著者 本林 靖久
4.2 5つ星のうち 3 カスタマーレビュー
ダウンロードブータンと幸福論―宗教文化と儀礼Ebook本林 靖久 - 内容紹介 国民総幸福を国是とするブータンの,死をふくむ宗教文化に着目し,幸福論を問い直す注目の書。 出版社からのコメント 中古品しか表示されていませんが、出版社には在庫ございます。 法蔵館書店、ジュンク堂書店、紀伊国屋書店本店には補充中の場合もございますが在庫ございます。 商品の説明をすべて表示する
以下は、ブータンと幸福論―宗教文化と儀礼で最も役立つレビューの一部です。この本を買うか読むかを決める前に、これを検討する必要があるかもしれません。 著者は、日本文化が「死を忌避する」文化であるのに対し、ブータンでは生と死が対立的でなく統合された形で存在している、と述べている。死ぬと荼毘に付され、遺骨(灰)は川に流され、魂は大自然に解き放たれ次の生に輪廻する。この世は輪廻の1コマで、ことさら何かに執着する必要も無い。遺体や遺骨への執着も長い供養も無く、位牌、過去帳、何回忌なども無い。まさに、無い無い尽しなのである。無くとも良いと言うことなのである。見えない世界や輪廻という永遠性の中でものを見るのである。このように、ブータン人は、私達が「幸福」と考えていることが本当に「幸福」なんですか、別の見方があるんじゃないですか、と私達の生き方に鋭い質問を投げかけている。 ブータンは、諸外国が躍起となるGNP(国民総生産)ではなく、GNH(国民総幸福)を国王が提唱、独自の国づくりを実践しているという。本書は文化人類学の視点から、この国の実態をフィールドワークとして捉えているので、説得力がある。 ブータンと言えば、「秘境」「桃源郷」としての思い入れに囚われそうになるが、自戒しながらも、近代合理主義に対するアンチテーゼとしての立場から、ブータン魅力の紹介となっている。国として「急ぎすぎない開発」に心がけ、自然環境、伝統文化、仏教的世界観の継承を大切にしている。 いくつかの実例を挙げれば、オグロヅルの保護のために電線を張らないポプジカの谷。国全体の禁煙(この国だけ)。教育費・医療費無料。生まれ変わり・輪廻を深く信じる。 第5章「死を含む幸福」で日本の死生観との比較がされているところは見逃せない。日本では、ブータンのような輪廻の考えは薄く、「迷わず成仏して下さい」と手を合わし、祖霊と一体になる霊魂観。現世利益的な近視眼的日本人を指摘。ブータン人は今のこの行いの結果が、必ずしもこの世で具体的に現れるわけではないく、永遠性の中で生きていると思っている。 強く心惹かれる言葉が次である。 ブータンの人々は「風は宇宙の息である」という。 死者を回向する旗ダルシンも、遺骨を混ぜて作ったツァツァも広大な自然に解き放たれる。 ブータンの人々は墓(石塔)を持たない。 「国民の豊かさとは何か」「人間の幸福とは何か」を静かに考えさせられる一書である。 Tags:ブータンと幸福論―宗教文化と儀礼PDFダウンロードブータンと幸福論―宗教文化と儀礼PDFブータンと幸福論―宗教文化と儀礼のePubブータンと幸福論―宗教文化と儀礼ダウンロードブータンと幸福論―宗教文化と儀礼オーディオブックブータンと幸福論―宗教文化と儀礼ダウンロードブックブータンと幸福論―宗教文化と儀礼発売日ブータンと幸福論―宗教文化と儀礼試し読みブータンと幸福論―宗教文化と儀礼ネタバレブータンと幸福論―宗教文化と儀礼amazonブータンと幸福論―宗教文化と儀礼downloadブータンと幸福論―宗教文化と儀礼kindle