低学年

家族など日頃世話になっている人々に感謝すること。

 児童は、家庭、学校、地域社会などで、日頃から多くの人に支えられ、世話になっています。しかし、児童はそのことを当たり前のように捉えているところもあります。そこで、自分に寄せてくれる善意について目を向けて考え、感謝の念を抱けるようにしていくことが人との関わりの基盤として大切です。

 指導に当たっては、自分の生活の中で、どの場面で、誰から、どのように世話をされているかを多様に考え、尊敬と感謝の念をもって接することができるようにします。

中学年

家族など生活を支えてくれている人々や現在の生活を築いてくれた高齢者に、尊敬と感謝の気持ちをもって接すること。

 中学年においては、感謝する対象を家族や地域の人など、日頃から世話になっている身近な人々に加えて、現在の自分たちの生活の礎を築いたり、大切なものを守り伝えてきたりしてくれた高齢者、自分たちの安心で安全な生活の実現のために働く人などに目を向けて考えることが大切です。

 指導に当たっては、社会科で学習する健康で良好な生活環境の維持と向上のために多くの人々の努力と工夫があることなどと関連付け、現在の生活を支えてくれる人々に対する尊敬と感謝の念を育てます。

高学年

日々の生活が家族や過去からの多くの人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し、それに応えること。

 この段階では、感謝の対象を、人だけでなく、多くの人々の支え合いや助け合いで成り立っている日々の生活そのものや、その中で自分が生きていることに対する感謝にまで広げます。そして、それらに応えた生き方を考えることが大切です。

 指導に当たっては、人々は何を願い、何を残し伝えてきたのかを、自分の生活との関わりで考えるようにしていきます。そして、支え合い助け合おうとする人々の思いに気付いて、感謝の心を育て、自他を尊重する温かな人間関係を築いていくことにつないでいきます。