19.生命の尊さ

低学年

生きることのすばらしさを知り、生命を大切にすること。

 この時期の児童にとって、生命の尊さを知的に理解するのは難しいことです。しかし児童は、胸に手を当てると心臓がどきどきしている、友達と楽しく遊ぶことができる、食事がおいしいなど、日常の生活の中で、自分が生きていることを実感しています。

 指導に当たっては、生きているからこそできるたくさんのことを考えさせて生きていることのすばらしさを実感させるとともに、自分の生命を見守ってくれている家族や身の回りの人々の思いに気付かせ、自他の生命を大切にしようとする心情や態度を育てます。

中学年

生命の尊さを知り、生命あるものを大切にすること。

 この段階の児童は、個人差があるものの、どの生命も唯一無二で、限りがあることを理解し始めています。しかし、行動範囲が広がり活動的になるため、安全に対する心掛けが薄れてけがをしてしまい、身の回りの人を心配させてしまうことも増えます。

 指導に当たっては、生命が家族や多くの人々の支えによって守り、育まれている尊いものであることを理解して、一生懸命に生きようとする思いを高めていきます。そして、自分と同様に生命あるもの全てを大切にしようとする心情や態度を育てていきます。

高学年

生命が多くの生命のつながりの中にあるかけがえのないものであることを理解し、生命を尊重すること。

 この段階においては、社会的な視野の広がりの中で、個々の生命が多くの生命とつながっていることや、誕生や死に対する関心を高めています。このことを踏まえ、生命の有限性や連続性、尊厳などに対する考えを深め、生命への畏敬の念を培っていくことが大切です。

 指導に当たっては、生命は多くの生命とのつながりがあること、生命の誕生の喜びや死の重さ、限りある人生を懸命に生きることの尊さなど、様々な側面から生命のかけがえのなさを理解して、生命を尊重する心情や態度を育てていきます。