ドゥテルテ前大統領の娘のサラ・ドゥテルテ氏とタッグを組んだフェルディナンド・マルコス・ジュニア氏が2022年5月の正副大統領選挙で歴代最高の得票数で大統領に当選し、同年6月30日から新政権を打ち立てた。1986年2月の民衆革命でハワイに追放された父親フェルディナンド・マルコス・シニア大統領の失脚から36年目に大統領府の主に返り咲いたのだ。しかし、6年間の任期のちょうど中間に差し掛かった2025年5月12日に行われた中間選挙では、マルコス与党連合が公認した上院議員たちの多くが上院選で敗北し、有権者の民意はマルコス政権に対する不満の声を選挙で届けた格好となった。
このマルコス政権の3年間の軌跡を、政治・外交・社会・経済・日比関係・文化・スポーツ関係などの側面から紹介する。具体的には次のトピックをパワーポイント資料で紹介し、残りの任期3年間のマルコス政権の課題についても見てゆきたい。
1)政治分野の軌跡―①サラ副大統領の教育相辞任や弾劾裁判請求などで「ユニチーム」が完全に瓦解②国際刑事裁判所の逮捕状を受けてドゥテルテ前大統領が逮捕・オランダに連行され拘置される③25年2月の中間選挙で与党連合敗北
2)外交分野―①南シナ海問題で緊張高まる②日比・多国間で防衛協力進展③日比部隊間協力円滑化協定(RAA)が両国の国会で承認される
3)社会問題―①公約だったコメ1キロ20ペソ販売をようやく開始②邦人の拳銃強盗被害相次ぐ③海外向けオンラインカジノ事業者(POGO)の操業を全面禁止
4)経済分野―①CREATE MORE法成立で外資誘致が進む②再生可能エネルギー事業が進展・海外展開する比企業も増加③マニラ国際空港の民営化始まる
5)日比関係―①残留2世救済が前進②戦後80年の「勇者の日」式典③円借款で進める首都圏地下鉄建設工事が本格化
6)文化・スポーツ関係―①宮崎駿監督がマグサイサイ賞受賞②比男子体操でフィリピン人選手が五輪初の金
フィリピンにある邦字紙のまにら新聞の嘱託記者兼デスク。まにら新聞監修のオンライン・フィリピン語講座も主宰
大阪外国語大学(現大阪大学)外国語学部フィリピン語専攻コース修了後、同大学大学院で修士号。同大学で3年間ほど講師として教鞭を取った後、1996年からまにら新聞で働き始める。気分転換にフィリピンの映画や音楽の視聴、フィリピン各地を旅行したり、お祭りの様子を取材するのが趣味。
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日刊マニラ新聞
『戦争の思い出: 日本占領下で生き抜いたフィリピン少女の物語』ヘレン・N・メンドーサ (著), 澤田 公伸 (翻訳), 永井 均 (解説) メディアイランド、2018
『物語 マニラの歴史』ニック ホアキン (著) 宮本靖介、橋本信彦、澤田公伸(翻訳)、明石書店、2005