均律
純正律が考えられた一方で、和音にすると音が合わないピタゴラス音律を改良された音律が16C~18Cにかけて用いられて中全音律といわれています。
それでも、色々と都合が悪いため、この欠点を改革したものが生み出されました。それが12平均律です。
12平均律はオクターブを12の半音に平均等分したもので何調を演奏していても良い響きをえられるのが特徴です。16,17C頃からこの理論が勧められてきましたが、J.S.Bachがそれを定着させる意味で、平均律クラヴィアー曲集を作曲したことにより、多くの人に知られ広められるようになりました。しかし、これが定着するのは19Cの後期にはいってから(古典派後期)でした。
ちなみに、VIOL属のように、フレットを要する楽器においては、早くから平均律が設定されていた形跡があるそうです。
通常、音楽はリズム、メロディー、ハーモニーによって成り立っています。右にある通りです。
純正律にせよ平均律にせよ、相対的な音色によって大抵の場合音楽が作り出されています。それ以外は、特殊なものです。