著者 高田 宏
4.8 5つ星のうち 10 カスタマーレビュー
ダウンロード言葉の海へ (新潮文庫)PDF amazon - 内容紹介 国語の統一こそ、一国の独立の標識なのだ。日本が近代国家となるためにも、一日も早くこの辞書を完成しなければならぬ……。子を失い、妻に先立たれながらも、17年間を費やし、ついに明治24年に大槻文彦はわが国初の近代国語辞書『言海』を独力で完成させた。近代国家日本の確立に献身した一人の明治人の姿を激動の時代に重ね合わせて感動的に描き出す。大佛次郎賞、亀井勝一郎賞受賞作。 内容(「BOOK」データベースより) 国語の統一こそ、一国の独立の標識なのだ。日本が近代国家となるためにも、一日も早くこの辞書を完成しなければならぬ…。子を失い、妻に先立たれながらも、17年間を費やし、ついに明治24年に大槻文彦はわが国初の近代国語辞書『言海』を独力で完成させた。近代国家日本の確立に献身した一人の明治人の姿を激動の時代に重ね合わせて感動的に描き出す。大佛次郎賞、亀井勝一郎賞受賞作。 商品の説明をすべて表示する
以下は、言葉の海へ (新潮文庫)で最も役立つレビューの一部です。この本を買うか読むかを決める前に、これを検討する必要があるかもしれません。 日本最初の近代国語辞典「言海」を一人で編纂した大槻文彦の評伝で、興味深く一気に読んだ。 1847年に江戸で生まれた文彦は、蘭学者大槻玄沢の孫に当たり、父盤渓や兄如電とともに学者一家に育つ。幼少の頃から漢文、国文に親しみ16歳で洋書調所に入学したが、一家は仙台に移住することになり英文の勉強は中断となる。世は幕末の混乱時で、一家は東北の大藩で佐幕派の仙台藩で苦労を重ねた。 維新後の1874年に文部省に出仕し、29歳の折上司の西村茂樹から命ぜられたのが近代国語辞書の編纂であった。日本語辞書は明治国家の文化づくりともいうべき大事業で、和・漢・洋に通じる数少ない人物として文彦が編纂者に任じられた。語彙も表記法も揺れ動いていた時代で文法も定まっていない中で、17年間大変な辛苦を経て辞書を完成するが、文部省に提出した草稿はなぜか出版されなかった。文部省との交渉の結果自費出版なら草稿は下賜するとのことで、私財の投入と友人たちの援助を得てようやく「言海」は出版される。「言海」は今日から見れば語数も少なく語源や初出等に疑問がなくはないが、刊行時には好評を博し長く版を重ね、その後の辞書の規範となった。 大槻文彦の生涯に感動することは多いが、特に印象に残るのは次の2点である。一つは「遂げずばやまじ」(玄沢の言葉)の精神で辞書編纂にかけた文彦の執念である。辞書完成寸前にチフスに感染し死の床にある若妻を見舞い自身への感染を恐れる箇所は悲痛だし、火災を怖れるあまり電気は使わず、生涯夜はランプの光で仕事をしていたのは驚きだ。二つ目は良き友人達との交流である。仙台藩の富田鉄之助には若い頃から兄事し自費出版に際しては援助を受けている。また、旧幕府派の人物では、西村茂樹、福沢諭吉等から薫陶を受けるとともに、箕作圭吾や成島柳北とは腹心の友だった。 最近「言海」が文庫本で復刻され入手しやすくなったことを、地下の大槻文彦とともに喜びたい。 地元の古書屋の主人が「これ面白いよ」といって 単行本で購入した本である。 この古書屋は20年前から知っているが 近くに引っ越した6年前からは毎週通っている。驚くべきことには この店は本を推薦してくれるだけではなく本を「貸して」くれることすらある。 日曜午後に主人の隣りに座らしてもらって 本の話を聞くのは 貴重な時間である。 ところで 本書は面白い。「言海」という日本初めての近代辞書を著した大槻文彦の伝記であるが実に感動的である。 何に比較すると分かりやすいかというと「坂の上の雲」であり「武士道」であるというのが僕の独断だ。 いずれも 明治という国の揺籃期に 戦争を通じて、または 文化を通じて 日本を主張していったという話であると解しているが この「言海」も 同じ水平線で語ることが出来ると思う。大 槻は 辞書を作成することで 日本語を体系的に整理し もって 世界に対し日本語文化を主張するということに人生を賭けた。これはまさしく もう一つの世界に対する独立宣言であったと言っても良いと思う。 読後に すぐ 筑摩文庫から出ている「言海」を買いに行ったことを覚えている。 単行本が絶版だったが この度 新書で再発行されて嬉しい限りだ。 Tags:言葉の海へ (新潮文庫)PDFダウンロード言葉の海へ (新潮文庫)PDF言葉の海へ (新潮文庫)のePub言葉の海へ (新潮文庫)ダウンロード言葉の海へ (新潮文庫)オーディオブック言葉の海へ (新潮文庫)ダウンロードブック言葉の海へ (新潮文庫)発売日言葉の海へ (新潮文庫)試し読み言葉の海へ (新潮文庫)ネタバレ言葉の海へ (新潮文庫)amazon言葉の海へ (新潮文庫)download言葉の海へ (新潮文庫)kindle