本学の創立者井上円了は晩年の13 年をかけて、当時和田山と言われていた土地に「哲学堂」を創設しました。これが現在の中野区立哲学堂公園であり、哲学をテーマにした世界で唯一の公園で、「国の名勝」にも指定されています。
井上円了哲学センターでは、本学学生への自校教育支援の一環として、哲学堂公園を題材に円了先生の思想と行動とを体感的に学ぶことのできる機会としてスタディツアーを年4回(春学期2日間、秋学期2日間)開催しています。また、人数を限定し、哲学堂公園をより深く学びたい学生向けのミニ講義・ガイド付きツアーも実施しています。
このツアーは普段は公開されていない中野区有形文化財の古建築物(四聖堂、六賢台、絶対城、宇宙館、無尽蔵)の内部が一般公開される期間に実施しており、今回も多くの学生が井上円了や公園に関心をもって参加しました。
スタディツアーは、公園内を自由に散策する形式のため、ガイドブックを無償配付し、本学メディアコミュニケーション学科の映像制作課外活動「白山インターネットTVステーション(HiTS)」プロジェクトで作成した「哲学堂七十七場紹介」の映像ガイダンスの活用を促しました。
ガイドツアーは、哲学堂公園のパーククラブの方による公園ガイド(1時間)や、当センター研究員によるミニ講義+公園ガイド(2時間)を実施し、公園が創設された経緯やユーモアあふれる建造物について、詳しい説明が行われました。
このツアーをきっかけにして、井上円了の思想や人物そのものについての関心が高まり、新たな発見や気づきに繋がっていることが参加者アンケートからも伝わってきました。今後も自校教育につながる重要なツールとしてスタディツアーとガイドツアーを実施していく予定です。
2025年5月1日(木)/2日(金) 11:00〜15:00
合計105名〔58名(5/1)/47名(5/2)〕
■ミニ講義では井上円了の生涯や哲学堂に関する知識をクイズ形式で解説しており、明るい雰囲気で楽しみながら学ぶことが出来ました。今までは井上円了に対して、歴史上の人物のひとりというイメージを抱いていました。今回のガイドツアーを通じて、哲学堂公園を実際に散策しながら、構造に表された思想を知り、より身近な存在として感じられるようになりました。
■哲学堂や、普段は立ち入ることのできない四聖堂などの建築物を見学しながら、それらに纏わるエピソードを聞くことで、円了先生の哲学の世界観を肌身で感じられました。 また、文字を読むだけでは知ることのできない、 円了先生の生きていた時代の雰囲気も知ることができ、参加してよかったと思いました。
■本日は雨だったのであまり回ることができませんでしたが、今日見た全ての建物から井上円了がとても哲学を重んじていたことを感じました。井上円了のお墓がある蓮華寺にも行き、井の上に円が乗っている井上円了らしさが詰まったお墓を見てとてもユニークだと思いました。雨が降ることで音が鳴る鐘のようなものもあり、雨の日だからこそ聴ける素敵な音が聴けてとても満足です。