4.個性の伸長

低学年

自分の特徴に気付くこと。

 この段階の児童は、自分自身を客観視することが十分にできているとは言えません。自分の特徴に気付く契機となるのは、他者からの評価によることがほとんどです。自分にある長所や短所は、他者とは異なる自分らしさです。児童は他者に褒められることで自分の長所に気付いたり、叱られて注意されることで短所につながることに気付いたりします。

 指導に当たっては、これまでに褒められたことを想起したり児童相互で相手の特徴を伝え合ったりして、自分のよさを実感できるようにします。

中学年

自分の特徴に気付き、長所を伸ばすこと。

 人はそれぞれに他者とは異なる特徴をもっています。この特徴には、長所だけではなく、短所もあります。この段階では、自分の長所をさらに伸ばしていきながら、自分の個性を自覚していけるようにします。

 指導に当たっては、自分にある長所についての実感を促し、さらに長所を伸ばしていこうとする意欲を引き出して自分への自信を高められるようにします。また、様々な個性をもった他者を受け入れ、互いの個性を尊重し合う素地をつくるようにしていきます。

高学年

自分の特徴を知って、短所を改め長所を伸ばすこと。

 この段階においては、自分自身を客観的に捉えることができるようになるため、自分の特徴についての理解ができるようになってきています。そこで、自分の特徴について多面的・多角的に捉えて、さらに自分の長所を伸ばすことで自信を高め、改めたい短所については改善に努めるようにしていくことが大切です。その結果、自己を高めることが促され、将来的な自己実現につながる資質となっていきます。

 指導に当たっては、これらへの理解を深め、具体的な実践に導いていきます。