79歳独居女性。喫煙歴あり、COPDと高血圧で通院中。半年間でCOPD急性増悪により4回入院、第3回入院で在宅酸素導入、第4回入院でHFpEFと診断され自宅退院困難のため療養型病院へ転院。転院時の血液検査でCK高値であり、薬剤性横紋筋融解症や多発性筋炎を疑うも非特異的所見。心のう液・胸水貯留、抗dsDNA抗体陽性、蝶形紅斑の既往からSLE発症を疑い、総合病院へ転院しベリムマブとステロイド治療実施。浮腫・胸水・心のう液は消失し、療養型へ再転院.リハビリ実施後ADL自立し自宅退院。最終診断はSLEに伴う筋炎・漿膜炎・肺病変であった。
79歳の喫煙歴(Brinkman Index 1000)のある独居女性。COPD(肺気腫主体)、高血圧にて近位通院中. 過去半年間にCOPD急性増悪で4回入院。第2回入院前から下肢浮腫を認めていた。第3回入院で在宅酸素が導入された.第4回入院時には体動困難を伴い、HFpEFの診断を受けた。自宅退院困難と判断され、回復期病院へ転院。 転院時の入院時検査にてCK 2000 U/Lと著明な高値を認めた.薬剤性横紋筋融解症が疑われ,いったん持参薬を全て休止したがCK高値は続いた。多発性筋炎等も疑い,筋電図,MRI,自己抗体測定などを実施したが非特異的所見のみであった.心エコー・CTで心のう液・胸水貯留を認め、抗dsDNA抗体陽性および家族への問診から蝶形紅斑の既往が新たにわかり、SLEの発症が疑われた。膠原病科のある総合病院へ再転院し、ベリムマブとステロイド治療により浮腫・胸水・心のう液が改善。酸素吸入不要となり、リハビリを経てADLが自立し、自宅退院となった。最終的にSLEに伴う筋炎・漿膜炎・胸膜炎・間質性肺炎の診断となった。
4A40.0Y/CB05.1/FB33&XA47J0/ BB25 /MD31
• 4A40.Y:Other specified systemic lupus erythematosus(全身性エリテマトーデス)
Inclusions
Systemic lupus erythematosus with lung involvement SLE肺病変
Systemic lupus erythematosus with kidney involvement SLE腎病変
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Postcoordination
Has manifestation
CB05.1 Interstitial lung diseases associated with connective tissue diseases (膠原病関連肺疾患/CTD‑ILD)SLE関連肺病変
FB33Secondary disorders of muscle 筋の障害
Specific anatomy
XA47J0Muscles of the lower extremity 下肢
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• BB25:Pericardial effusion(心嚢液貯留)
• CB27:Pleural effusion(胸水)
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SLE
膠原病に関連した症状があるので4A40.0ではなく4A40.0Yを選ぶ
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BD11.0 Left ventricular failure with preserved ejection fraction(HFpEF)
CA22.0:COPD with acute exacerbation(COPD急性増悪)
MG50.27 Extended spectrum beta-lactamase producing Escherichia coli
中級コーディングルール 最も主要な病態のステムコードのブラウザからクラスターコーディングできる
上級コーディングルール サマリー内容を全てクラスターコーディングできる (マニュアルコーディングを含む)
国内コーディングルール 除外された診断名もコーディングの対象とするかどうか検討
プロポーザル 除外診断のステムコードが少数であり,エクステンションでその他のステムコードがポストコーディネーションできるようにブラウザの改変求む
-----well-being実現のためのWHO-FIC活用案-----
単回の入院では確定診断に至らないことも多い.
ICFの身体構造や活動のコード や ICD-11の症候のコード を利用し,PHR等で入院前からの症状が収集できれば発症時期の推測が正確になる.上記のような症例では「症状(浮腫や労作時呼吸困難)がいつから始まり」,「入院加療によって改善したかどうか」を評価できると①発症時期の推定や②介入効果の分析が可能となる.
現在の医療制度では最資源投与病名を入力しなくてはならず,詳細不明の病名は避けるように指導されている.また診療報酬制度で施設の収入に影響を及ぼすデータであるためアップコーディングが起きやすい背景がある.当事者(医療提供側)によって入力されたデータはバイアスが生じかねない.