授業の概要
フィリピン映画は昨今海外で高い評価を受けており、カンヌ、ベルリン、ベネチア、東京など主要な国際映画祭でも常連となっている。そこで表象される世界像は、フィリピンの人々や文化を理解するのみならず、ポスト植民地時代とは何か、グローバリゼーションはどのように社会に影響を与えているのかについて考える道標でもある。本講義では多くの映像を交えてフィリピン映画を紹介しながら、上記テーマを中心に議論する。
担当:鈴木勉(すずき べん)
国際交流基金マニラ日本文化センター所長
東南アジアとの国際文化交流に長年取り組む。フィリピン、タイ、インドネシアでの海外駐在は通算15年。特に芸術交流や文化協力で多くの経験がある。著書に『フィリピンのアートと国際文化交流』(2012)、『インディペンデント映画の逆襲―フィリピン映画と自画像の構築―』(2020)、『国際文化交流を実践する』(2020、共著)他。青山学院大学総合文化政策学研究科博士後期課程在籍。
『たとえ嵐が来ないにしても』カルロ・フランシスコ・マナタッド監督、2021年
『そして大黒柱は・・・』ジュン・ロブレス・ラナ監督、2024年
『ダイ・ビューティフル』ジュン・ロブレス・ラナ監督、2016年
『リスペクト』トレブ・モンテラス二世監督、2017年
『マキシモは花盛り』アウラエウス・ソリート監督、2005年
『普通の家族』エドゥアルド・ロイ・Jr監督、2016年
『ローサは密告された』ブリランテ・メンドーサ監督、2016年
『KADIN(山羊)』アドルフォ・アリックス・ジュニア監督、2007年
『BATAD:SA PAANG PALAY(稲穂の足)』ベンジー・ガルシア監督、2006年
『DONSOL』アドルフォ・アリックス・ジュニア監督、2006年
『BUSONG(パラワンの運命)』アウラエウス・ソリート、2011年
『K’NA THE DREAMWEAVER(カナ、夢を織る人)』イルダ・アニタ・デルムンド監督、2014年
『HALAW(海の道)』シェロン・ダヨク監督、2010年
『インビジブル』ローレンス・ファハルド監督、2015年
『KITA KITA』シーグリッド・アーンドレア・ベルナード監督、2017年
『この場所』ハイメ・パセナ3世監督、2024年
(了)
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締切:7月19日(土)17:00