25

売られた怪盗

 真っ暗闇の中、怪盗はホテルでシャワーを浴びていた。シャワーの水が温かったから怪盗は仲間に裏切られたことを悟った。いったいどういうことだろう?

答え

 ホテルの最上階には宝石が展示されている。しかし、宝石が展示されている部屋には赤外線のセンサーが何重にも施されていてしかも警備員も多く配置されていた。怪盗とその仲間の計画ではホテル全体を停電させて赤外線センサーを切り、暗闇に乗じて宝石を盗むはずだった。


 怪盗が部屋でシャワーを浴びている時、計画通りあたりが暗くなったがシャワーの温度が変わらないことに怪盗は気がついた。給湯器(ホテル用の電気温水器)の電源が落ちていないのだ。ホテル全体の電気を落とすという計画を反故にされた怪盗は次のように推理した。仲間が自分を騙そうと自分の部屋の電灯だけを落としているのだと。仲間の裏切りにいち早く気づいた怪盗はすぐにホテルから逃げ去り潜んでいた警察の手から逃れた。