本種のみでムジナモ属を形成。
根を持たず、水中を浮遊している。
分布はヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリアと非常に広いにも関わらず遺伝的多様性は非常に低い(Cross, 2012)。
日本では1890年に牧野富太郎によって発見されて以降、環境の悪化により急速に数を減らしてしまった。
二枚貝のような葉で水中の小型生物を捕らえ、消化吸収する。何気にこの方式を用いるのはハエトリグサとムジナモのみである。
花はめったに咲かないが、代わりに頻繁に分岐して繁殖する。
冬には冬芽を形成して水底に沈んで越冬する。
2018.8.10撮影
2018.8.10撮影
当方では、プラスチック製の漬物樽などある程度深さのある容器で栽培している。
貧栄養で弱酸性の水質(ph6程度)を好むので、アシ、ガマ、ハスなどの抽水植物と一緒に栽培する。
用土は赤玉土を使用。抽水植物と共に植え込んでいる。
午前中のみ直射日光で午後は木陰になるような場所に置いている。
朝と夕方に多めに潅水。
ムジナモ栽培は如何にこの水質を維持できるかにかかっているといっても過言ではないと思う。大きくて深い容器ほど水質が安定しやすいが置き場所に困る。
貧栄養の弱酸性の水質を作るために、当方ではノグルミやヤシャブシの実を山で拾ってきてそれを投入している。茶褐色の水になれば完成。
暖かくなってくる春頃は、急に水質が悪化することがあるので、いくつかに分けて栽培した方が全滅は防げる。最終手段として焼きミョウバンを投入する手もあるが、容器内の環境をリセットする場合のみの使用にとどめている。
アオミドロが大敵でムジナモに絡みついて弱らせてしまう。少量なら手で除去すればよいが、大量だとそれも不可能に近いのでムジナモをミナミヌマエビの容器に投入すれば綺麗にアオミドロのみを食べてくれるので心強い味方である。