21.感動、畏敬の念

低学年

美しいものに触れ、すがすがしい心をもつこと。

 この段階の児童は、感受性が豊かで、美しいものに出合ったときは素直に感動します。感動は、心を豊かにし、生活に潤いをもたらします。身近な自然がもっている美しさや心地よい音楽などに触れて気持ちよさを感じたり、物語などに語られている美しいものや清らかなものに触れたりすることで、すがすがしい心をもてるようにすることが大切です。

 指導に当たっては、児童が美しいものや清らかなものから得た感動を、ほかの児童も共有できるように働きかけることで、初々しい感性を育てていきます。

中学年

美しいものや気高いものに感動する心をもつこと。

 この段階においては、児童の感性や知性が著しく発達すると言われています。そして、自然、音楽や物語などの美しいもののみならず、人の心や生き物の行動を含めた気高さなどにも気付くようになります。また、美しいものや気高いものに触れる体験の積み重ねによって、想像する力や感じる力をより豊かにしています。

 指導に当たっては、自然の美しさや人の心にある気高さなどを感じる心が児童自身にもあることを自覚し、その心を大切にし、さらに深めていこうとする気持ちを高めるようにします。

高学年

美しいものや気高いものに感動する心や人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつこと。

 この段階においては、文学作品、オーケストラの演奏や優れた絵画の鑑賞など、心を揺さぶられた体験をしている児童が少なくありません。そして、芸術作品に秘められた人間の業を超える美しさや気高さ、火山の噴火や地震など大自然の摂理にある大いなるものに畏れを感じることができるようになってきています。

 指導に当たっては、文学作品、絵画や造形作品、音楽などの芸術にある美しさや気高さについて考え、そこに秘められている業や大自然など大いなるものへの畏敬の念を深め、自己の在り方を考えるようにします。